第7話
「・・・・・・冷えるな」
少し、腰が痛む。
肩の痛みも時間が経つにつれて増していく。
時刻は午後16時。
冬が近づき、日が沈む時間が早くなってきた。それと共に気温も段々と低くなっていく。
怪我は冷えてくると痛みが増してくるものだ。
今日もチームは河川敷で練習中。
ワタシは裏方で土をかき集め、運び、グラウンドやブルペンを均す。
まるで工事現場で働く人のようだ。これなら将来の働き方に困らないなんて思いながら、そんな生き方ではこの国で到底生き残ることなんてできやしないと気が沈んでいく。
「飛月。次ノックなの。さっさと整えてくれる?じゃないとイレギュラーが怖くてさ」
「はぁ・・・・・・わかりました」
チームメイトの一人、もとい同級生のキャプテンに声をかけられる。
既に3年生は引退し、2年生がチームを引っ張っている最中。
別にコイツに期待してはいないけれど、もう少し声のかけ方はないのだろうか。
こっちだって、アンタらの為に頑張ってるんだから。
「飛月もういい!次のことしてろ!」
「はい・・・・・・!」
監督の怒号が再び飛んでくる。
怪我人に走らせてグラウンド整備なんかさせるなアホンダラ。
内野を綺麗にする大きなブラシをもちながら走ってグラウンドの外に出て行こうとする。
「ったく、遅ぇんだよグズ!」
監督の横を通り過ぎようとした際に、またしても怒鳴られる。
チームメイトは意に介さず、さっさとグラウンドの中へ入っていく。
「・・・・・・はぁ」
ブラシを置く場所はブルペンの近く。
練習中の投手がワタシを見て恨めしそうに、
「いいよね、飛月。怪我してて楽でしょ?」
「・・・・・・何か用?」
「いやぁ、どうして来てるのかなって思って?怪我って言ってサボるなよ。走れてんじゃん」
「・・・・・・」
呆れた。
お前は野球がしたくて此処にいるのではないのか?
なんで怪我人をそんな羨ましそうに見てるんだよ?
どうしてそんなことが言えるんだよ?
呆れに呆れ。何も声をかけずにその場を後にした。
グラウンドを外れて土のついたボールを磨く。
バットにボールが当たる音。
ノックを乞う少女たちの声。
流れる5時の鐘。
ワタシは今日も皆より1時間ほど残ってグラウンド整備。
「・・・・・・ワタシ。何しに、此処に来てるんだろう?」
ようやく朝に起きられるようになりました。
早起き筋トレは良いですね




