表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生まれ変わり  作者: 弁財天睦月


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/8

4-1

4


今日も狩りのチャンスをうかがっている。

3日ほど食べてない。

昨日は狩りに失敗してしまった。

シマウマの子供を狙ったんだが親が猛然と反撃してきた。

揉み合ってる際にシマウマの後ろ足が当たった。

よりによって最重要な左前足に当たって、おそらく骨折してしまった。

これでは世界最速を誇る能力を活かすことができない。

痛みをこらえてヒョコヒョコ歩くだけになってしまった。

このままだと足が治るよりも飢え死にのほうが先だ。


生き残るためにはなりふりかまってられない。

他の連中が狩って食べ残した余りものでも手に入れてやると細心の注意をはらって辺りをうかがうことになった。

同じ場所にとどまっているよりも動けるうちに移動しながらチャンスを狙う。


ライオンがいた。

自分たちで狩りをしたのかはわらかないがヌーが倒れている。

そのヌーにライオンが群がっている。

彼女は待つことにした。

ライオンたちに見つからないように距離をとっている。

ライオンが離れたらすぐヌーに向かっていく。

他の連中に横取りされる前に食えるだけ食っておく。


彼女は辛抱強く待った。

30分もしないうちにライオンたちが離れていった。

食べるだけ食べたらあとは用無しだ。

保存なんかできるわけでもないのでヌーの残骸はそのままだ。

背に腹は代えられない彼女は痛む足で周りを警戒しながらそっと近づいていった。

大型のヌーだったので食べ残しは十分にあった。

これでどうにかお腹を満たすことはできそうだ。


とにかく食べなきゃと動かなくなっているヌーの内臓に喰らいついた。

3日ぶりの食事だ。

一心不乱に食った。

もう周りは気にしてない。

食える時には腹いっぱい食えだ。

まだ血がしたたってるその肉片にかじりついた。


怖れていたライオンたちと衝突したのはその翌日だった。

何が原因だか知らないが1匹のメスライオンが襲いかかってきた。

足が悪い彼女は逃げられない。

力勝負になればメスライオンにも勝てない。

ネコ科の中ではヒョウよりも弱い。

スピードだけはあるが圧倒的にパワー不足だ。

それもあって絶滅危惧種に指定されているのを彼女は知らない。


喉もとを噛まれてサバンナの大地に引きずり倒された。

苦しい。

息ができない。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ