信じあう心ーブルースター
3話目です。よろしくお願いします。
20XX年4月。桜が満開になり、新しく入る子は頬を染めている。
そんな中に明らかに周りと違う服を着ている二人が、桜並木を歩いている。
「…ね、ねぇセツ。い、いいの?この服持ち出して…。」
「大丈夫大丈夫!このくらいならみんな許してくれるって!もぉーホント心配性だよねは、フウは、。」
「あ、当たり前だよっ!だ、だってこの服、お母さんたちのだもん・・・。」
「いいからいいから!早く行こ!」
少年少女が着ているのは、神事と巫女服だった。彼らの家はかなり特殊で、そういう服が沢山ある。だが、この二人はその類の服を持っていないため、勝手に持ち出したのだ。プルプル、ブーブー
『お二人共、何処に御出でですかっ!?収納棚にあった神事と巫女服が一着ずつ無くなっているのですが、何処にあるか知りませんかっ!?』
(うげ…)『ううん。知らないよ!それがどうかしたの?』
(え!ちょちょセツ!知ってるでしょ!今僕たちが着てるんだからって、ン!ンン!)
着ている、と言おうとしたフウはセツによって口を塞がれて、何も言えずジタバタしている。
『????と、取り合えずお帰りくださいませ。奥様方がご心配されておられますので・・・』
ブチッ、ツーツーツー
「あはは!大変なことになってるねー♪」
「プ八ッ!何するのっ!ていうか呑気にしないで帰ろうよぉ~」
呑気に歩く妹に軽い説教をしている兄。
正反対な二人だが、共通している事がある。それはただ一つ、
家に帰りたくねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ/なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!
この兄妹が嫌いなものは家のモノ。好きなものはあの人。今その人が居ないため、絶対に帰りたくないのだ。所謂〇〇コンだ。それもどうかと思うが・・・
「はぁ・・・帰ろうか・・・。」
「・・・うん、帰ろうか・・・。」
溜息を吐き、落ち込んだ雰囲気で帰る中、少年が持つ部屋の鍵がほのかに光った。
(ん?光った?いや、反射かな・・・)
特に気になるようでもなく、光ったのも一瞬だったため無視をした。
「どしたー?」「んーん、なんでもないよ。」
これがとんでもないことになるとは思わずに・・・
ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。