再び宇宙へ出港で よーそろー
「うっ うーん」
と目元に手を当てた。
眩しい光が目を覆う、朝になったのだ。
時雨は目を覚ました。
あっ昨日の服のまま眠ってしまった事をおもいだした。
艦橋ブリッジには、艦長室がある。
その奥に艦長の寝室がある。
艦長室の横にはミーティングルームがありその奥には副長二人の寝室がある。
艦長と副長の寝室の間にシャワールームがあり三人で雑談するスペースもある。
他のブリッジクルーは艦長室の下に部屋がありそこにもシャワールームと雑談スペースがある。
それは右舷左舷の艦橋ブリッジは少し違う。
艦長室は無いためブリッジ奥に寝室がある。
寝室の真ん中にシャワールームとなっている。
時雨はシャワーを浴びようとシャワールームに来たが先客が居たようだ。
隣のシャワー室に入ろうとした時、紅葉が入って来た。
「艦長、私昨日疲れたみたいであのまま眠ってしまったみたいなんです。今からシャワー浴びようとおもって」
失敗したと恥ずかしがるように時雨に話して来た。
「大丈夫だよ、実は私もだから。恥ずかしい話」
えへへと笑いながら時雨は返した。
「良かった私だけじゃ無いんですね」
と安堵を浮かべた。
「きっと冬ちゃんもだよ。
今シャワー使用しているから。
多分昨日戦闘したみんなそうなのかもね」
お互い笑い出した。
「どうしたの?何か面白い事でもあった?」
丁度冬花がシャワーを終えてシャワールームから出て来た。
「違うよ昨日疲れて皆んなそのまま寝てしまったねって話をしてたの」
「そうだね。私もついそのまま眠っちゃった」
冬花にしては珍しい事だ。
「さあ早くシャワー浴びて朝ご飯食べに行こう」
と冬花は二人を急かした。ボーと椅子に座りテーブルに肘をかけ二人のシャワーが、終わるのを待っていた。
「おっまたせー」
と時雨がでてくると
「お待たせしました」
と紅葉が出て来た。
三人は着替えを終えたのち食堂に向かった。
今日の朝食はバイキング形式の様だ。
時雨はパンに野菜ジュースと軽め
冬花もサンドイッチにコーヒーと軽め
紅葉はと言うと此方はご飯に玉子、納豆に海苔、味噌汁を食べていた。
「今日の戦いは多くの人の命が亡くなるよね」
と紅葉は悲しそうに話した。
「そうね、でも此方に飛んでくる火の子は払わなくてはいけない。
そうしなければ自分もその家族も守れない」
と少し強めに話した。
「ただ実感がないんだよね。
艦隊戦だから人を直接人を殺す訳でないし、物が壊れてるだけだから」
「確かにゲームの映像をみてるきがするね」
と遠い顔していた時雨は
「私がね命令しているの、私がみんなの業を私が持って行くから安心して。
人殺しと言われるのは私だけでいい。私は宇宙のお母さんになるんだから」
と真顔で二人の顔をじっと見つめた。
「何それやっぱり宇宙征服だったの?、それに私が射程合わせてるんだし時雨ちゃんがいない時は私が命令するんだよ。
私だって同罪だし時雨ちゃんとスペマすると決めた時から腹が据わっているよ。
それに伊達にスペマの第一艦隊の提督の名を持つ母を見ているのに今更感満載だよ。
人殺しの娘と他の星の人から言われてた事になるよ。たから時雨ちゃん一緒に戦おう ね」
と時雨を下から覗き込む様に見つめた。
「私だって中学から二人を見て二人のように成りたいと思って此処までついて来た訳だから、今更仲間外れはやめてください。
ただまだ実感が湧いていなくて、それでもやらなくてはいけない事はわかっている。
もし人殺しの実感が湧いた時には支えて欲しいし、でもやっぱり見捨てないでいて欲しい。
これからも一緒にいて欲しいだから・・・・」
段々支離滅裂して来た。
ただ紅葉が言いたい事は時雨も冬花も分かった。
「うん、大丈夫だよ」
「うん、うん、うん」
と時雨と冬花は紅葉の手を繋いで頷いた。
テーブルの真ん中で三人の両手は一つになっていた。
「わたくしたちは、生まれた日こそ違いますが同じ目的を果たすまで、死する時はもとよりどんな苦難も三人で乗り越える事を誓いここに願う」
と冬花は話し出した。
「一度こんなセリフ言って見たかったんだよね」
と言いながら笑った。
「わたくしたちは、生まれた日こそ違いますが同じ目的を果たすまで、死する時はもとよりどんな苦難も三人で乗り越える事を誓いここに願う」
三人は微笑いながら復唱した。
周りは何か始まったぞとコソコソ話していた。
遠くから恨めしそうに覗いている視線もあったが、誰も気づかない。
朝食も終わり0800第一作戦室に集合した。
学園長小桜夕海と教官友海が作戦室に入って来た。
「これから本作戦を伝える。
ELEWは単独にて敵主力艦隊と第一防衛ラインで対峙してもらう。
最終防衛ラインで教官の艦三隻にて対応する。
また第一艦隊には、応援を依頼中だが、多分間に合わない。
ELEWには防衛ラインでなるべく敵を破壊してほしい。
討ち漏らした敵は教官艦でなんとかする。
後ろの事は気にするな。
そして死ぬな以上だ、また時雨と冬花は残れ。他のものは出港準備に入れ」
「はい」
と力強く返事がかえってきた。不安を隠すように。時雨と冬花以外が退出すると
「お前達には話しておかなければならない事がある。柊奈多の事だ。
三年前スペマの要請で新造戦艦の開発を手伝って欲しいと柊奈多に連絡があったそうだ。
しかし今柊奈多は行方不明になっている。
噂ではELEWのメインコンピューターになったとかあるくらいだ。
彼が手掛けた戦艦がELEWなんだ。
あの艦はお前達専用と言っていい艦だ。
彼からの条件でもあったからだ。
今回の作戦ははっきり言って無謀だ。
しかしあの艦は特別だ。
天才プログラマー兼天才ゲーマーの柊奈多の特別作なんだ。私が妹を護る力を信じたいんだ。
それしかお前達をあの戦場へ送り出す未来を見出せなかった。言い訳でしか無い事はわかっている。
何とか第一艦隊が来るまで無事でいてくれ」
と下を向いたまま学園長は話した。
「でも兄が守ると言っても、何の根拠もない事ですよね、それよりも兄が行方不明ってどう言う事ですか?」
「前の戦闘でほぼ無傷だっただろう?直撃だったはずの攻撃もバリアみたいなもので当たらなかっただろう。
だから大丈夫だと踏んだんだ。
柊奈多の事は本当に誰も知らないんだ
連絡がつかない。
しかも艦から降りて来て姿を誰も見てないんだ。
艦全てを確認したが誰も確認できなかった。
だからまことしやかにあの様な噂が立ってしまった訳だ。
話はそれだけだ。戦いに備えな」
二人は作戦室を出て艦橋に向かった。
昨日スペマの基地に降り立った為、今日はこのまま出港となる。
ブースターを付け一気に上がる訳だ。
「1000時間になりました」と冬花から
モニターが開き学園長より出港するように話があった。
「1000定刻になったので出向用意」
時雨から
「出港準備完了しました」
機関長から返事がかえってきた。
「出港」
時雨は命令した。
艦はゴーと言う音と共に宇宙へ再び上がった。
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