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第一話 赤神降臨

この世界は、常に光り輝いている。


家の照明、ゲーム画面、都会のネオン、夢や希望。


解釈は様々だが、光が多いから人は生活できて

いるし、幸せな日常が続いているのだろう。


だが、光があれば必ずそこには闇が生まれる。


闇と言っても、悪いイメージが付くものばかり

じゃない。


優しい闇、悲しい闇、正しい闇。


人によって闇の基準は違うのだが、世の中に良い

結果をもたらす闇も存在しているのだ。


しかし、問題なのは悪い闇という一定の人にだけ

現れる裏側、すなわち悪意の存在だ。


悪い闇にも訳ありや、悲しい過去を持ったものが

あるが、ほとんどの場合、悪い闇は根っからの

極悪人や独りよがりの偽善者、自己中心的な

考えを持つ人が手にしている。


そういう人が存在しているから、光り輝くこの

世界も、いずれ闇に飲まれてしまうのだろう。


僕はそんな世界、到底理解できない。


だから僕は、この悪い闇を持つ人、通称『闇人(やみびと)』の

持つ闇を暴き、いくつもの罰を与えてきた。


全ては生きるために、守るために、そして復讐の

ために。


そして今日、僕は目の前にある『虹野原高校(にじのはらこうこう)』に転校してきた。


この高校にも、何かしらの闇があるはずだ。


生徒、教師、保護者はもちろん、この僕でさえ

『闇暴き』という闇を抱えている。


これが正しい闇なのか、それとも間違った闇なのか、それは自分でも分からない。


『ほら全員席に座って、ホームルームを始め

 ますよ。』


三年A組の担任が、教室の中にいる生徒に席へ座る

よう伝えている。


腕時計を見れば、もう午前八時半である。


この時、僕は新しい高校生活への期待と同時に、

この高校には闇人がいないでほしいと思った。


なぜなら、僕は以前いた高校で闇暴きに熱中

しすぎて、周りから危ない奴だと罵られて

苦しい思いをしたからだ。


『えっと、今日の連絡は一つだけ、この教室に

 転校生が来ました。』


担任が転校生と言った瞬間、教室の中がざわつき

始めた。


まあ、そりゃそうだよな。


転校生が来たら一人や二人、驚いたりするよな。


それは僕だって、きっと同じだ。


『それじゃ、入ってきてください。』


担任からの合図が聞こえてきたので、僕は扉を

開けて教室の中に一歩踏み込んだ。


生徒全員が僕の顔を見ていた。


きっと僕の顔が普通なのか、美形なのか、それとも

ブスなのかを見極めようとしているのだろう。


僕は担任からチョークを受け取ると、黒板に

自分の名前を書いた。


案の定、全員が僕の名前を見て驚いていた。


だって、こんな苗字の人はそうそういないだろう

から、全員が驚くことは予想できていた。


『では、自己紹介をしてもらいましょう。』


僕は他の生徒の方を向くと、自分の名前を

名乗った。


『僕は赤神春馬(せきがみはるま)と申します、今日からこの教室で

 お世話になります。』


全員が僕を見て、どんな印象を持ったのかは

分からない。


ただ、一つだけ言えることがある。


やっぱり、この高校にいる人のほとんどは闇を

抱えている。


『はい、じゃあ、あそこの席に座って。』


そう言って担任が指を差したのは、一番後ろで

窓際の席だった。


僕はそこに座ると、昼休みが来るまで四時間の

授業を受けた。


そして昼休みになった途端、三Aの生徒が一斉に

僕の席へ駆け寄ってきた。


特に話しかけてくるのが、隣席の青年である。


『春馬君さぁ、部活どこに入るか決めた?

 ちなみに、俺のオススメはねぇ・・・。』


『あの、さっきから凄い話しかけてくるけど、僕は

 まだ君のこと何も知らないよ。』


『おっと、こりゃ失礼、名乗るのを忘れてたぜ。』


初めてこいつと話した時、なんか元気ですねって

思ったことを覚えている。


『俺は青木勇也(あおきゆうや)、よろしくな。』


『そうか、よろしく勇也。』


こんな感じで多くの友人ができたのだが、彼らは

何かしらの闇を抱えている。


しかし、僕が手を下す必要はないと分かって

安心した。


なぜなら、彼らから悪い闇は感じられないからだ。


僕は悪い闇を持つ、闇人にしか罰を与えない。


犯罪を犯していない人を追い詰めることは正しい

ことではないし、それ以前に闇人を狩ることが

僕の生きる術であり、僕なりの復讐なのだ。


まあ、とりあえず闇人がいなくて安心したが、

これでは金が稼げない。


というのも、僕は裏で犯罪を犯している闇人を

警察に突き出すことで、警察から謝礼金を

貰って生活しているんだ。


一応、父親はいるのだが、そこまで稼げてるわけ

じゃない。


要するに僕は父親の稼ぎと、警察の仕事の手伝いを

しているんだ。


闇人がいないのは良いことだが、このまま稼げな

ければ苦しい生活になるだろう。


どうしたものかと考えているうちに、気づいたら

四日が経っていた。


だが、クラスに慣れてきた所で、遂に僕が恐れて

いた事態が起こった。


それは、僕が高校の廊下を歩いている時だった。


前から、複数人の二年生らしき生徒たちが歩いて

きた。


きっと、次の授業が移動教室なのだろう。


全員が一緒に話しながら歩いている中、僕は

一人の青年から放たれる違和感に気づいた。


まず、他の連中とは距離を置いて歩いている。


そして、疲れきった顔を下に向けて、まるで

自分の表情を悟られないようにするための

ようである。


一番気になったのは、何かを我慢しながら、

何かを隠そうとする動きである。


僕は一目で分かった。


この青年は闇に蝕まれている。


虐めにあっているのか、家でのトラブルか、

とにかくこの青年は他の奴らとは違う闇を

持っている。


転校してきたばっかりで、やりたくはなかったが

仕方がない。


久しぶりの、闇暴きの時間だ。


第二話に続く・・・。







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