第6話
『は~い、最近流行りのコスメは・・・・・・』
『昨今、国際的に議論されている氷結条約に関する情報です。温暖化の影響により氷結大陸が溶け始め・・・・・・』
『その悩み、ご連絡くだ・・・・・・』
移り変わる画面。
気を紛らわすためにただ延々と手に持つリモコンのボタンを押し続ける。
時に見たいものがない。というより見る気になれない。
・・・・・・気力が、わかない。
テストの結果といい、野球のことといい、周囲との関係性といい。
こんなにも、上手くいかないものだろうか。
相談する相手はお母さんしかいない。
いないけれど、疲れて帰ってくるお母さんにこんなこと相談してしまえば、さらに心労を与えることになるだろう。
「・・・・・・」
食事も作る気になれず、久しぶりにインスタントラーメンを作った。
自炊の方が多かったが、こんなにも単純につくれてしまうものなのか。
身体は資本だからちゃんとしておきたかったけど・・・・・・
「・・・・・・疲れた」
腰を痛め、肩は壊れ始めた。
勉強の成績も上がらない。
これはきっと、努力の方向性がおかしいのだ。
もっと改善して、さらに弱いところを見つけて克服して・・・・・・
「・・・・・・いつまで、続ければいいの?」
辛い。
・・・・・・辛い。
――――辛い。
息が、できない。
トレーニング用のゴムチューブを本棚の上の段ボールに引っ掛ける。
段ボールは天井とおよそ接しているので、落ちてくることはないだろう。
前に大きな地震があった時も落ちてくることはなかった。
吊るされたチューブを、首にかけ、
「・・・・・・ッ」
ゴム特有の嗅覚を刺激する臭いと共に、首に重さが乗った。
狙い通り、身体が宙に浮き。
「・・・・・・ッ!」
縛るどころか千切らんとばかりに首にチューブが食い込む。
苦しい・・・・・・息ができない。
顔へ一気に血が回ったのか、とてつもなく熱い。
歯がぎりぎりと音を立てながら体の重さに抵抗している。
・・・・・・これなら本当に死ねるのでは?
「・・・・・・ハァッ」
――――そう思ったら、滅茶苦茶怖くなってしまった。
これから、もっと良くなるかもしれない。
ここから、さらに面白くなるかもしれない。
それに、お母さん。
疲れて帰ってきて、こんなの見たら。
きっと・・・・・・
――――顎を天井の方へ向けて、
・・・・・・手を使ってチューブをずらす。
段々と、ずるずると肌を擦るように伝って、チューブは首から解放された。
「いたっ」
浮いた身体はバランスを崩し、後頭部を本棚にぶつけた。
おまけに、尻餅もついた。
「・・・・・・はあぁ」
希望なんて。
信じてきたのに、叶ったことなんかないのに。
まだ、縋りたい。縋ってしまう。
所詮・・・・・・また潰えるだけの光なのに。
「なんで・・・・・・生きてるんだろう?」
最近は寒すぎて布団で過ごすことが多いです。
学生最後の期間だからいいよね・・・・・・?




