第6話 佐藤思願野の日常
マジで血迷いました。
部屋についた俺は、取りあえずブレザーを綺麗にハンガーに掛け、ズボンもシワにならないよう真っ直伸ばしてからクリップ付きのハンガーに挟んで真っ直ぐかけると、次にワイシャツ脱ぎ俺はパンツを脱ぎ捨て全力で発狂した。
「ひぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」
この状況は叫ばずにはいられない。 隣に美少女がいた喜び、そしてその美少女が毎朝登下校を一緒にしてくれるという喜びが抑えきれないのだ。
溢れる感情が声になって漏れ出した。優しくもあり、怖くもある彼女達には申し訳ないが、一発キめていかなければ俺は理性が保てない事を悟った。
俺は白いドアを開けヒンヤリとした冷気を感じながら、黒光りしていてフニャッとした触り心地になっている物を、そっと優しく掴み取り、赤く染まった先端部分に手をかけると、そっと包み込むように握り、上下に動かすと次第にソレは硬くなっていく。さらに硬く赤い先端部分を力一杯ひねると、パンパンに膨れ上がったそいつからは、黒く白濁した泡のようなものが飛沫を上げ、あたりに激しくその液体が撒き散らされたと同時に、俺は最高の奇声を上げる。
「きもぢぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいい‼︎‼︎」
俺は息を切らしながら叫びあげ、その液体を口いっぱいに含み更にはしたないことに、ゲップ音を鳴らす。
「ゲェェェエ」
そしてこの液体はそう、言わずとも知れる炭酸飲料のコーラである!
この男はテンションが上がりすぎてしまうと、毎回このように一発キメて、頭を冷やすのだ。
裸になり、奇声を上げ、コーラを浴びるように飲む変態。
勿論隣の部屋の彼女達には丸聞こえ、思念系の異能者である皇エリーに関してはその光景すら見ている可能性すらある。 だがしかしこの男は、男であった為止まれなかった。暴走トラックのように走り抜けた、狂気の変態だ。
その後俺は、彼女達から管理人の竹本アンジェローニさんに通報されたらしく、現在ドアを破壊されてしまうのではと思うほどのパワーで、激しくノックされ、インターホンの音が部屋の中でエンドレスリピートされている。
(このゴリラしつこすぎだろ!)
それでもドアを開けずに5分程経つと、痺れを切らした竹本アンジェローニは部屋の前でフリフリのピンクメイド服に着替え始め、変態ゴリラメイドアンジェローニに進化した。
今の彼は管理人ではなく、一人の擬人化者でありメイド! そして彼と肩を並べるほどの、いや比べるのも失礼なくらいのド変態である。
ド変態ゴリラメイドアンジェローニはハートのポッケから金色のカードを取り出し、ゴリラの表情で笑いながら言った。
「うふふ、いただきます♡」
その瞬間俺は願わずにはいられなかった。
(誰でもいいから助けてくれぇーーー!)
そんな事を思っていると、ちょうどいい所にゴリラメイドの友人である、名も知らないゴリラ人間が現れ、変態ゴリラメイドアンジェローニに話しかける。
「ヤらないか」
そう一言かけると、変態ゴリラメイドアンジェローニは顔を赤く染めて、その友人みたいなよくわからないゴリラに付いていき、俺は何とか見逃されたようだ。
その状況にほっと胸を撫で下ろし、何事もなかったかのように部屋を片付け、よくわからないホモゴリラに感謝しながら、シャワーを浴びたのだった。
わけがわからないよ。