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詩・ポエム

結局 同じ回廊の中なのだから

作者: 空都 翔

日常をスケッチしてみました。

風は南から 吹いて来て

雲は西から 流れてくる


濡れた空気の匂いの混じった 風

黒く垂れ込め 今にも落ちて来そうな 雲


少し開けた 窓をすり抜け 気配だけが囁く

雨の季節の到来と アンニュイを


目で見るものは 儚さに溢れている

二の腕に伝わる 雨粒の有様


試しに窓から差し出した腕に

ほんの少しの現実感


舗装された道路には

ポツポツと黒い染みが増えていく


道路全てが覆われる迄には

まだ少しの 間がある


リビングから聞こえるのは

流しっぱなしの YouTubeのジャズ


細かな粒の ピアノの音が

降り始めた 小雨と セッションして行く


道路脇の線路を ゴトンゴトンと過ぎて行く電車

そのいかにも安っぽい アルミ色の車体


僅かばかりの乗客を乗せて 一日数十往復

朝から夜中まで 自分の存在価値を誇示する

その度ごとに 不協和音が混じるセッションに

少し冷める


小雨は五月雨に移って行く 

染みに覆われた道路は 黒く染まる


流れ続ける ピアノ

流れ続ける 時間


生を受けてから 死ぬまで

この終わりのない回廊の中で 佇む


何かが変わって行くように見えても

回廊の中の変化に過ぎない


生き急がなくても良い


死に急がなくても良い


結局 同じ回廊の中なのだから







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