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第二話 闇の住人

放課後、僕は青年を探して二年の教室を回った。


教室に残っていた連中に青年の特徴を伝えると、

彼は『カケル』というらしく、放課後はアニメ

研究部の部室にいるという情報を得た。


早速、アニメ研究部の部室へ向かうと、明かりは

なく、鍵も閉まっていた。


今日はいないのかと肩を落とし、家に帰ろうと

歩き出したら・・・。


『あの、もしかして入部希望者ですか?』


振り返ると、探していた青年が鍵を持って立って

いた。


どうやら、職員室に鍵を取りに行っていたらしい。


『あぁ、はい、こちらでアニメ研究部が活動して

 いると聞いて来ました。』


『そうですか、ちょっと待っててくださいね。』


青年は嬉しそうに言うと、部室の鍵を開けた。


様子からして、部員は青年一人だけなのだろう。


だから、僕という入部希望者が現れて喜んで

いるに違いない。


『どうぞ、中へ。』


部室に入った瞬間、僕は驚いた。


そこには多くの絵やプラモデルがあったからだ。


『これ全部、あなたが作ったんですか!?』


『そうです、まあ完成度的には・・・まだまだ

 なんですけど。』


『いえいえ、凄いですよ!! こんな素晴らしい

 作品を作れるなんて!!』


『えへへ、ありがとうございます。』


僕は心から凄いと思った。


絵に描かれた人物は全て、青年のオリジナル

キャラであろう。


それに、プラモデルも全く別のプラモデルの

パーツ同士を組み合わせて作ってある。


この青年はきっと、自由に創作することが好き

なのだろう。


そうでなければ、たった一人で活動すること

なんて今までしなかったはずだ。


『えっと、自己紹介が遅れちゃいましたね。僕は

 二年C組の緑羽翔(りょくばかける)です。』


『僕は三年A組の赤神春馬、よろしく。』


こうして翔が友人となり、よく話すようになった。


そして、僕はアニメ研究部の部員となった。


僕は『仮面ライダー』という特撮が大好きで、

歴代の作品を全部見ている。


だから、この機会にアニメ研究部に入るのも悪く

ないと思ったんだ。


翔との会話を楽しむと同時に、僕は翔を蝕んで

いるものを調査した。


話している感じ、家族との問題は無さそうだ。


となれば多分、高校の誰かに虐められている感じ

だろう。


では、その虐めてくるのは誰か。


それらしい人物を翔の周りからリークする必要が

ある。


それを考えている時だった。


ある放課後、帰り支度をして外に出たところ、

校舎裏の自転車置き場から何か聞こえてきた

ので、校舎の壁に姿を隠し、自転車置き場の

方向を覗いた。


そこには自転車の側にいる翔と、数名の男女が

翔を取り囲む形で立っていた。


翔の目の前に立つ男の顔は見たことがある。


この高校で成績一番、スポーツ万能、スタイル

抜群と噂される三年C組の男。


とりあえず、ここでは奴のことを優等生野郎と

呼ぶことにしよう。


僕は優等生野郎を初めて見た時、何か違和感が

あるとは思っていたが、まさか・・・。


そう思っていると、他の男らが翔の自転車を

蹴っ飛ばし、翔の顔面を殴った。


女子はというと、スマホを取り出して翔の苦しむ

姿を撮影している。


僕はすぐにスマホを取り出し、この背景の動画を

撮り始めた。


すると、優等生野郎が翔に何やら耳打ちし、笑い

ながら他の連中と帰って行った。


翔は倒れた自転車を拾い上げると、乗りはせずに

そのまま歩いて行った。


僕は翔を後ろから追いかけ声をかけた。


『翔!! 大丈夫か!?』


『春馬君・・・。』


翔は今にも泣きそうだった。


あの優等生野郎が、翔に何を言ったのかは分から

ないが、相当嫌なことを言われたことは分かる。


『春馬君、やっぱり見てたんだね・・・。』


『あぁ、前から何か隠しているとは思って

 いたが・・・。』


この後、僕は翔の気持ちを考えず、咄嗟に思い

ついたことを口走ってしまった。


『なぁ、よければ僕の父親、探偵なんだけど依頼

 してみないか?』


僕の父親は探偵業を営んでいて、客は少ないが

腕は確かなため、翔の手助けになるのではと

考えた。


でも翔は・・・。


『探偵? ってことは結局お金を取るんだろ!!

 結局お前も金目当てか!!』


『違う!! 落ち着け!! 僕は本当に君を助け

 たいと・・・。』


『誰も僕を助けなかったクセに、お前に僕を助け

 られるわけないだろ!!』


そう言うと、翔は服の袖を捲った。


そこにはアザだらけの腕があった。


『これ見てよ、いつも隠そうと必死なん

 だよ・・・。』


『どうして隠す必要がある? 自分から助けを

 求めなきゃ、何も変わらないじゃないか!!』


『そんな簡単に言うなよ!! 皆は僕のことを

 無視するんだ!! そんな奴らに助けを求め

 られるわけないだろ!!』


『じゃあ君の担任は? 両親とかはどうなん

 だよ?』


『どうせ大人たちは僕に期待していない・・・、

 僕なんかいなくなればいいって思ってるんだ、

 お前だってどうせ・・・。』


翔は涙を流しながら去って行った。


お金と言っていたことから、きっと優等生野郎

どもに金銭を取られているのだろう。


どうして翔が奴らに虐められているのかは分から

ないが、これだけは言える。


優等生野郎どもこそが真の闇人。


罰を与えるべき存在であり、同情する余地もない。


この赤神様の闇暴き、とくと味わえ!!


第三話に続く・・・。












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