1話
久しぶりの投稿です。
完全に気分で書いています
また、放置するかもしれんから期待は無しでお願いします
とあるアパートの一室で男がベッドに横になりながら、
スマホで動画投稿サイトの動画を見ていた。
「ライブ……行きてぇ」
男の名前は、茶畑 薫
現在21歳で食品製造会社に勤めている。
仕事が終わり、家に帰ってきた薫は、ベッドで横になりながら
スマホで動画投稿サイトの動画を見ていた。
その動画は、声優という職業の人達がアニメ内で登場する
架空のアイドルグループを現実で再現し、観客の目の前で
歌って踊っている過去のライブ映像である。
曲の幅は広く、かっこいい曲やかわいい曲、切ない恋の曲まで
他種多様の曲があり、薫は、そんなアイドル達の歌声に
ご執心である。
「ライブから数日しか経ってないけど、ライブ行きてぇなぁ」
薫は、最近ライブに行ったばかりでまだその時のライブ熱が
残っている。好きなアニメのグループのライブなのだから当然である。
動画投稿サイトからSNSに画面をかえ、フォロワーさん達のコメントや写真などを画面をスクロールして確認する。
昔から仲がよかった人やライブ会場で知り合った人からの通知が
来ていたので、コメントを返す。
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『エンカありがとうございます』
kaoru
『いえいえ、こちらこそありがとうございます。いやぁ〜、まだライブ熱が冷めなくて、過去のライブ映像見てましたよぉ』
『私は、アニメを1話から見返してました。やっぱ最高なんだよな』
kaoru
『最高通り越してるんだよなぁw』
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「あっ、15%きったなぁ〜。さて、いま何時かn…もう9時すぎ!?飯食ってねぇし、早くシャワーせんと」
SNSを閉じ、スマホの充電が15%をきっていたことと時刻が9時を過ぎていたことに気づくと、充電ケーブルをスマホに挿し込み、枕元に置く。
冷蔵庫開け、昨日の残り物をレンジに入れ温め、炊飯器内に残っている冷めたご飯を茶碗に盛り、ラップをかけたタイミングでレンジの音が鳴り、中の余り物と冷めたご飯を入れ替える。
晩ご飯のササッと済ませ、シャワーも済ませる。
部屋着に着替え、壁に掛かっている時計を見るが、時間は10時半を超えていた。
今日は、金曜日で本来なら明日土曜日は、休みの会社が多いが製造業は、不定休のため休日に仕事があるのが普通である。その代わりに平日に振替休日で休みになることが多いから、平日に何をするか考えていたりする。
寝る時間にしては、まだ早い。
「さて、寝る時間まで色々あさるかぁ」
寝る時間までのひとつのルーティンとして、ラノベや漫画を読むとかアニメの視聴、好きな音楽を聞くなどがある。
「きょ〜う〜は、これがいいかな。何十回もこのアニメ見てるけど、SFロボットアニメはロマンの塊だわ」
ベッド横の棚からSFロボットアニメのDVDを取り出し、DVDプレイヤーに読み込ませ、アニメを1話から見始める。
それから時間が流れ、時計の短い針が頂点を過ぎた頃、アニメに出てくる戦艦見ていて、ふっとあること思い口に出す。
「ワープ……ワープがあれば、いろんなとこに行き来できるんだけどなぁ」
俺には、ひとつの不満がある。
それは、移動である。
住んでいる場所が都会よりの田舎で電車に乗って1時間もしないうちに都会に着くことができる程度の場所で暮らしており、そこの都会でも数日前に行ったようなライブが開催されることもある。
1時間くらいの移動ならまだいい。
数日前に行ったライブは、日本で行うライブ会場の中では、知らない人はいないと言えるほど有名な場所であった。
薫は、そんなライブ会場まで電車と新幹線を2回乗り継ぎ、約3時間半の移動、帰りも同様で行きと帰りの移動時間を合わせると7時間の移動となる。
さすがに自分だけでは、ないだろう。
ライブ会場で出会った人の中には、沖縄や北海道から来ている人も当然いる。
そんな人達は、近くのホテルで1泊して帰る人がほとんどであった。ホテルをとっていない俺は、ライブ終了後に本来なら会場で出会った人と感想戦を繰り広げたいところではあったが、最終電車に急いで駆け込み、家に帰れたのは日付が変わってから少し経ったくらいだったことを思い出す。
ワープがあれば、数時間の移動もそれにかかるであろう移動費も無くなって、その分の時間やお金を好きなことにまわすことができる。
まぁ、推しにまわすけどね。
そんなことを考えていたら、瞼が重くなってきたこと感じる。
まだ、アニメも途中だしせめてこの話数のエンディング前まで、ちゃんと一区切りしてから寝たい。さすがに寝落ちはしないだろうと思ったが、すでに深い眠りについていた。
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「……ん…。…き…か。おきんか!起きんか!!人の子よ!!!」
ドゴッ!!
頭を何か硬い物で殴られた衝撃で目を覚ました。
「いっっっったぁぁぁ!!!???何!!??何何!??一体何!?てか……、ここなに??」
殴られた箇所を両手で押さえ、うずくまっていた俺が目線を下から上にあげると、目に映った景色は白一色。壁も床も天井も周りを見渡しても白一色の部屋で家具が置かれていない。
「人の子よ。やっと起きたか」
「えっ、あっ、どちらさまさまですか?」
背後から年寄りの男性のような声で声をかけられ、声の方向に振り向く。
……サンタクロースだ。
暖かそうな赤い服ではなく白色で、長い髭で服の色以外、完全に見た目がサンタクロースだ。
「サン「サンタではないぞ、人の子よ」タ……違うの?」
「違うわい。サンタといえば、暖かそうな赤い服に長い髭じゃろうが。わしのどこがサンタなんじゃ?」
一度、鏡見ろと言いたい。
(自分がどんな見た目をしているのかわからない人なのか、
いや、まさか…ツッコミ待ちか?自分の見た目がサンタに似ていることをわかった上で、このボケをしてきたのか、このじいさん)
「何を考えておる」
「いえ、何も……アハハッ」
「そんなことより、人の子よ。お主に聞きたいことがあるのじゃが」
「聞きたいこと…ですか?」
サン……いや、さっきまで優しそうな表情だったじいさんの顔が真剣な表情に変わる。
「お主………………どうやってこの部屋に入ってきたのじゃ?」
「この…部屋にですか?」
そんなの俺が一番知りたい。いきなり殴られたような痛みを感じて、目を開けたらこの白い部屋だぞ。そして、目の前にいるサン…じゃなくて、じいさん。情報が少ない。
「そんなの俺が知りたいよ!!じいさん、あんたが一番よく知ってるんじゃないのか!」
「………知らんようじゃな」
じいさんが目を閉じ、髭を触りながら考える。
「そうじゃな〜、まずは自己紹介と行こうかの。わしには、名はないのじゃがな。神をしておる」
「あっ、俺の名前は、茶畑 か…………ん?」
このじいさんなんて言った?
「じいさん、ちょっと待ってくれ。さっき…かみ?って言わなかったか?」
「言ったぞ。神と」
………………………長い沈黙が訪れる
「スゥーーーーー…………ガチ?」
目を覚ましたら、白い部屋、自分を神と名乗るサンタなじいさん。
思考が追いつかない。