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永い永い恋物語

作者: 穂高貴志

其の城の最深部

陽の光届かぬ広間の両端に一対の像は在る

広大な一枚岩の床の上

宝玉の像は向かい合う様に立っている


其々青炎石紅焔石

精緻な等身大の像である


紅焔石は戦士

強大な力を秘めた剣を掲げ

青炎石は巫女

偉大なる者の象徴を懐く


其の謂れは誰も知らず

人が其の城の主となる遥前から其所に立つと謂う



一夜


像を砕かんとした狂王は

折れ飛んだ刃に其の身を裂かれ

広間の染みと成り果てた



幾万夜


近づく者無き闇の底

戦士の鎧は朽ち果てた

巫女の衣は朽ち果てた

その手を落ちた剣は床に突き立ち

やがては錆へと消え去った

その手を落ちた象徴は床に砕け

やがては埃と消え去った



幾億夜


無限の森の奥深く

壮大な廃墟の奥深く

風吹く草原(くさはら)の只中に

月の光に照されて

二人は抱き締め合って立っている

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