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my fair lady ① 【スピンオフ】


 一万円札を財布に戻していると、ルカのケータイに着信があった。ルカがケータイを取り出したところで嘉月に取り上げられた。


「お嫁さん?」


「8時過ぎたから子供が寝たんだよ。」


「……お店のおねーちゃん?子供の写真だ。あ、通話かかってきたよ。もしもし?鳴神呑んでるから迎え来てくれる?」


「やめろ。」


「あれ?切れちゃった。」


「猫だよ。ルージュも寝る時間。帰ってこないからかけてきたんだろ。」


「猫ってロボットの?通話も出来んの?つか、そんな金あんの?」


「貰ったの。俺の味方、ルージュだけだ。畜生……。」


「うはっ、全然似てねぇな。嫁さんそっくり。」


 嘉月が女郎花にケータイを回した。女郎花もフォローの言葉が浮かばず悩んだが、考えに考えて捻り出した。


「大丈夫。そのうちパパと結婚するって言い出すから。」


「あー、それだ。俺、亜蘭と結婚する。鬼畜と言われようが人間の屑と言われようが亜蘭が言ったら結婚するわ。」


 嘉月は笑いがこらえきれなかった。


「目に入れても痛くないにとどめておけよ。40過ぎても家に居たらどうすんの?」


「んなもん、出てけって言うに決まってる。地球の果てまで探して、それでも他に誰も居なかった時、もう一回言えって言うよ。」


「やべぇ、本音過ぎる……。」


 ルカのケータイが花咲に回ってきた。


「アランって男性名ですよね?」


「嫁さん、男の子しか頭になくて、アランでいいよって俺が書いちゃったの。」


「もうちょっと考えれば良かったのに。」


 ルカは嘉月に言い返した。


「名前なんか識別できればどうだっていいんだよ!」


 女郎花が尋ねる。


「どんな字?」


「亜種の蘭で亜蘭。」


「お嫁さん若いよね?何歳?」


「今年21。」


「まず、お母さんに見えないよね。嫁さん、やり直せるよ。」


「やめろって。」


 止まらない嘉月を女郎花が止めた。


「お疲れ!久しぶりじゃん。どうしたの?」


「鳴神、嫁さん泣かしたらしいよ。」


 新たに参戦してきた長月に嘉月がこれまでの次第を説明した。




「泣きてぇのはこっちだよ!」




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