第一章
御疲れ様です!この日もリョウは仕事を終え会社を出てを歩いていた。
携帯の着信音が鳴った!
「ったく、もー仕事は終わってるのに!」
取引先からの電話だった
「はい」
「菊田ですが、仕事終わったかな?」
電話の主は取引先の部長でリョウが信頼を寄せる人間なのだ。
「どうもー!何かありました?」
電話の先が何だか騒々しい、何処かお店の中みたいだ
「お前さ、毎日会社と家の往復でつまらないだろ?今飲みに来ているからお前も顔出せ」
リョウも菊田の誘いだと断る理由も無い
「判りました、何処の店に行けば良いですか?」リョウはいつもの居酒屋だと思っていた
「おうっ!そうこなくちゃなー!場所はアーケードにあるCLUB MIX だから、早く来いよ!」
その言葉を最後に電話を切った。
CLUB MIXと言えばこの街では最大級のキャバクラだった、リョウは初めてその店に入る事にまんざらではなかった。
「いらっしゃいませ、何名様でしょう?」
礼儀正しいボーイが声を掛けた。
「あのぉー、菊田さんと待ち合わせなんですが、来ていますよね?」
するとボーイもすぐに答えた
「菊田さんならいらっしゃいますよ、どうぞこちらに」
ボーイに案内されて中へと入っていった。さすがに最大級のキャバクラだけあって客席も全て埋まっている。二人だけの世界を演じてるキャスト、嫌気丸出しでタバコを吹かすキャスト、男にベッタリで甘えているキャストを横目に奥のテーブルに進んで行くと、楽しそうに談笑する菊田とキャストが見えた
「おー来たな!おせーぞまた延長になっちまったじゃねーか!」
鼻から菊田は延長するきでリョウを呼んだのを分かっていた。
「綺麗な女性ですね!羨ましーっすね」
すると、そのキャストは
「マイコです!初めまして、何作ります?」
と話掛けた。リョウはバーボンを頼むと周りを見渡して菊田に言った
「こんな店に通ってたんですね!ビックリですよーキャストさんも綺麗な女性ばかりだし!」
菊田は笑いながら言った
「マイコはダメだぞ!他の娘にしろ!」
っと笑いながら乾杯をしていると
「失礼します」
ボックスの入口付近に一人のキャストが立っていた、白のドレスにイヤミのない程度の茶髪に透き通った白い肌の今時風なキャストだった。
しかし、リョウは今時の娘があまり好きではなかった、横に腰掛けるとポーチの中から名刺を取り出すとリョウに差し出した
「玲華です、初めましてよろしく」
リョウを見て微笑んだ!目がパッチリした綺麗と言うより可愛いキャストだった、しばらく話をしていると菊田が割り込んできた。
「俺は一人ぼっちなのにお前ら相手しろよ!」
どうやらマイコは他の客のテーブルに呼ばれみたいだ。更に菊田は話し続けていたリョウはそんな菊田に少し不満な顔で言った
「俺の所に付いた娘なんだから邪魔しないで〜」と言った。
とっさに玲華もリョウに申し訳なさそうに
「ごめんなさい」っとコクリとお辞儀してみせたが目が合った途端どちらからともなく笑いが出ていた
菊田のお気に入りマイコもテーブルに戻り直ぐに二人の世界に入っていたその光景を見たリョウは玲華に言った
「あれだけ会話に入っていたきたのにマイコちゃんが戻ったらこれだものなー」
それを聞いた玲華はリョウの顔をただ見て笑っているだけだった。
そこにボーイがスッと現れ
「玲華さん」っと声を掛けた、リョウはキョトンとして玲華に視線をもどすと
「ごめんなさい、時間みたいだから」と言い飲みかけのグラスを下げていた、リョウもフリーでの入店だったので仕方ないと玲華に言った。玲華は慌てて自分が渡した名刺の裏にアドレスを書きリョウに渡し言った
「良かったらメール下さい!今日は楽しかったです楽しんでいってください」と一礼して去っていった。