72.ここで本題
いつの間に?!PVが10,000越えてました。嬉しい!ありがとうございます!(≧∇≦)
「ではルゥさんがあの赤黒い球に閉じ込められていた時は、その、活力?の供給が絶たれていたから眷属達は別のモノで代用していた、と」
ガンダロフ、私の言いたいことをしっかり考えて纏めてくれるの、有難い。
「うん。完全に絶たれた訳では無いけどね、それに魔神捕獲器に捕らわれる前にはもう、ルゥさん自体に殆ど力は残ってなかったんじゃないかな」
『うん。ルゥさんの記憶からすると、既に自身の身体を維持するので精一杯だった』
「…剣ちゃん、ルゥさんの記憶も覚えたの?」
『えへっ』
文字とか一般常識だけかと思ってた。
「ロトの中にはルゥさんの記憶は、無い?」
「無いよ。もしかしたら頭の中を流れたかも知れないけど、興味無いと覚えないよね」
所詮は他人事。ガンダロフの不安そうに寄ってた眉が私の答えを聞いて元に戻る。
「で、ラクーシルと他の眷属なんだけど。ルゥさんじゃなくて他の人から活力を貰っていたのは確実」
でなきゃ、保たない。
「アーリエルさんからか?」
「ううん、アーリエルさんが弱って、万が一儚くなってしまったら、ルゥさんが消えて、眷属も消える。たぶん」
と思うのだけど、と剣ちゃんを見る。ガンダロフも剣ちゃんを見る。
『えぇっとね、ルゥさんは直ぐ消えちゃう。眷属は、直ぐではないけどいずれ消える』
「お前達は?」
ガンダロフの声が少し震える。
「俺が、その、死んだら。ロトは?」
んーー、当然それ、訊くよね。
「私は消えるよ。ガンダロフのいない世界に興味無い。ガンダロフは?」
さらっと返すと彼は、え、と一瞬詰まって
「俺、も.....確かに君のいない世界には興味が湧かないな、うむ」
と納得したように頷いた。
「済まない、話の腰を折ってしまったな。それで、活力のことだったか?」
ガンダロフが話を戻す。
「何がどうしてそうなったのかは、私にはわからない」
剣ちゃんには解るかもしれないけど。
「だからここからは私の偏見による推測。ルゥさんの眷属達は、犠牲になった人達の肉体ではなく感情を食べていたんだよ。どうやってかはわからないけど。で残り滓の積もり積もったモノが、マオちゃんの根元にあった大きい黒い球」
解らないことだらけで説得力皆無。
「感情、快感?幸福感?好きなことしたり美味しいもの食べたり、大好きな人に構ってもらったり気持ち良いことしたり。で、そういう感情を食べられて感情が無くなって人間味が無くなって、何も感じなくなって、息をする気力も無くなって。オタク部屋に残された記録の中の人達は、そうやって活力を搾り取られて亡くなったのだと思う。で、ここで本題」
ジャジャンッ!
「そんな犠牲者たちの記録、どう扱うのが良いのかなぁ。胸糞悪いから、焼却したいような気もするけど」
なんだろう、ガンダロフがちょっと呆れてる?
『売りさばくんじゃないの?孤児院とか学校とかの運営資金の足しにするって』
剣ちゃん、私が以前言ったことをちゃんと覚えている、偉い!でもね、
「実在する人物でなければ、天使の絵とか高値で売れそうだよね、かわいいし」
単なる絵画であればそこまで配慮しないのだけどねぇ。
「かわいい?ロトはああいうのが好みか?あ、いやそうではなくて。抑も持ち出しても良いのか?」
ガンダロフが話が脱線しかけたのを自力で修正する。
「うん。人間にバレたら不味そうな技術的なものは分身体さんに持って行かれた後だから、術を解除したら持ち出せる。残っている資料って、個人的なものばかりだもの」
だからアイドルのムック本みたいなのばかりなんだ。
「もし希望があれば遺族に持ってて欲しいかも。北の教会で見つけた指輪みたいに。難しいかなぁ」
50年以上前の人なんて、遺族もあらかた鬼籍に入ってそう。ガンダロフは顎に手を当てて
「一般の人が持っていても悪い影響はない、と。ふむ、これは聖騎士達とベルシーム、後レアンとマーリオを加えて協議だな」
話がひと段落したところで、すっかり冷めてしまったお茶を飲み干す。私がお昼寝する前提だったからか、紅茶ではなくノンカフェインのハーブティー。香りも味も色も薄い。
「ロト、他にも何か心配事があるか?」
ガンダロフが頬を撫でる。
「うん。あの、ね。お昼寝、したくない」
と気持ちかわいく言ってみる。予想通りガンダロフは困ったちゃんを見る目つきだ。君、本当は眠いんだろう?って。バレてる。
「離れたくない」
ガンダロフの肩に顎を載っけると、はぁ、と彼は小さく息を吐いて私の背中を撫で撫でする。暖かくて気持ちいぃ。甘酸っぱい香りが漂ってくる。
……離さないで……
そう言えたのかどうか。私はすぐに意識を手放したのか、意識が闇の中に落ちていく。
※※※※※
中学校からの帰り道。小学校校庭横の道路は長い直線で見通しが良いので、付近に誰もいないのがまるわかりで。夕暮れ時で、でもどこのお家もまだ明かりを灯す程ではなくてひっそりとしている。
「ねぇねぇそこのお嬢さん、背中に虫がついてるよ。取ってあげようか」
背後から男の人に声を掛けられて、こんな時はどうしたら良い?
「背中に虫…家に帰ってから取ります」
疲れてて走れないけどせめて早歩きで、振り返らずその場からの離脱を図る。
「いや、遠慮しないでもちゃんと取ってあげるよ。ちょっと止まってくれるかな?」
無視。
「ねぇ、ちょこっとでいいから…」
しつこく声を掛けてくる。私は振り返らずに無言で駆け出した。きつい!息切れる!校庭の端、車の通りが多い道路までもうすぐ、という所で速度を落とす。私の足音しかしない。振り返ると誰もいなかった。
怖かった。息切れてたけど、急いで帰宅した。
若い男の人の声、あれか、注意喚起されてた変態さんか。服の上からブラジャーのホックを外してくるという、迷惑なやつ。何が楽しいのだか私には理解不能だけど、彼にとってはとても重要な行為なのかもしれない。だからといって私に付き合う義理は無い。世間的に駄目だと認識されている行為を未成年に行おうとする犯罪者なんか、消えてしまえ。
読了、ありがとうございます。<(_ _)>
更新、不定期です。書いたら、上げてます。原稿用紙8枚縛りを無くしたら、気楽に書けるようになったかも。
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