86.親の七光り攻撃炸裂?!
更新が遅くなり申し訳ございません。
「他の神殿の様子は把握しているか?」
アバルードさんによると、近隣国の首都等の主要都市にある神殿でも同じことが起こっているようで、大神殿と『聖都』の神殿に連絡がつかないからとジョウガ王国の神殿に問い合わせの伝書鳩が殺到しているのだとか。
「申し訳ないけど、他の人達も同じ状態だとすると私には今、これ以上のことは出来ない」
と首を振るとリコロさんが首肯する。
「えぇ、それは理解しております。私共が大変失礼なことをしたにもかかわらず、ここに来ていただいただけでもありがたいことです」
「それで、その失礼なことをした奴は今どうしている?」
ルセーニョは今、懲罰房に入れられて反省を促されているのだとか。でも、彼は何に対して反省するのやら。あ、そうだ。
「もし扱いに困るのであれば、引き取るよ。勿論、本人の了承を得てからだけど」
リコロさんとアバルードさんが目を見開く。
「引き取ってどうするんだ?何にも使えそうに無いが」
ガンダロフは嫌そうに顔を顰めた。
「ではガンダロフが嫌がるから、無しで」
「いやいやいやちゃんとした説明を聞きたいのだが?!」
説明、上手に出来るかな?
「まず、ルセーニョの中に『貴族』っていう意識が強く残っているのが問題なんだから、イルシャ教関連で籍を置きたいのであれば下働きからやってもらう」
「無理だろうそれは」
ガンダロフ、即答。
「やってみなくちゃ、わからない。嫌だって言うんだったら放り出すまでだ。んで、もし下働きからでも大神殿にいたいというのであれば、大神殿から出さないようにする。というか、本音としては大神殿に縛り付けておきたい」
「「「は?何故?」」」
合唱ると男声が厚く聞こえて良いね!
「ルセーニョが執着しているのは、レアン本人だと思う。で、レアンが私達と同行するのについて回られるのは迷惑。大神殿から動けない!ってわかっていれば、レアンも安心して過ごせるでしょ?」
「そう出来るのであれば、とても有難いことです」
アバルードさん曰く、ルセーニョはこの国の大貴族の息子ということで、それはとても扱いが難しいのだとか。そこでガンダロフが確認する。
「ルセーニョが不満を持てば親が出てくるとか?」
親の七光り攻撃炸裂?!
「いえ、今まで一度もそのようなことは起こってはおりません。ですが、やはり家名をちらつかせられると萎縮してしまうのです」
「親御さんがどう考えているかは誰も訊いたことは無い?」
「そのような伝手は誰も持っておりません」
リコロさんとアバルードさんは揃って首を横に振る。
「んじゃ、今から訊きに行こう!」
私が立ち上がると
「いやいやちょっと待て、せめて先触れを出して失礼の無いように」
「懲罰房にいるんでしょ?ルセーニョ」
「「「は?」」」
厚く合唱る男声が耳に心地良いね!
リコロさんとアバルードさんに案内されて、やってきました懲罰房。廊下から扉を開けると2メートル先が鉄格子で区切られていて、その先に簡素な机と椅子、ベッドがあるだけの狭い個室だけど、湿気も異臭も不潔な感じも無い。トイレが別に設けてあるからだね。純粋に反省を促す為の部屋なんだなぁ。
「ご機嫌いかが?」
ベッドにドカッと胡坐をかいて座っているルセーニョにご挨拶。
「良い訳がなかろう、何故私がこんな所に入れられなければならないのだ?」
思い切り不服そうな表情だ。
「初対面の者にあまりにも失礼な態度を取ったからでは?」
ガンダロフが指摘すると
「貴様等が聖女だとか、ありえない」
「いや何当たり前なことを言ってんのかな男だから聖女な訳ないじゃないちなみに魔女でも女神でもないからね」
思わず一息で言っちゃったよ。
「自分の行いの何が悪かったのか、やはり理解していないようだが」
ガンダロフが呆れた風に首を小さく振ると、アバルードさんは
「本当に、どうしたら良いものか」
と項垂れた。しかし何故ルセーニョは周囲の人や物事が自分の思い通りに動くと思っているのだろう?
私はルセーニョに淡々と告げる。
「ルセーニョに宣告。貴方がこの部屋から出た後の選択肢は二つ」
ルセーニョは相変わらずムッとした不機嫌顔。私は人差し指をピッと立てて
「一つは、神殿の所属から外れて籍を抜いて、イルシャ教の全てのものと無関係になる」
中指を加えてVの形にして
「もう一つは、大神殿に所属を移して下働きから初めてもらう」
「どちらも断る!」
まぁ予想通り。横にいるガンダロフは、どうする?と目で訊いてくる。後ろの二人はやっぱり~って雰囲気が伝わってくる。
「じゃ、第三の選択肢」
薬指を加えてWの形にする。
「籍抜いて蓑虫状態で『聖都』に連れてって放逐」
「おいっ!扱いが酷くなっているじゃないか!」
ルセーニョは立ち上がって抗議する。けどねぇ。
「貴方を丁寧に扱う義理は私には無い。では、特別措置。先に述べた三つの選択肢を全て拒否した場合は、直ちに貴方の親族の元に連行して、神殿からは除籍済みイルシャ教の全てのものと無関係だと説明して終了。苦情は受け付けない」
「はぁ?!そ、そんなこと許される訳が無いだろう!」
「貴方の許可は元々不要。他の誰が許さないって言うの?貴方の親族?」
「そそ、それは」
ルセーニョの目が泳ぐ。
「よし、今から確認しに行こう!親御さんの所で良いよね?さすがにご実家の場所は覚えているでしょ?あ、リコロさんに案内してもらえば良いか」
「は?私がですか?!」
とんだとばっちりだぜ、リコロさん!
「じゃ、行こう!」
読了、ありがとうございます。
<(_ _)>
続きが気になる、面白い、と思われた方は是非スクロールバーを下げていった先にある広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★に、ブックマーク、いいね、感想等をお願いします。




