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油淋鶏

作者: 今井キマリ

油淋鶏を食べながら


ナタネは笑っていた。


お腹に赤ちゃんができて、


九ヶ月経った。


無事に産まれそうだ。


油淋鶏の甘辛のソースは


夫に託して 


鶏肉をいただく。


おばあちゃんが


生きることは殺生と


言っていたことを


思い出す。


おばあちゃんはベジタリアンが


嫌いだった。


"あんな歌声の素敵な


植物をワシワシ食べながら


動物は食べないなんて。"


でも私は宗教観も大事にしたい。


私も一時期ビーガンにハマった。


肌がボロボロになってやめたけど。


おばあちゃんは自分自身を


清らだというタイプが嫌いだった。


私のお腹の子は


おばあちゃんに似ている気がする。


おばあちゃんは亡くなる当日も


牛のステーキを平らげていた。


満107歳だった。


私は想う。


好きな女優さんが


ビーガンをやったり


断食をやったり


瞑想したり


そういうの憧れるけど


そういうのはもうしない。


あれはアートだと思う。


もうすぐ臨月。


油淋鶏より唐揚げにしよう。


味がプレーンの方が


お腹の子にいいから。


ナタネはそのあと卵スープを


ゆっくりと飲み干した。

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