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西暦3000年の最強ロボットが異世界転生~未来の演算能力を持つ美少女オートマタは、レトロな魔法世界を無自覚に無双するようです~  作者: 無呼吸三昧
俺はメイドロボ

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01-001「異世界転生って何百年前のネタだよ!」


部屋の中央部に近い場所に位置するベッドのような台の上。

そこには一人の少女の姿があった。


白黒斑なロングヘアを腰の辺りまで伸ばし、頭頂部には白いフリルに黒いリボンが両端についたホワイトブリム。

白く透き通る肌を黒のフレンチタイプのメイド服で覆い、短めのスカートの裾から伸びるスラリとした脚には、白のニーソックスと艶のあるローヒールパンプスを履いている。


少女は頭から外したホワイトブリムを手に、呆然としていた。



(なんでメイド服なんだ……しかも短くて実用性がない方とは。いや、ある意味で実用的なんだと思うけどさ)



考え事をしていたメイド少女に、一人の男が歩み寄っていく。


気弱そうな男はローブに身を包んだ若い男性であり、長身痩躯の金髪碧眼。整った顔立ちだが気弱そうに垂れた目で、恐る恐ると少女に近づく姿がなんとも情けない。


メイド少女は歩み寄る男に気が付くと、じいっと彼を観察していた。



(主任が来たが、ものっ凄くビビってるよな? ワッ! とか言ったら腰抜かすんじゃないか? いや、やらないけど)



そうしている内に男は会話出来そうな距離まで近づいて来ていたかと思うと、不意にメイド少女に話しかけた。



「あの~聞こえますか~」


「普通に聞こえてるけど……」



メイド少女は男の問いに答えたが、男は困った顔のまま固まっている。



(もしかして日本語で話すと通じないのか? うーん……あれ、他の言葉で喋れそうだな。義体の機能かもしれない。便利~)



「あ~あ~、こうか? わかるかな?」



メイド少女の言葉に、気弱そうな男がビクリと反応した。



「は、はい。わかります……」


メイド少女は言葉が通じた事でホッと胸を撫でおろすと、男に向かって話し始めた。



「あの、なんで女の子の体になってるのか知ってます?」


「……な、なんでって言われても、ステファニーは元々女性型ですが……」



(ステファニー? この義体の形式名か俗称だろうか……)



「もし分からないなら大谷先生と話したいんですけど」


「オータニセンセーですか? 誰ですか? ここには私、ええとグレイブル・マクダクルと言いますが、私と助手の女性が二名だけです。左がカレン・ビスタネッツ、右がセリカ・カローラインです」



(あれ? 俺はてっきり日本の病院に運ばれたんだと思ってたけど、もしかしたら別の場所で移植手術をやったのか?)



「ここは何処ですか? あれ? ここはマクダクル邸地下工房……だな。なんか段々分かって来たんだけど!?」


「あ、ああ。ステファニーには基本的な知識を予め大脳型制御システムにインプリンティングしてあるからね」


「ステファニーはこの義体の名前ですよね? オートマタだと自分でも分かってるんですけど、俺は犬童インドウ 白虎ビャッコですよ?」



目の前の男マクダクルは、顔が「?」マークで出来ているかのように理解不能な表情をしている。



「ええっとステ……いや君は、自分の事をインドービャッコと言う名前で認識している……と言うことかな?」


「そうなるんだと思います……自分の中にこのオートマタの持っている知識がある感じですかね? オートマタの知識からすると、自分がさっきまで居たはずの世界とは違うと思っているんですが、どうも納得できないと言うか……」


「うーん、話が噛み合わないね。どうだろう? 君の知っている事なんかを少し話してみて貰えないだろうか」


「え、ああ、構いませんよ」



白虎はこれまでの世界の事、自分の事、事故の事、そして脳移植の事を、包み隠すことなくマクダクルに話した。



……



話を終える頃になると、マクダクルの背後には何時の間にかセリカとカレンが立っていて、一緒にこちらの話に耳を傾けていた。

目をキラキラさせた二人の女性は嬉々としているようで、高いテンションでマクダクルに話しかけた。



「マスター! これは異世界転生ですよ!! ね~、カレンちゃん」


「私もそう思うんですよ。ですよね、セリカさん」



それを聞いたマクダクルがハァっと溜息をついた。



「異世界転生ってねぇ……君達は空想物語の読みすぎじゃないのかい?」



(空想物語……。俺の居た世界では既に異世界転生や転移、VRMMOなんてネタは500年程前の段階で廃れ切ってるぞ? そもそも他の星やVRへのダイブなんて普通だしな)



「でもでも、ステファニーの言ってる話はこの世界ではあり得ないですよ~」


「セリカさんの言う通りです。マスターは頭が固いんですよ。お年寄りですか?」


「――年寄りって……私はまだ27歳だよ?」



三人だけでやり取りされても困るので、白虎は彼等の話に割って入ることにした。



「ちょっといいですかね? あくまでも可能性の話なんですが、一つはこの世界がVRMMOのような仮想現実世界である可能性。その場合はマクダクルさんや、えーっとセリカさんとカレンさん? は仮想世界の住人と言う事になります」


「ですが、仮想世界を構築するシステムには視覚の端に必ず緊急脱出用のアイコンが表示されているのですが、俺の視界にはそのアイコンがありません」


「モグリのシステムと言う可能性がありますが、緊急脱出アイコンを表示する機能はハードウェアレベルで実装されていて、国際規格によりチップモジュールが管理されている限り、個別で作ったようなチップで環境を構築する事は出来ません。ですのでこの可能性は低いと思っています」



俺の話を聞いていた三人は揃って「?」顔だ。

ハッと気を取り直したセリカが俺の言葉に意見を返す。



「私達は仮想の住人じゃないですよ!? 普通に生きて、普通に暮らしてるんです!」


「そうですよね。可能性の話でしたし、別の可能性を話してもいいですか?」



またも三人揃ってウンウンと首を縦に振る。

ミーアキャットのようだ。



「もう一つの可能性ですが、セリカさんとカレンさんが言っていた異世界転移です。俺が今使っている体の記憶は俺も理解できるのですが、俺が暮らして来た世界とこの世界では根本的に差があるんですよ」



マクダクルが俺へと問いかける。



「根本的な差……とは何だい? 是非教えて欲しい」


「マナです。俺達の居た世界にマナと同等のエネルギーはありませんでした」



マナが無いと聞いた途端、マクダクル、セリカ、カレンの三人が一斉に話し出した。



「マナが無いだって? それでどうやって暮らしていくんだ?」

「それじゃ原始時代の生活ですよ~」

「でも、マナが使えない人だって生活はしてますよ? 魔道具があればの話ですけど」



(ん~、マナは俺達の世界の電気なんかに近い認識だからな。言ってる事は分からないでもないけどマナに依存しすぎじゃないか?)



「俺達の世界は電気エネルギーと言う物があります。この世界にも電気は有るようですが、エネルギー利用はされてないみたいですね」



この後もこういった質疑応答を繰り返し、最終的に俺は異世界転移でステファニーの脳に乗り移ったと言う結論に至った。



「言っておくけど、俺は男ですよ? この世界ではビャッコ・インドウ。ビャッコです」


「元の魂は15歳の男性だったね。理解しているよビャッ子ちゃん」


「なんかいいわね~、これが真の男の娘ってやつかしら~。宜しくねビャッ子ちゃん」


「ビャッ子ちゃんの体は女の子型なのですから、諦めて女の子になったら良いと思いますよ」


「――"ちゃん"づけは止めて欲しかったんですが……もういいです。義体……じゃないオートマタの主記憶にもバックアップにも"愛称:ビャッ子ちゃん""性別:女"で記録されていて消せないみたいですし……」



(呼び方はもう好きにしてくれ。俺は俺だしな)



俺がちゃん付けで呼ばれた事に凹んでいると、マクダクルが話し掛けてきた。



「それはそうと、もう一度ステファニーのシステムをスキャンさせて欲しいんだけど駄目かな?」



(うーん、解体されたりしないか?)



「どういった事をするんですか?」


この質問には助手の二人が答えてくれた。



「ほら、ビャッ子ちゃんが寝てた台があるじゃない? あそこに横になって貰って装置を動かすだけよ~」


「マナスキャンだけなので、服もそのままで横になるだけで大丈夫です」



(それならいいかな。一応どういう状況なのかは俺も知りたいしな)



俺は自主的に台に歩み寄って昇ると、その上で横になった。



「これで良いですか?」



そう聞いた俺の所へセリカがダッシュで走ってくる。



「ビャッ子ちゃん! スカート直して!! パンツが丸見えよ!?」



そう言って俺のスカートをババっと直し、元の場所に戻っていった。



(いいじゃん? 別にパンツくらい。大体今の俺って機械だしな。そもそも俺のパンツは誰が用意したんだ? マクダクルさんか? ちょっとブルっと来たわ……)



そうこうしている内にスキャンが始まったらしく、三人が話す声が聞こえて来た。



「マスター、スキャン自体は拒絶されませんでしたが、不明なモジュール多すぎます」


「そうだな……骨格は同じだが素材が違っている。マナによる仮想計測だと元の素材の30倍程の強度を示しているんだが……」


「うそ~。ステファニーの骨格って特殊魔鋼よね?」


「そうです。生成時に大量の魔石を混ぜ込んだ特殊鋼で、オリハルコン並みに高かったのですが?」


「ああ、あれは高かったな……いやいや、金の話はおいとこう。他はどうだ?」


「皮膚は完全に別物でスキャン不可ですね。先程間近で見た感じでは人間との差が分かりませんでした」


「私もそれは感じた。所作も人間の魂が入っている……として、もはや人にしか見えない」


「ビャッ子ちゃんはもう人間で良いんじゃないですか?」


「まて、それは困るんだよな……開発費援助を受けてるのに成果無しって訳にもいかないんだよ……」


「弱小工房ですから仕方ないですよ。大量生産に移行しなかったマスターが悪いと思います」


「スマン……。で他には?」


「他ですか? ありすぎて分かりません。大脳型制御システムにリンクした複数のモジュールがあるのは確認出来ていますが、それぞれの機能が不明です。また、疑似生体機能じゃないかと思われる器官もあるようです」


「なんだって!? ちょっと見せてみたまえ……あ、多分これは食事からエネルギーが吸収できるな……永久機関を積んだステファニーが食事をして何の意味があるんだか……これは技師としての疑問だが、ステファニーの筐体自体が外観的にどう変化したかを調べたい……」



筐体を調べたいとマクダクルが言った時、セリカとカレンは虫けらを見る目でマクダクルを見ていた。



「人間っぽくなったビャッ子ちゃんを脱がしたいだけでしょ~?」

「マスターはエッチですね。あの辺りとかどうなってるのかな~とか思ってますよね」



二人に責められマクダクルが後ずさりをする。



「な、なんだ? オートマタ技師がオートマタの調査をするのは普通だろう!?」


「駄目です。ビャッ子ちゃんは私とカレンちゃんが調べます!」


「そうです! 女の子の秘密はオッサン予備軍には明かせません」


「オッサン予備軍……予備軍か、言い得て妙だけど。じゃ、じゃあ代わりに調べて報告してくれないか? それならいいだろう?」



三人の中で話が纏まったようである。



(丸聞こえだぞ? まあ見たいなら見せてやるけど、なんかマクダクルには見せたくないな。俺にそういう趣味はないし)



スキャンが終わりセリカとカレンがやって来た。

マクダクルは少し離れてついて来ているあたり、多少遠慮しているんだろう。



「ビャッ子ちゃん! 終わったよ~」


「お疲れさまでした。所でビャッ子ちゃん、申し訳ないんだけど服の下を確認させて貰いたいんだけどいいかしら?」


「俺は別に見せても良いんだけど、流石にこんな所で意味もなく服を脱ぐのに抵抗があるんですよね……」


「じゃあ、私達と一緒にお風呂に入りましょうよ! ね、カレンちゃんも入るでしょ?」


「そうですね。お風呂なら脱ぐのも当たり前ですし、ビャッ子ちゃんは女の子の体は初めてでしょ? 多分男の子の時と勝手が違うから教えてあげますよ。マスター、早く沸かしてきてください」


「……え? 私が沸かすのか? いや自分の家だし沸かすけど……」



セリカとカレンにジト目で見られたマクダクルは、急いで部屋から出て行った。


セリカとカレンは正直言って美女だ。

二人とも金髪碧眼だが、ふんわりとしたウェーブ掛かった背中迄の髪で、パッチリした目の小柄な女性がセリカ。

身長は150センチ位だと思う。


カレンの方は170センチ程の背丈があり、ステファニーの体となった自分と比べると少しだけ背が高いようだ。

ストレートの髪をポニーテールで纏めているが、下ろすと腰辺りまであるだろう。

切れ長の目に長い睫毛が知的な様相を醸し出しているようだ。


二人ともローブを着ているのだが、胸の辺りの膨らみはどちらも甲乙つけがたいレベルで自己主張していた。



(人生初! 美女二人とお風呂!! 俺も女の体だけど、心は15歳の男の子だぜ!)



異世界美女二人との入浴に、しっかりと膨らんだ胸を躍らせるビャッ子ちゃんなのであった。

感想…ほしいなぁ。

星もほしいけど…

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