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【3-3】「つまり───。ミシェル様は記憶をなくされているということですね。」

(シャンデリアのある豪華な部屋)



【4-1】(状況が全くわからない…とりあえずそういう事にしておこう…。)



「全く…毎日毎日私めの言葉に耳を貸さず、魔法の研究に没頭され、いつかなにかをしでかすと思っておりました。まさかこっそり浴槽の中にあんな大きな魔法陣を描かれているなんて思いもしませんでした。その上術の対価として記憶を失われるなんて…。私めは頭が痛いですよ全く。」




【4-2】(っていうかこの鳥凄い流暢に喋っている…)


【4-3】(これは…夢?)徐にぎゅっと頬をつねる


【4-4】「聞いてらっしゃるのですか!ミシェル様!」




【5-1】「…とまぁ言いたいことはまだ山のようにありますが、とりあえず私めの自己紹介から…貴方様の執事のジルです。ミシェル様が幼少の頃よりお仕えしております。お困り事がございましたら何なりとお申し付けください。」



【5-2】「長話はそんな所で宜しいですか?お喋りオウムのジル様?」


【5-3】んな?「私はオウムではありません!カラスです!!」




【5-4】「私は王立夜警、第4騎士団の騎士団長リュカです。貴方様は有識者として本日より7日後にひらかれる議会に招かれております。その道中の警護のために派遣されました。」



【5-5】「有識者?」



【5-6】「左様でございます。ミシェル様は医師、占星術師、魔術師としてこのデュオールでは有名なお方です。」



「時間もないことですし、議会の事については馬車の中でお話しいたします。早速出発いたしましょう。」




────────────────────


【6-2〜3】馬車に乗り込むミシェルの隣にリュカが座る。一瞬目が合うが顔を背けられる



【6-4】(なんか…この人私のこと嫌ってる…?)


【6-5】馬車の車輪がガタガタしている



【6-6】「今回、議会のテーマは『デュオールにおける黒死病に対しての感染対策と有効的な平癒方法に関して』です。東デュオールで5日間に渡り議論がなされます。」




「今、デュダンでは黒死病といわれる病気が蔓延しており、多くの人々が亡くなっています。幸いにもまだ、デュオールではこの病が爆発的に広がってはいませんが、いつ、何時それが起こるのかということを我々は危惧しています。」



[薄暗い馬車内をシルエットみたいな形で映す演出]



【7-1】(黒死病…?ペストってこと?…となるとここは完全な異世界ではないのか…。)


【7-2】「デュオールって?」


【7-3】「この世界はデュオールとデュダンに分かれています。我々がおりますのは魔法界デュオール。逆にあちら側、デュダンといいます。彼らは我々の世界の存在を認識しておりません。」


【7-4】「病気を魔法で治したりはできないの?」痛いの痛いのとんでけ的な?   とんでけ?「それは…」



【7-5】ジルが説明しようとした所で馬車が大きく揺れた。


【8-1】「なに?!」


【8-2】「取り囲まれているようですね。ジル様お力添えお願いします。」



【8-3】「やれやれ。仕方ないですね…。それでは私めは後で合流いたします。リュカ、くれぐれもミシェル様をよろしくお願いします。」


自ら鳥籠のドアを開けながら


【8-4】「それではミシェル様…こちらからドアを蹴破り、はくちょう座の頭、アルビレオの方へ向かって森を走ります。決して、はぐれませぬよう…」とフードを被せながら囁く。


【8-5】森の中を走る様子 俯瞰で



【9-1】「待て!人殺しども!」


【9-1〜2】「サリエル!赤いヘビめ!」


【9-3】(人殺し…?サリエル…?)


【9-4】突然止まったリュカの背にぶつかる。


【9-5】滝


「ミシェル様私に捕まってください!」


【10-1】「どうしよう…。」


【10-2】腰に手をやるリュカ


【10-3】「ミシェル様…泳ぎは多少できますか?」



「え?」


【10-4】「え〝?」


【10-5】「ええええええ!!??」

────────────────────


【11-1】「まさか普通に飛び降りるだけとは思わなかったわ…」髪の毛を絞りながらミシェルは言う。


【11-2】「普通以外に飛び降りる方法なんてありますか?」

リュカが静かに刺々しくいう。焚き火で顔が半分影になっている


【11-3】「こう!なんか!魔法の力でふわぁ〜とか!最後にすとんっ!とかあるじゃない!ほら!」身振り手振りで必死に伝えようとするミシェル。


リュカは冷めた目でこっちを見る。


【11-4】「魔法の力はそんなに万能ではないんです。大人2人浮かす魔力を持っている人間なんて中々いませんよ。」荷物を乾かしながら


【11-5】「…そうなんだ。」

リュカの横にすとんと座る。


「ねぇ…さっきの人達なんだったの?人殺しとか、サリエルとか言ってたけど。



【12-1】人違いで私たちを襲ったの?」


リュカの手が止まる。


【12-2】「人違いではありませんよ。サリエルは死を司る堕天使。


【12-3】私が巷で呼ばれている蔑称です。」


【12-4】手に持っていたタロットカードの死神をこちらに向けながら言う。「つまり死神ということです。」


【12-5】「王立夜警の騎士団長が死神…?」伸びる影がリュカだけ死神の形に





【13-1】

「『なんで?』って聞くんだろ?良いよな。嫌なこと全部忘れちまって。あんたの助言でデュオールでは黒死病患者を隔離してるんだよ。


【13-2〜】

隠れてる患者を見つけ出して隔離して……そして…

従わないものを時に殺した…。結局みんな死んでいくんだ。今や市民は病を恐れ、憎んでいるんじゃない。」


[許しを乞う人、


逃げる人の背中を血飛沫]




【14-1】「…俺たちを憎んでるんだ。」



そう言った彼の目の中には哀しみの色が見えた。





【14-3】「すまない…。」「リュカ…。」



【14-4】彼の肩に触れようとすると白いシャツが血に染まってるのに気づいた。


【14-5】「リュカ…!あなた酷い怪我をしているわ!手当しなきゃ…。ねぇ、さっき馬車の中で話していたように病気や怪我は魔法で治せないの?」


傷が痛むのか顔を少し歪めながら話す

【15-1】「魔法というものは、無のものを有にするのではない。不足している物質を魔力で生成し、補う程度だ。だから魔法で行う怪我の治癒は細胞を活性化させて行う。」


【15-2】(治りが早くなる絆創膏的なことね…。)


【15-3】「病気の細胞を活性化させれば、その進行を早めてしまう。結論、怪我は治せるが、病気は治せない。」コホッと小さく咳をする。





【15-4】「だからミシェル様は医学の研究を始められた。私を信じて待っていてほしいと。」




リュカの怪我に触れる。意識を集中させる。やり方はわからないけど、手のひらが暖かくなってきた。その手をリュカは払いのける


【15-6】「ミシェル様!魔法での怪我の治療はおやめください!微弱な一定の魔力を送り続けることはあなたを酷く消耗させてしまいます。」





【16-1】「そんなの構わない。あなたは私を守ってくれたから。」


【16-2】「大切な約束を忘れてしまってごめんなさい。


【16-3】

でも私は逃げたわけじゃない。


【16-4】あなたの頑張りを無駄にはしないわ!もう少しだけ…お願い。私を信じてほしい。」


【17-1】パチパチと火が燃える。並ぶ靴



ぽつりとリュカは言った。

【17-2】「沢山の人を殺してきた。人殺しと言われて、蔑まれても仕方ない。



【17-3】当然の報いだ…。」



【17-4】『私は隔離施設に明日、収容されます。』ゴホッゴホッ


【17-5】『さようならお兄様』


【17-6】『もうお別れです。一つだけ忘れないでください』



【17-7】「あなたは人殺しなんかじゃない!さっき追われた時だってあの2人を傷つける事はできたはずよ。だけど決して剣を抜かなかった。」


【17-8】

「あなたは立派よ。」『お兄様は立派です。』


【18-1】「ミシェル様…。」




リュカは目元を隠して泣いた。


【18-2】「ありがとう…。」


ミシェルはリュカを支えるように肩に額を寄せた。



【18-3】斜め上からの俯瞰。伸びる影が繋がっている、

────────────────────




【18-4】「わぁ!すごい綺麗な街並み!」


【19-2】街並み






【19-3】

「森の真ん中を抜けたことでかなり早く着いてしまいました。道中のことでお疲れかと思いますし、城の方でミシェル様のお部屋の用意もされておりますので、そちらで休まれますか?」



【19-4】

ある人の言葉を思い出す。

『その事象を深く知るためにはフィールドワークが大切です。』


【19-5】(この世界のこと、もっと知りたい)



【20-1】「リュカ!街を散策しましょう!」



【20-6】「この世界ってすごく面白いのね!時間がいくらあっても足りないわ!」


【21-1】「そうですか…。」


【21-2】


「リュカ…ずっと気になってたんだけど。」

「はい、なんでしょう?」

そう言ってコーヒーを口に運ぶリュカ



【21-3】

「私のこと嫌い…?」



【21-4】

ニヤニヤするミシェルと珍しくおどおどするリュカ

「…いえ、あの、その」



珍しい反応が面白い。



【21-5】

「ただ…」また硬い表情に戻るリュカ



「今のミシェル様は記憶を無くされる前のミシェル様と別人になってしまったようで…」



【21-6】(そっか…。)

リュカのするどい指摘にドキリとした。そしてふと思う、(本当のミシェルの人格はどこに行ってしまったのだろう…)

コーヒーカップに映る自分の姿。顔は見えない 演出



【22-1】

「何やら随分楽しそうですね」空から現れたジルがテーブルの端に降りたつ。羽が舞う演出


【22-2】


「ジル!」嬉しそうなミシェル

「お前いつから…!」慌てるリュカ



【22-3】

「コホッ」もう一度咳が出る。リュカは口元を抑えた手のひらを見つめ、慌ててミシェルに告げる。ジルは何か察したような表情をする。


【22-6】

「ミシェル様…申し訳ありません。私急用を思い出しました。議会が行われるのはここからすぐの屋敷です。後はジルが全て把握しておりますので失礼します。」



【22-7】

「ミシェル様のご活躍、期待しております。」

今度は心から敬意のこもったお辞儀をした。

────────────────────

その日の夜


【23-1】


(リュカの姿全然見かけないな…急用ってなんなんだろう…)


とぼとぼと廊下を歩いていると屋敷のメイドが角で噂話をしている。リュカという名前が聞こえた気がして耳をそばだてる。




【23-2】「ねぇ聞いた?リュカ様の噂。

【23-3】

リュカ様黒死病になったんですって。それも異様に早いスピードで症状が進行しているそうよ。」「まぁ恐ろしい、でも何でリュカ様だけそんなに病気の進行が早いのかしら?」



【23-4】

メイドはリュカのことを揶揄するように、「あれだけのことやってるんだもの。呪われたのよきっと」と言った。


【23-5】

(悔しい──。私のせいだ。リュカは私たちと一緒にいた。馬車を囲まれた時に飛沫感染したんだ。怪我の治癒をした時に私が病の進行を早めたんだ。)



(私何しにここに来たんだろう…。)


【23-6】


(そうだ。思い出せ、思い出すんだ。本物のミシェルはきっと理由があって私をここに連れてきたんだ。


黒死病…ペスト…。)


【24-1】映画のフィルムのような演出(懐かしい声…これは誰の声だっけ…?)



背景に散りばめる

(腺ペストの潜伏期間は通常1日から7日ですが、肺ペストの症状は細菌に接触してから2-3日後に急に始まります。感染すると、発熱、咳、血が混じった痰が出ます。人から人への感染力が非常に高く、そのままにしておくと患者は100%死亡します。)




【24-2】(あぁ…そうだ。私の大好きだった進藤研一教授の声だ。)



【24-3】(ゼミの名前みんな略して呼んでたな。なんて言ったっけ…。)



【24-4】


当時は不治の病として恐れられていたペストですが



【24-5】

『現在はニューキノロン系抗生物質で治療が可能です。』



パチンと電気がついたように頭の中が明るくなった。

【24-6】「これ!進(堂)研(一)ゼミでやったやつだ!!」


────────────────


【25-4】「ミシェル様?!ここへきてはいけません!!!」


【25-5】

「こんな不衛生な部屋にいては治るものも治らないわ。」


【25-6】窓を開く


【26-1】


「リュカ、あなたを死なせはしない」逆光



【26-3】ピカピカの床(※別のカットでもいいかもです。)



【26-4】よし!消毒完了!



【26-5】

一通りのアルコール消毒を終えるとリュカの横に座る。


「さてと…。」


「あなた自身や両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい人はいる?」




「い、いえ…」


「なにか大きな病気をしたことは?」


「特には…」


「服用している薬は?」


「ない…です。」


【27-1】


生成した薬を差し出す。


「これを飲んで。」



「これは…?」



【27-2】

「私が生成した薬、成分的にはちゃんと効くはず…」


私が不安そうな顔をするとリュカは力無く微笑みながら


【27-4】


「ミシェル様が私のために作られたのでしたら、たとえ毒でも薬になります。」





【27-5】



(今日で4日目か…議会の方はジルに代理出席を頼んだけれど大丈夫かしら…。まぁ私がいてもあまり変わらないか…。)



アパートメントの扉が開き、その音に驚いてミシェルは顔を向ける。



【28-1】

怪しいカラスの面をした集団がぞろぞろと入ってくる。



【28-2】

「何者?!」


【28-3】


「ご機嫌麗しゅうございます。ミシェル様、私どもはオールドの師団です。」カラスの面をとると、そこには黒の長髪の眼鏡の男が穏やかに微笑んでいた。



【29-1】

「申し遅れました、私ユングと申します。此度の議会でジルより、ミシェル様の黒死病の治療方法を伺いました。その効果、被験者のリュカの回復にみな驚いております。


【29-2】

全会一致でその治療方法が可決されましたゆえ、我々ミシェル様のご指示のもと黒死病の根絶のためにお力添えさせていただきたく存じます。」



議会からの書状をはらりとみせる。この男は信用できると感じた。なにより嘘をつくメリットもない。


【29-3】「なんなりとお申し付けください。」




一見怪しい師団はミシェルの指示通り衛生的な環境に整え、ネズミを駆除し、遺体は火葬し、ニューキノロン系の抗生物質を生成、処方する。こうしてペストの流行が劇的におさまっていった。


────────────────────

屋敷の部屋で本を読んでいるとドアのノックの音が聞こえる。


【29-4】「どうぞ。」


誰だろうと思いながら声をかけると、リュカが部屋に入ってきた。


【30-1】


「ミシェル様!」



【30-2】「リュカ!」


【30-3】「ミシェル様のおかげで無事完治いたしました。」ミシェルの手を握る


「ありがとう。」リュカが微笑む。 


ミシェルも微笑み返す。


【31-1】


コンコンとノックの音が聞こえ慌てて手を離す2人。



ユングが入ってくる。

【31-2】「失礼いたします。何やら随分楽しそうですね。」


【31-3】「お邪魔でしたでしょうか?」にやりとリュカの方を見る。




【31-4】

「なぜユングがここに?」


【31-5】「なぜ?その回答は至極単純にございます。」




ユングは実は人間の姿になったジルであった。


【32-1】

「私が師団医師ユング改め、ミシェル様の執事ジルであるからです。」



【32-2】「え、じゃああの時…。」裸を見られた時にいたのを思い出す


【32-3】


「いやはや…。それにしても本当に素晴らしい活躍でございました。



【32-4】ノートルダム家の息女としてその名に恥じぬご活躍にデュダンのアンリII世さまから感謝状をいただいております。」



【32-5】



アンリII世?ノートルダム?


ミシェル・ノートルダムってまさか…


【32-6】


「そうそう、大切なことを言い忘れていました。世間ではミシェル様はこう呼ばれております。」





【33-1】

「ノストラダムス様と。」



【33-3】えええええーーーー


────────────────────



31ページ2度目のジルのでかいコマが不要と感じているのと


まとめていてミシェルのリアクションが乏しい気がしました。ご意見またよろしくお願いします。

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