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女神さまに実家のまろ助(柴犬)を犬質に取られたので、主人公を追放する父親に憑依転生することになりました。  作者: ルル・ルー


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12.夜会へ



 王城では4ヶ月に一度夜会というものが開かれる。

 家同士の交流会の様なものだ。


 子供は10を過ぎれば参加できるが、おとなしい子でないと家の醜聞になるため、参加させる家はほとんどない。平均して13あたりだろうか。


 そして俺は、3人とも参加させるという暴挙に出た。

 長男以外は初めての夜会である。

 下の2人が今まで出席したのは、仲の良い家だけを集めた公爵家のお茶会ぐらいである。


 ちなみに主人公が夜会に出席したという過去は、本来のシナリオでは存在しない。

 しかし、ストーリー中の主人公は貴族との交流のために他国の夜会に出席するというルートがいくつか存在する。

 その時のためにも今のうちに、と言うことだ。

 それに加えて、娘ちゃんに関しても、今後クーデターでこの国がどうなるかわからないので思い出作りに出席させることにしたのだ。

 今回の夜会はとりわけ民度が良さそうだし。


 2人ともおとなしいから大丈夫だろう。

 一番不安なのはちょっとズレた発言が目立つ娘ちゃんだが、お茶会で作ったお姉さんな友達も出席しているからそっちに丸投げするつもりだ。


 パカラパカラと進む馬車の中は和気藹々としている。

 憑依する前ではありえない光景に、やはり俺は宿主を貫き通すことができなかったことを身をもって実感する。

 ほぼ会話に参加せずじっと聞いているだけだが、宿主であれば静かにしろと視線で一蹴していただろう。

 いや、そもそも夜会に参加させないか……。

 幼なくとも大丈夫という確信を持てるほど、子供たちに関心がなかった。

 長男は人脈作りのためにも平均的な年齢で出席させたが、下2人は奥さんが打診するまでいつまでも出席させなかったかもしれない。


 馬車が城門をくぐり、西洋風な城が見えてくる。


 見慣れた宿主にとっては城だが、俺は初めて見るハリボテじゃない本物の城である。

 窓に張り付く子供達同様、心の中はウキウキである。




 この国の公爵家は影の王族とも言われている。


 建国の歴史は約500年前に遡る。

 当時この大地を牛耳っていた帝国から領土を勝ち取った兄弟がいた。

 王族となったのが目立ちたがり屋の弟で、顕示欲のなかった兄は臣下となり公爵家を立てたのだ。


 しかし王家は過去に二度ほど長子継承が途絶え他国から王配を迎えている。

 その上、先代の王妃は子を産めず、現国王は非嫡出子である。

 公爵家は一度も長子継承を途絶えさせたことがないので、諸々含め公爵家の方が血統上は優れていることになる。

 ちなみに、王家と公爵家は互いに血縁を結んではいけないという建国以来の法があるため、王家側も血統を復旧することは叶わないのだ。

 クーデターが起こった原因もそのあたりにあるのかもしれない。

 王家の権威は時代とともに落ちつつある。




 豪華絢爛と言う文字がこれほど似合う場面なんて、現代日本ではそうそうお目にかかれないだろう。

 王家の見栄っ張りさがありありと出ている会場である。

 国の力は弱くないため4ヶ月に一度この様な催しを行なっても国庫が空になることはないのだ。

 国民たちも重税や飢饉に苦しむことはほとんどなく、ある意味安定した国として諸外国からの評判も悪くない。

 余計、血統の汚点が目立つのだ。


 いつも通り俺の腕に手を組む奥さんとその逆に長男が立ち、いつもとは違って長男の横に娘ちゃんと次男が立つ。

 王族への挨拶もそこそこに、他の家からの挨拶を受けていたところで、ここ数日で見慣れた銀髪がやってきた。


「ごきげんよう、閣下」


「ルーカスか、珍しいな」


 彼が夜会に出席しているのを見るのは何年ぶりだろう。

 いつも通り研究所にいると思っていた。


 ちなみに呼び名は彼の押しに負けこうなった。

 俺が憑依してからというもの、宿主のキャラはブレブレである。


「閣下が参加なされるのに引きこもってはいられませんよ」


「そうか」


 彼については、あまり話を続けない方が良いと学習した。

 何を言っても嬉しそうに揶揄ってくるので線引きを分かりやすく提示しているのだ。


 俺に男の趣味はない。それ以前に浮気なんてもってのほかだ。

 しかしこの男、一向にめげる気配がない。

 国一番の魔法使いには、頭のネジをいくらか飛ばさないとなれないらしい。


 少しうんざりした俺の顔に何を悟ったのかニマニマと笑っている。

 これでも使える男であると言うのが如何ともし難いな。


「お父様、私お友達の所に行って来てもよろしいでしょうか」


 あらかた貴族たちとの顔合わせは済んだ。

 大人しく言うことを聞いていた下2人に評判は上々である。

 もう羽を伸ばしても構わないだろう。


「ああ。ゼオ」


「かしこまりました。ティナ」


 ついて行くよう名前を呼ぶと正しく理解したようで、妹に手を差し伸べ2人仲良くお姉さん方のいる方へ離れて行った。


 その後ろ姿に追放後他国の夜会で踊る兄妹のスチルを思い出す。

 思わずお似合いだなーと思ってしまったが、禁断の愛は断固として許さないと念を送っておいた。





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(❁ᴗ͈ˬᴗ͈))))

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