表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/12

9036列車 縁の下の力持ち

智暉(ともき)サイド

 旭川(あさひかわ)駅前の駐車場から車を出し、国道40号線を走らせる。塩狩(しおかり)駅があるのは宗谷本線(そうやほんせん)稚内(わっかない)方面に延びる鉄路の為、そちらに行く道を走るのだ。

智暉(ともき)「あっ・・・。」

 途中、線路をオーバークロスするところである光景を見た。これは今日も普通に宗谷ラッセルは動くらしい。

 峠の辺りは黒い雲が立ちこめていた。山登りにかかったところで雪が降り始めた。峠の頂上を越えて下りにさしかかってしばらく走ると、カーナビは右に曲がるように言ってきた。路面が全く見えていない道が奥へ続いていた。この先に目的地となる宗谷本線(そうやほんせん)塩狩(しおかり)駅があるらしい。

 駐車場っぽく雪が取り除かれた場所に車を置いて、塩狩(しおかり)駅までは歩いて向かう。下の雪には足跡も車のタイヤ痕もない。今日の塩狩(しおかり)駅には誰も行ってないらしい。

智暉(ともき)今治(いまばり)「ほう。」

行き止まりにそれはあった。周囲は木に囲まれていて、塩狩(しおかり)駅の所だけ開けているような所だった。

今治(いまばり)「ここにラッセルはいつくらいにやって来るの。」

智暉(ともき)「ああ。15時19分くらいらしい。それから長いことここで止まってるみたいだで。」

今治(いまばり)「成る程なぁ・・・。」

 元々、ここで宗谷ラッセルをとるつもりはなかったのだ。今日、JR北海道の特急が普通に動くのなら、特急「ライラック5号」に乗って旭川(あさひかわ)駅まで来て、レンタカーで名寄の北にある撮影地に行く予定だったからなぁ・・・。

今治(いまばり)「でも、まだ早くね。」

時間は14時40分を過ぎたくらいだ。このまま外で待っていても30分以上は時間を潰さないといけない。

智暉(ともき)「車戻って、15分くらいになるまで待ってるか。」

そうせざるを得ない。

 15時15分になったところで僕達は再び塩狩(しおかり)駅に行った。駅についてすぐに「まもなく列車が到着します、通路を横断しないでください」とのアナウンスが流れた。

智暉(ともき)「ありがとう、宗谷ラッセル。」

声が漏れた。

 15時18分。4灯のライトをつけたオレンジ色の車両が旭川(あさひかわ)方面に現れた。その車両はゆっくりと駅舎より遠いホームに入っていった。両端には左右両方に雪を除けられるように雪かきの付いたラッセルヘッドが連結され、真ん中には左右非対称の機関車が入り込む。DE15形2521号機。真冬の鉄路を支える除雪車の一つだ。

 ホームの端まで走り、ようやっと止まった。写真を撮る為にホームの先端まで行きたいところでは有るが、途中から全く除雪されていない為、反対側の撮影だけに止めざるを得ない。

今治(いまばり)「橋のたもとで撮影って言うのもいいけど、こうやってゆっくり撮影するって言うのもいいなぁ。」

智暉(ともき)「・・・あんまり意識したことなかったけど、ラッセルって結構デカいな。」

今治(いまばり)「まぁ、ラッセルだからな。」

智暉(ともき)「次は名寄かなぁ・・・。」

その頃にはキヤ291系っていう新しい保線用機械に変わっているだろうなぁ・・・。

 ラッセル車を見送った後、比布ジャンクションから道央道に入り、札幌(さっぽろ)を目指す。札幌(さっぽろ)インターを18時前に降りることは出来たが、激しい渋滞に巻き込まれることになり、裏道を通って札幌(さっぽろ)支店まで向かうことになった。

札幌(さっぽろ)2004→千歳線(ちとせせん)快速「エアポート200号」→千歳(ちとせ)2035


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ