表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/10

大豆を見つけるのじゃ

誤字脱字があるかもしれませんが、暖かい目で読んでくださると嬉しいです。



「大豆が欲しいのじゃぁぁー!!」



カラッとした晴天の日。そんな日に

じいさんの叫び声が魔界中に響き渡った。


なぜこんな事になったのか。数十分前にさかのぼる。


「はいこれ、どうぞなのじゃ!」

「「「これは…??」」」


太陽が真上に昇る頃。

森の中で数人の声がこだまする。


「この前つくった梅干を使ったおにぎりじゃ!塩むすびもあるぞい」


魔王様の返答に3人はハテナマークを浮かべる。

メロア君とわしゃは梅干しをつくるのに協力してくれた人たちにおにぎりを渡しに来た。

メロア君が杖を片手に瞬間移動を使ってくれたおかげでおにぎりが崩れることなく一瞬でつくことが出来た。まあ、携帯用の食べ物じゃから崩れにくがな。


「クェ…これなんだ?」

「あれじゃね?コメ?とかいう」

「ぜひ食べてみてほしいのじゃ!あ、苦手なら残してしまってかまわぬからな」

無理強いさせたくはないからな。初めて食べるものは勇気がいるからのぅ。


魔王様の言葉を聞いて、最初に動いたのはゴブリンだった。恐る恐るおにぎりを口に運び、咀嚼を始める。運んだ瞬間、石のように動かなくなってしまう。


あれ…?苦手じゃったかのぉ…


「あ…すまぬ、苦手じゃったか?残しても「「すんごくうまい!!!」」


「ほえ…」


2人の声に言おうとしていた言葉が打ち消されてしまった。


「これうまいぞ!」

「クゥエ!コメがこんなにうまいとは!」


二人は両手におにぎりを掴み、一心不乱に口へ運ぶ。言うなればわんぱく食いである。

あぁ、わしゃもよくやったなぁ〜。行儀が悪いって怒られたのが懐かしい。


「!美味しいです…!穀物がこんなにも美味しいとは…驚きです」


ウェザリストは両手で一つのおにぎりを掴み、ゆっくりと味わっている。


「よかったのじゃ~~いやぁ~白米があると味噌汁も飲みたくなるのぉ」

安心感からかつい欲が出てしまう。


白米と味噌汁はセットみたいなもんじゃからなぁ~

あぁ…日本食が恋しいなぁ~


「ミソ…しる?それはなんでしょうか?」

「ふぇっ!?」


魔王様が言った言葉にみんながはてなを浮かべる。


ありゃ~…味噌がないんかぁ…

いや、そりゃそうか。和食が知られてない時点で答えは出てたようなものだ。

少し、しょげてしまうが気を取り直す。


「あぁ~…そうじゃよな…あ!おにぎりと言えば

醤油をつけて焼いても美味いのじゃよ!」


「しょうゆ…??」

「えっ…」


またも同じ反応に困惑してしまう。


あれ…もしや…


すごく嫌な予感が頭によぎる。


「…皆よ…今から言うものの中にわかるものが

あるか聞いてくれ」


少しだけ震え声になっている声に全員体を向ける。


「醤油、お味噌、豆腐、納豆、もやし、おから

豆乳、きなこ、湯葉」


「「「「????」」」」


みんな、わしゃの言った物が何一つ知らないと

いった顔を浮かべている。


あぁ…そんな…


皆の反応から、何を表しているのか…考えずともわかる…


わしゃは今の現状に下を向いてしまう。



この場所、魔界に…大豆由来の食がない!!





がっくりと肩を落とす。


「あの…魔王様…?大丈夫ですか…?」


何もしゃべらず、俯き続けている魔王様を

気遣うようにメロア君が話しかける。


「…ぅが……んじゃ……」


「へ??」


魔王様の口が小さく動くのが見えた。


「大豆がほしいのじゃーー!!!!」

おじいちゃん、n回目の叫びであった。

︙︙


「むむむ…やはりここには大豆というのは無いのじゃな?」

叫んだ後、大豆がないのか調べることにしたが、

調べる限り大豆の話は全く出てこない。

大豆由来の食品がないと分かった後、メロア君に頼んで書庫に入らせてもらった。入った時、棚が高すぎて首を痛めた。


数時間本を読み続け、目が痛んできたが進展はなに一つもない。牛歩どころではない。


万能豆、畑の肉とも言われる大豆がないなんて…

これで何度目かわからない衝撃を受ける。


これは…だめじゃな…

読んでいた本をパタンと閉じる。

横には目を通した本が山積みにされている。


「はぁ…長時間座りすぎた…うぐっ…!…」

立ち上がろうとしたが、体が固まっていたせいで動きがぎこちなくなる。

こりゃ動かんとじゃな…


︙︙


「う〜む…豆科のものがあれば代用できるかのぉ…」

醤油は魚から取ることができるが、豆腐と味噌はそうともいかない。

ぐぬぬぬ…どうしたもんか


そんな悩みを鍬に込めて田を起こす。

今してるのは田んぼの土地を増やして、育てる稲の量を増やそうとしている。


「灼熱地へ行ってみてはどうですか?魔王様」

「おぁ、フーロルさん。すまぬ、わしゃの小言聴こえとったか」


声をかけてきたのは、この土地の管理者フーロルさんであった。


目の前にいたのに全く気が付かなかった…

こりゃ恥ずかしい。というか…

「灼熱地とはなんじゃ?」

名前的に暑そうな場所じゃが…


「灼熱地とは、ここの何十倍も暑く、溶岩帯が広がった場所です。

あそこの草木は他の植物よりも強いと聞きます」

「ほへ~」

そんな場所があるのじゃな~

まあ、世界は広いからのぉ


「わかったのじゃ。ありがとうフーロルさん!今度行ってみるのじゃ」

魔王様の言葉に気のせいかもしれないが、いつもよりもフーロルの雰囲気が柔らかく感じた。

︙︙


そして、フーロルさんの助言の元

その灼熱地に向かったが…「いや、あっついのじゃツツ!!」


太陽がじかにあるのではないかと感じるほどの灼熱。視界が熱一色の世界。地面は鉄板のように熱く、溶岩地帯が広がっている。

水の代わりに出てきてるのは溶岩だけ。地獄があるならこのような場所なのではないかと思うほどの光景。とても植物、いや生き物が住んでるとは思えない。熱さで言うなら、夏の浜松市といったところだ。


「こんなところに植物なんてあるのじゃろうか…」

「ここは昔から温度が高く、熱耐性を持った生物が

多くいると聞きます。そのためここ出身の魔物は熱や炎に強い個体が多いです」

「ほえ…わしゃはここで暮らすのは無理そうじゃな…」


新しい場所のためメロア君が案内役としてついてきてくれたが、暑すぎて申し訳なくなる。


暑すぎて溶けそうじゃ…てかメロア君は大丈夫なのか?

畑仕事をしていた時、顔を赤くしているのを思い出す。

うぅ~ん…倒れないかが心配じゃ…あと杖燃えないのか?


メロア君は涼しげな顔を浮かべながら、いつも通り杖を握っている。


そんなことを心配していると、急に視界が暗くなる。暗くなるというよりかは、太陽が覆われたような視界に変わる。それと同時に辺りに影と風が頭上を横切った。


は…?


突然のことに素早くメロア君の手をつかみ、足に力を入れる。上を向くと赤い物体が目に映る。自然と身体が構えるが、考えていた色とは違う朱色の鱗が映った。 


え?鱗…?!


「はえ!?」

「………」


驚いていると影がなくなる。

「なんじゃあ!?龍か!?」

空に浮かぶ鱗とか龍しかいないぞ!?


「おいおい〜、珍しい方たちが来てるな」


頭にビックリマークが浮かんでいると、頭上から身体の芯まで響くような声が轟く。


声のする方に目を向けると、紅色の龍が飛んできて、わしゃたちの目の前で止まった。


ほえ!?龍じゃないか!?

うん?けど大きな翼があるのぉ?それに龍と身体が違うような…?


目の前にいる生物をじろじろと眺めていると、後ろから嫌な気配が感じた。

「…醜悪なドラゴンが…」

わしゃが戸惑っているとメロア君がボソッと顔を歪めながら呟いた。嫌なものを見るような、憎たらしい目線。


どらごん?ありゃ〜?どっかで聞いたことあるような…?

『ひいじいちゃん!この本読もう!』

『おぉ〜…いいぞ〜。おぉ龍が出てくるのか』

『りゅう?ちがうよひいじいちゃん!これはドラゴン!ド・ラ・ゴ・ン!』

『ほぇ〜…どらごんか…』


「あぁ!!あの絵本に出てきた!」


記憶の片隅に残っていたものを思い出し、つい指をさしてしまった。

大きな声に驚いたのか隣のメロア君が少しビクつく。すまぬ…


「よぉ、久しぶりだな魔王様。会えてうれしい限りだぜ」

「あ…あぁ。そうか…あ!すまぬ、指さししてしまい」


彼も魔王様と呼ぶのじゃな。

わしゃは魔王様なんて人ではないと思うのじゃがなぁ。


そんなことを少し胸に抱きながら目の前のドラコンを見る。


渋い声とは裏腹にふらっとした喋り方でつい気が緩んでしまう。

そんなことを思っていると、数歩後ろにたたずんでいたメロア君が黙って前に歩く。


「…おいイグニス、魔王様に無礼だ。立場をわきまえてものを言え」

「…メロア君…?」

メロアは目の前にたたずむドラゴンをナメクジを見るような視線で目を向ける。

いつもの落ち着いた喋り方ではなく、口調の強い、静かな怒りを向けた口調に少し驚いてしまう。


イグニス…それがこのどらごんさんの名前なのか?


「うぅん?あぁ〜、お前まだいたんだな。てっきりそこら辺で野垂れ死んだかと思ったよ」

「生憎、私はお前のように弱くはない。身体を貫かれたいのか?」

「はっ、やれるもんならやってみろよ」


ほ…ほえ…物騒じゃな…

流石に怖くて声をかける。

「これこれ、お二人さん。ちょいと物騒じゃぞ…?」

ご近所さんを思い出すような、バチバチの会話に少し心配になってしまう。

最近の子はこれくらいが当たり前なのか…?だとするなら申し訳ないのじゃが…

「おぉ〜、それはすみません魔王様。…この姿だと話しにくいな」

高層ビルほどの大きさがあるドラゴンがボソリと何かを言った。


え?それはどうゆう

「ほい、変身」


「へ…なんじゃぁぁー!?」


突然、目の前に大きな魔法陣が現れたと思えば、

瞬く間に綺麗な焔色の瞳と髪を持つ高校生くらいの青年が現れた。


「お~、久々にこの魔法使ったが、うまくいったみたいだな」

さっきまでの威厳ある姿から、やんちゃそうな青年の姿に移り変わった。

変化に戸惑うが、言葉遣いはどの姿も同じそうである。


「ほら、おまえの体格に合わせてやったぞ。くそ雑魚野郎」

「うるさいですね?そんなにも心臓を貫かれたいですか」

「あ?そのちんけな杖で俺を殺せるのか?」

「あら、ならやってみましょうか」

二人は火花を飛ばし合いながら言葉を交え、圧力のぶつかり合いを始めている。

しかし、イグニス君の方がメロア君より大きいからか、見下しているような構図になってしまっている。


ン…?てかころすって……「ちょっ!?やめやめ!!やはりさっきから物騒じゃぞ!…たとえ遊びでも、そんな簡単に殺すなどあまりいっとうならんぞ…」


この年頃じゃとやんちゃしたくなるのはわかるが、

よくない言葉を使うのはあまり見過ごせない。てか空気感が本当そうで怖いのじゃ!


どうも2人の会話がおふざけに感じられず、つい横槍を入れてしまう。


「…すみません魔王様。取り乱しました」

「あぁ~すみません魔王様。ご無礼を」

二人ともわしゃの言葉を聞いたら、メロア君が先に頭を下げ、数秒経ってからイグニスも頭を下げた。

「いやぁ…別に喧嘩するのはよいのじゃが…というかおぬしらは知り合いなのか?」


まあ、この頃の喧嘩はまだ可愛いものじゃと思うが…

それにこの子たちの場合、力比べみたいなものそうじゃしな。

まぁ、だめそうじゃったら止めるが。


そんなことを心の中で決める。


わしゃの問いに先に答えてくれたのはイグニスくんじゃった。

「あぁ~、知り合いといっちゃあ、知り合いだな」

イグニスがメロアに向けて視線を送ると、メロアはすぐにそっぽ向く。

「…一応」


二人とも少し悩みながらも知り合いと答えた。メロア君の方は少しバツが悪そうに見えた。


ありゃ~!メロア君も同年代の知り合いがおったのか~

よかったよかった。

仲が良いかは無視をして、同年代の知り合いがいることにひどく安心した。

仲が良いかは無視して。


「おっと、名を名乗るのを忘れていた。俺はイグニス。ここ灼熱地の管理者をさせてもらってる」


「イグニス君じゃな。よろしくなのじゃ」

明るい笑顔をイグニスに向ける。


そう返事を返せば少し目を見開き、わしゃの顔を見る。


「どうしたのじゃ?」


「あぁいえ、なんでも。ところで魔王様、こんな場所に何しに来たんですか?もしかして〜こいつを捨てに来ましたか?」

いたずらげにメロア君に視線をやる。

「………それは…」

少し口ごもってしまうがすぐに反論しようと口を開こうとした。しかしその必要はないくらい速く、その言葉へ反応したのは魔王様だった。


「捨てるわけないじゃろ〜!こんな優しい子を。冗談でもよくないぞ〜」


「……!魔王様…」


「わしゃは植物を探しておるのじゃ〜!」


呆れるような質問にメロア君の肩に手を置いて、へなへなな顔を浮かべる。

一方、肩を掴まれたメロアは石のようにピシリと固まり、動けなくなっていた。


こんな優しい子を捨てるなんて…天変地異が起きても無いことじゃ。どんなに目上の人であろうと絶対拒否するのじゃ。


「……わかりました魔王様〜。俺も一緒に探しましょう〜」

 の瞳が綺麗に映る。瞳の中に炎が揺らめいているように見える瞳がじっとりと魔王を見つめていた。


少し経ってからにっこりといい笑顔で返答が返ってくる。


「おぉ!それは助かるのじゃ!」

「いえいえ〜あ、暑いなら帰ってもいいぜ?メロア」

「……結構です」


こうして、暑い土地を3人?で散策することになった。


ここで大豆を見つけられれば、一気に料理の幅が広がる…!というか見つかってくれなのじゃ!!

大豆がないと何も始まらんー!!



おじいちゃん、心の底からの祈りであった。


すごく投稿が遅くなりました…

これからはもうちょい早くなると思います。

どうでもいいですが、大豆製品って結構多いですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ