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NO舞台  作者: 金子文誉
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本間青年は練習メニューを思案する

 部活動なら練習メニューは顧問の先生が作ってくれる、基本はそうだろう。特に本間青年の高校の陸上部の顧問はかつて県高校総体で一位になった経歴を持つ。専門家なのだ。けれども、本間青年は一人だ。メニューを決めるのも彼自身だ。勧誘をことごとく断っておきながら、どういうメニューが良いかわからないから、

「すいません、ちょっと聞きたいことがありまして」

 などというのは図々しいと重々了解しているから、できるわけがない。

だから、雑誌や本やインターネットで情報収集をする。自分に合っている内容、自分が走って爽快さを感じられる内容、そういうトレーニングを取捨選択しなければならない。

 道具類もまたしかりである。十円二十円で買えるわけがない。お小遣いは限られている。アルバイトは校則で禁止されているからできない。仮にできたとしても、バイトの分だけ練習ができなくなったら本末転倒である。だから、百円ショップで代替品となりそうなものを見つけたり、それこそインターネットで安価なものを探したりする。マッサージローラーが欲しいのだけれど手が出ない。幸い、陸上競技場で新しく仕入れるらしい。管理事務所の人から教えられたので今度使おうと思っている。

 インターネットと言えば、とこの時代で本当に良かったと思うことがある。かつてはスマホもインターネットもなかったと言う。トレーニングメニューを検索し、道具類を買う恩恵にあずかっている自分にはそのありがたみが十分にわかる。なかったら、きっとできることが非常に限られていた。動画もしかりである。スポーツ関連のメーカーや企業にはトレーニングの様子の動画があがっていたり、有名選手が動画をアップしていたり、あるいはオリンピックや国内外の大会のレースが動画で見られる。そういう物の視聴が参考になる。それがなかったらと思うと、一人ということ文字通りが非常に肩身が狭いように感じられる。

 昼食後の休み時間に、昨晩印刷したネット記事を読みながら、本間青年は次の休みの日が晴れることを願うのだった。


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