新米女神
ここは、人間よりも上の生物の神達が
住んでいる天界
私の名前はオリビア・クウラという新人女神よ。
今は数年に一度開かれる『モンド・ライトル』という大きな会議に初めて参加している
「はーい! 女神の皆様集まっていただき誠にありがとうございます! 司会を務めるのは、この私、『レイト・ミンカ』ですーー
! 以後お見知り置きを」
ノリノリの口調で司会を務めるレイトさん。
じゃっかんオカマだけど、色々世話になった男神だ
おっと説明が遅れたわね。
このモンド・ライトルというのは、簡単に言うと、『勇者の引き抜き』だ。
実は、世界は数千個もある。
そのほとんどが魔王に支配され、苦しめられているから、天界が若くして亡くなった死者の魂を復活させて、私達女神がその勇者に付き添って世界を救うと言うこと。
「あわわ、なんか凄く緊張してきた……」
初めてと言うこともあって、私の体が震えてる。
「大丈夫、リラックスして。」
私の肩にポンと手を置いたのは先輩女神の
クレア先輩。
新人のわたしとは、容姿も経験も比べ物にならないほどのベテラン女神。
「はい……ありがとうございます!」
一旦落ち着いて、いつものペースを戻す。
「それでは〜! 今からモニターに世界を救うかもしれない勇者候補を映し出すので、
この人! って人が来たら手を挙げてくださーい!」
レイトさんがそう言うと、女神達の視線がモニターに向く。
「まずは〜……サジア・アリー!」
レイトさんの合図でモニターにステータスが映し出される。
サジア・アリー レベル1
HP;350 MP;22
攻撃:120 防御:60
魔法攻撃:125 魔法防御:55
運;50 素早さ:95
「へぇ〜、こんなふうに決めるんだ……
いや感心してる場合じゃないか!」
サジアさんのステータスを分析してみる。
「HPが高くて……あ、攻撃も魔法も両方できる! でも防御力が不安ね……」
そして、私が悩んでいると……
「私がやります」
クレア先輩が颯爽さっそうと手を挙げる
「へ!? ちょ、先輩早いですって!」
他の女神達もその早さに驚愕していた。
「どんな人でも、魔王に対抗できるように、きっちりサポートしてあげるのが女神である私達の使命よ」
ぱ、パネェ!
「OK! じゃあベテランのクレアさん!
サジアさんをよろしくーー!」
「はい! 任せてください!」
クレア先輩は、前に出て、レイトさんから
とあるビンを受け取る
中には白い物体がフワフワ浮いてる。
恐らくあれは、サジアさんの魂だ。
あれを復活の儀式をして、元の肉体に戻してあげる。
ビンを持って、元の私の隣に座る
「先輩すごすぎですよ! なんの躊躇もなく……」
「盛りすぎよ、私だって少しぐらい考えるわよ……ごめんなさい、ちょっと席を離すわ」
先輩は、立ち上がって部屋から出る
私も早く決めないと……
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……決めれない!
どうしよう……いざ手を挙げるとなると、なかなか勇気が必要だ。それに私は、新人だから被って、話し合いになるのもできれば避けたい。
なんか先輩どこかいっちゃったし……
しかし、100番目に出てきた勇者で私のこの
ウヤムヤな気持ちは一変した。
「それではナンバー100……レオ・クローバー!」
レオ・クローバー レベル1
HP:950 MP320
攻撃;750 防御;580
魔法攻撃;600 魔法防御:550
運;250 素早さ:820
……いやたっか! これまで出てきた勇者とは一線を超えるほどのステータスの高さだった。
しかも……
「あれ? 誰もいない感じですか? 誰かいませんかー!」
手を挙げる女神が一人もいなかった。
はっ! もしかして皆さん新人の私に気を遣って……よし! その期待に答えようではないか!
そして、ちょうど話が終わったクレア先輩が
帰ってきた。
「オリビア〜、誰に決めた……って、ちょっと待って! その人は……」
「はーい! はーい! 私がやります!」
クレア先輩がなんか言ってた気がするけど
その前に私は、手を挙げた。
「はーい! じゃあ新人のオリビアちゃんね! 誰か異論はないー?」
周りを見渡してみても、誰も異議はなかった。
なんか哀れみの目を私に向けてるけど……
「異論はないね! じゃあオリビアちゃん! よろしくね!」
「はい!」
私は、ビンを受け取って、席に戻った