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真空に虚無

作者: 仮住 淀



久しく、このサイトに投稿することも忘れていた。

日々の生活の中で、来る朝に備え、

眠らなきゃ、眠らなきゃ、

という考えが僕を枕に向かわせた。



あの頃、よく聴いていた歌を耳元で流すと、

目が冴えてきた。



あっ、眠らないや。

「眠れない夜は小説を書こう」という題で以前投稿したが、

これは執筆再開の好機なのかもしれない。



目を閉じていると、

ふと、昔友達と行った川を思い出した。

深く、澄んだ川だった。

深く、深く、下に泳ぐと、水圧で耳と頭がキーンとなった。

あの深い川に、この時間から潜ったらどうなるだろう。

月明かりが照らして、案外夜でも川底まで見えるのかもしれない。

身体の中の空気をぷくぷくと抜いていくと、

人の身体は沈んでいく。

当時は、自分の身体が水の底に沈んでいく感覚と、

口から出た空気が水面に向かって上昇していく様を楽しむという事をよくしていた。



暗い部屋で布団に横たわる僕は、

口から空気を吐き出してみた。

暗闇が満たす部屋でそれは気泡となり、

天井に向けて上昇していった。

僕の身体から出た空気が部屋を満たした時、

朝がやってきてしまう。

それならば、出来るだけ夜が続いて欲しいから、

息をひそめて眠りにつく。



昔、幽体離脱の練習をしていた時がある。

ネットで見た情報を頼りに、肉体からの離脱を試みた。

結局は出来なかったが、

イメージでは僕の幽体が地球を飛び出して、

宇宙から青くて丸い地球を眺めていた。



宇宙は「真空」だ。

真の空ってなんだろう。

反対は、偽空?



ここで、

「虚無」という言葉が頭に出てきた。

調べてみると、

「何物もなく、むなしいこと」

と出てきた。


虚無感。

何物もない。

むなしいこと。



何物もないならむなしいと感じるのは誰?

何物もないということを判断するのは何?



なるほど、

地球上には虚無感を感じて生きている僕たちがいる。

虚無や虚無感は結局「感」でしかないのだ。

本当に何も無い「真空」とは違って、そこに実在するんだね。



真空の宇宙に浮かんでいる、

青くて大きい虚無の塊‼︎


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