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NO舞台  作者: 金子文誉
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走る、一人

 残暑がまだ蒸し暑く施設の日陰でさえも一時しのぎ程度でしかない。けれども、本間泰浩は練習予定を終え、額やら脇やら伝わる汗やおさまらぬ息遣いのままスパイクを脱ぎ始めた。シューズに履き替えスポーツドリンクを飲む。タオルで汗をぬぐう。陸上競技場には彼以外使用している一般客どころか、部活動の練習もない。高校生の彼は陸上競技部に入ってはいない。ただ走り、風を切る速度が好きな本間泰浩はこうして部活動がないような時間を見計らって、一人トレーニングをしているのだった。スパイクをシューズ袋に入れると、もう息は落ち着いていた。日陰から太陽がじりじりと照らす地面へと進む。フィールド内。芝生の上を軽くジョグし始めた。今日は向かい風が少しあった、それが蒸していてちょっといい気持では走れなかった、などなど練習中の体感を反芻しながら周回する。日陰へ歩く。そこでクールダウンの体操をする。汗がまた流れている。タオルを使う。ティシャツを着替えた。誰もいない、わざわざ更衣室に入らずとも外で上着を着替えるくらい羞恥もへったくれもない。というよりも更衣室の方が蒸しているから、また汗が激しく流れてしまいかねない。脱いだ汗まみれのティシャツをバッグに放る。シューズも入れた。スポーツドリンクを飲み干して、首にタオルをして忘れ物がないかを確かめて、帰ることにした。

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