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枕の上に 希望の下に(12)

影絵フェムト

空っぽが落ちるのを見た

中には何も無い

水滴に汚される前に

逃げ出した一つは

目の前で潰れた

だから汚れた

空っぽにも破片がある

舌打ちされながら

無かったことにされるのだ

使えない物は

ずっとそうだった



金切り音がする

あれは見てはいけない物だ

存在することを

認識しながら

誰もが声高に言わない

そこに含まれているのは

大小無き

等身大の馬鹿みたいな塊で

あれには

何の線も結び付かない



遠目から見る

薄く揺れ動く肩は

行動から

推測するには簡単だった

きっと

こうなっている

手近な場所の影は

日差しと相対的になり

裏返せば

スポットライトだった



空っぽが歩いているのを見た

外は何かが消えている

煙が流れるように

浮き上がった一つは

直ぐに潰れた

だから汚れた

空っぽでも塵が出る

小声を言われながら

無かったことにされるのだ

使えていた物は

ずっとそうだった



機械の音がする

あれは見てはいけない姿だ

存在することを

知りながら

誰もが声高に言わない

そこに落とし込まれている

大小無き

油圧機の絞り出す液体は

透明

何の力も結び付かない



目の前で見る

細く浮く静かな脚は

風体から

推察するには単純だった

きっと

こうなっている

場所を忘れた影は

日差しとは相反して動く

ただ在る

機械エネルギーだった



重力を書き殴り

圧力を弾き出す

力を欲しい人間が

力が欲しいからすることなのさ

この世界には

力を求めていながら

ひた隠しにする者が多い

あなたの周りにも

必ず居るのだ

もしくは

あなたでも構わないだろう

上が挿げ替われば

順番が回ってくる世の中で

その体験は

今まで味わったことが無い

真面に居られるだろうか

というより

真面な生物が

この世界に居るのだろうか



いつもの朝に見る

膨れ落ち届く目玉は

様相から

考え無くとも分かった

きっと

こうなっている

形を知らない影は

暗闇以外だからこそ

自由に存在する

この世界に

暗闇は存在しないから

誰が化けるか

分からないのだ


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