表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
西暦3000年の最強ロボットが異世界転生~未来の演算能力を持つ美少女オートマタは、レトロな魔法世界を無自覚に無双するようです~  作者: 無呼吸三昧
異世界転移転移

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/30

04-004 「めぞん・ド・ゾーク館と危険な住人たち」

いや、こんなグダグダな話が出来るとはな!


ナノハに案内された先は、荒涼としたクレーターの中にポツンと建つ、木造モルタル二階建てのアパートだった。


入り口には『めぞん・ド・ゾーク』という看板。

屋根には壊れた時計台。

どう見ても、昭和のオンボロアパートだ。



「……嘘だろ。

 宇宙の果てに来て、なんで『時計坂』の幻影を見せられるんだ。」


「ビャッ子ちゃん、なんかノスタルジックですね~。」



俺が呆然としていると、アパートの玄関先で竹箒を掃いている女性がいた。


金髪で、整った顔立ちの美女。

エプロンには可愛いヒヨコの絵と『PIYO PIYO』の文字。



「おや、新入りかい?

 アタイは管理人のブランチ・ヒビゴーだよ。」



(ブランチ……?

 ランチと響子が混ざってる?

 しかもヒビゴーって、なんかファンキーだな。)



「あの、綺麗な方ですね……。

 でもそのお名前、もしかしてくしゃみで金髪になったりマシンガン乱射したりしません?」



俺が恐る恐る聞くと、ブランチさんはお淑やかに口元を隠して笑った。



「うふふ、やだわぁ。

 そんな野蛮なこと、するわけないじゃない。」



彼女はニッコリと笑ったまま、一瞬だけ目を細めた。

その瞬間、ドスの利いた低音が響いた。



「あん? 誰だって二面性はあんだよ。気にしちゃだめよ~?(ニッコリ)」


「ヒェッ……。」



(変身しない分、リアルに怖い!)


俺とシルビアが震え上がっていると、アパートの中から賑やかな声が聞こえてきた。



「よし、入るぜ!

 みんな、新入りの挨拶だ!」



ナノハが玄関を開ける。

そこには、この世の地獄……いや、カオスが広がっていた。



廊下にはゴザが敷かれ、一升瓶とつまみが散乱している。

その中心で、紫色の肌に二本の角を生やした男が、扇子を持って踊っていた。



「あら~! ナノハさんじゃない!

 新入り? いいから飲みなさいよ! 踊りなさいよ!」



一号室の住人、**ギニュノセ**だ。

特戦隊の隊長格らしいが、完全に昼間から酒を飲んでいる近所のオバサン(オジサン?)である。



その足元には、背の低い緑色の男の子(?)が座り込み、超能力でつまみを空中に浮かべて食べている。



「おいギニュノセ、飲み過ぎだぞ。

 金縛りの術かけんぞ。」



こっちは**グダイ**。

名前は主人公っぽいが、ポジション的にはギニュノセの息子枠らしい。



さらに、廊下の奥から赤い肌のイケメンが歩いてきた。

しかし、その格好はスケスケのネグリジェ姿。



「はぁ~、男なんてみんな戦闘力バカよね~。

 ねぇ、新しい男?」



六号室の**ジスミ**。

見た目はイケメンなのに、醸し出すオーラがスナックのママだ。

絵面が汚い。



「……この星、重力(10倍)より人間関係の方が重くねぇか?」



俺が引きつった笑みを浮かべていると、五号室のドアがガチャリと開き、ジャージ姿の男が顔を出した。

イーン君(元王子)だ。

首には俺の手刀の痕が痛々しく残っている。



「うるさーい!

 廊下で宴会をするなと……。」



イーン君が怒鳴ろうとした時、ナノハが気づいて声をかけた。



「お、イーン様。戻ってたんですかい?

 良く生きてましたね!」


「うぐっ……ナノハか。

 酷い目にあったんだよ……。

 とんでもない化け物がいて、いきなり手刀を何発も……。」



イーン君が愚痴りながら顔を上げ、ナノハの後ろにいる俺と目が合った。



「……ッ!?」



イーン君の顔色が青を通り越して白になる。

彼はサッと目をそらすと、何も言わずに部屋に引っ込み、鍵をかけた。


ガチャッ、ガチャガチャッ(二重ロック)。



「……あちゃー。

 ありゃ相当参ってますな。」



ナノハがやれやれと肩をすくめた。



「イーン様、今『王位継承権復帰試験』の受験期でしてねぇ。

 ピリピリしてたんですよ。

 で、息抜きにパトロールのバイトに出た先で、運悪く八つ当たりした相手が悪かったみたいで。」



「あ~……。」



俺は遠い目をした。

八つ当たりしてきたのを、オーバーキル気味に返り討ちにしたのは俺だ。



(なんか悪かったな……。

 まあ、生きてて良かったわ。)



罪悪感と安堵が入り混じる俺をよそに、部屋の中からはイーン君の悲痛な叫びが聞こえてきた。



「俺は王子だぞ!

 勉強イメージトレーニングさせてくれぇぇぇ!」



しかし、悲劇はこれで終わらない。



ドガァァァン!!



五号室の壁が爆砕された。

隣の四号室から、巨漢の戦士が土足で侵入してくる。



「よぉ、イーン君。

 マヨネーズ貸してくんない?」



四号室の**ヨツーム**だ。

壁に穴を開けるのが趣味なのか、普通に隣の部屋と繋がっている。



「壁を壊すなぁぁぁ!

 ドアから来いドアから!!」


「細かいことは気にするな。

 ……おっ、新入りか?

 歓迎のファイティングポーズを見せてやろう。」



ヨツームがポーズを取ると、ギニュノセ、ジスミ、バタイドー(いつの間にかいた)、グダイが集結した。



「「「「「天下無敵の! めぞん・ド・ゾーク特戦隊!!」」」」」



ドォォォン!!



無駄にキレのあるポーズが決まる。

イーン君が頭を抱えて蹲った。



「……終わった。

 俺の平穏な生活は終わったんだ……。」



俺とシルビアは、そっとイーン君の(破壊された壁の向こうの)背中に合掌した。



「強く生きろよ、元王子。」

「私、幽霊なんでこういう雰囲気落ち着きます~(ギニュノセさんと意気投合しながら)。」



窓の外では、犬小屋に繋がれた白い犬(謎の宇宙生物ソーイチロー)が、「ワン(くそったれ)」と空に向かって吠えていた。

ネタ、わかってくれたらありがとうと言わせて貰いますね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ