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転生魔神は陽気に歌う  作者: まちどり
39/227

39.虫の居所が悪い

 いつも読んで頂きましてありがとうございます。

 <(_ _)>

 別視点小説を間違えて投稿してしまいましたので、差し替えております。(11/12)


「そっか~。その聖都の『聖樹』が移動してきたのかと思った。根っこは続くよ何処までもって感じで」

と、私は普通の木と同じ様になった『大きな木』を見上げて言った。


「アスタロト様」

 アーリエルさんに呼びかけられて振り向く。

「アスタロト様のお力で、聖都の『聖樹』を元気にしていただけないでしょうか」


 単刀直入な『お願い』だなぁ。ガンダロフとルゥさんがびっくりしてアーリエルさんを見つめる中彼女は胸の前で手を組み、翠の瞳が潤んで、でも祈るような真剣な面持ちで懇願する。


「本当はわたくしがこのようなことをお願い出来る立場には無い事は充分承知しております。ですが」

「承知しているのであれば、願い事など口にはしないよね」

と意地悪く言ってみる。


 ガンダロフとルゥさんがびっくりした顔のままこちらを向いて、アーリエルさんは口をはくはくと開けたり閉めたりするも言葉が出てこない。雨は相変わらずシトシトと降っていて、う~ん、静か。


「アーリエルさんの痛みを取り除いたのは、私にその必要があったから。大体、ルゥさんにかなりの力を渡しているんだし。そういうのは先にルゥさんに言うべきことじゃないの?」

とルゥさんに視線を向ける。


 アーリエルさんとルゥさんは顔を見合わせて、でも、アーリエルさんは直ぐに俯いてしまった。その様子をガンダロフが心配そうに見ていて、う~ん、さっきからもやもやするなぁ。


 するとルゥさんが

「聖都の聖樹のことは、私が対処いたします。アーリエルにはお咎め無きよう、何卒よろしくお願い申し上げます」

と頭を下げる。


 私は、はぁ~~、と息を吐きつつ

「別に咎めるつもりは無いよ。依頼先が違うって指摘したかっただけだし」

 あと、たぶん虫の居所が悪いだけだし。

「ルゥさんが手に負えなさそうだったら、早めに知らせてくれればこちらで対処する。でも」


 ルゥさんとアーリエルさんを交互に見て

「まず、自分達でやってみて」

 初めっから丸投げとか、他人にやられるとむかつく。自分のことは棚に丁寧に上げておくとして、だ。もしかしたら何かしらやってて、全く効果が無かったのかもしれないけど、私は知らない。


「ロト」

 ガンダロフが気遣わしげに肩を抱く。あ、無意識に腕を組んで拒否のポーズ取ってたんだな、私。肌寒いのもたぶん私が原因かも。組んでいた腕を解いてガンダロフを見ると下がっていた眉が少し戻って、ほっとした感じが伝わってきた。うわぁ~、これ、もの凄く心配されてた?


 ガンダロフは私の雰囲気が穏やかになると、ルゥさんとアーリエルさんに

「俺達はこの大きな木に世界のことをいろいろ訊きたいと、まず挨拶を交わしたところなのだが、あなた方の気配を感じた途端に静まり返ってしまい殆ど言葉を交わすことが出来なかった。あなた方が意図したことではなかったのかもしれないが、ロトが不機嫌になるのも当然だろう」


 そっか~、私、不機嫌だったのか~。ルゥさんは

「軽率な行動を取ってしまい、本当に申し訳ございませんでした!」

とそのうち土下座でもしそうな勢い。


「うん、次からは気を付けて」

 面倒だから謝罪を受け入れておく。…このまま返してまたこの木についてしつこく絡まれるのも嫌だな。


「昨日、空飛んだ時にね、凄く景色が良かったの。でもね、なんというか大気がしん…湿っぽくて、うっ…憂いに満ちた感じで、晴れてて気持ち良いはずなのに何故だろうって。それで今いろいろと原因を探っている最中。大聖女って呼ばれてたアーリエルさんの痛みを取り除いたら、少しは改善するかと思ったのだけどそれほどでもないし」


 『大気』と聞いてガンダロフは、あぁ、と合点がいった様子。対してルゥさんとアーリエルさんはよくわかんないって顔をしてる。まぁ、ガンダロフが納得したんだったら、いいか。


 と、ルゥさんは、はっ、と何かに気付いたのか

「では、アスタロト様は人間社会のような狭い括りでは無く、世界全体を見ておられるということなのですね」


 人と関わりたくないっていうのを良いように解釈するとそうなるのかな?

「うん、まぁ、そんなところ」


「湿っぽいのは雨の所為だけではない、と」

 ガンダロフが呟く。ごめん、今、湿っぽいのはほぼ雨の所為だよ。


「この大きな木に尋ねたら少しはわかるかな?って思ったのだけど」

 『結婚おめでとう』とか言い出す位には何か掴んでいそうだし。


「だが、空を飛んだ時はこの木はそこまで目立たなかったが」

 ガンダロフの疑問ももっともだね。


「単に話がしてみたいっていうのもあるけど」

というか実はそれだけだったのだけど。


「この大きな木は引っ込み思案なんだよ、たぶん。なんとかお話し出来ないかもう少し頑張ってみるから、ルゥさん達は戻っててもらえないかな」

 お願いのていの命令だな。


 ルゥさんは

「畏まりました。お邪魔をして申し訳ございませんでした」

とお辞儀をして、まだ何か言いたげな様子のアーリエルさんをさっと抱きかかえて住居に飛んでいった。




「あっさりと引き下がったな」

とルゥさん達が飛び去った方を仰ぎ見てガンダロフが言う。


「監視は強めたっぽいけど、まぁ、無駄」

 だから他のことに気を回して欲しい。


「監視?今までも見られていたのか?」

「うん、ちゃんと音声無しモザイク状にしてた。でしょ?」

『うん。全く遮断すると却ってしつこく詮索されるかもって』

「そうか。油断ならぬ者だな」

 ガンダロフと私、同時に、はぁ~~、と盛大に溜息をついた。


 そう、『魔神』のルゥさんは、何考えているのか解らない腹黒系優男と私は認識している。力を分け与えた時に、裏切られたら嫌だなぁと彼が『力』をどのように使うのかを分析出来るように仕込んでおいたら、剣ちゃんが『グッジョブ!』と実際に運用してしまったのだ。やり過ぎかな、と思ったのだけど実際に役に立ったので、過去の私、グッジョブ!


「で、さっきの騒ぎは隠しきれなかったのだけど、お話しは出来そうかな?」

と大きな木に語り掛ける。するとそれに応えるように木の全体がふるるっと細かく震えて淡い光の玉が一つ、ホワンと降りてきた。


 両手を皿のようにして受け取ると、ポヨンとはずんでパラッとはじけて、中から先程たくさん並んでいた小人が一人、現れた。


 手の平大で2.5等身、薄黄土色の小人さん。『木霊』の類なんだろうけど、見た目、獅子神様の森にいたコロロロンと響く方では無く、♪引っこ抜か~れて……の方に似てる。つぶらな黒い瞳に赤みがかった団子っ鼻、頭の上のひょんと伸びた先には白い蕾が揺れて……いや、全体的に小刻みに震えている。怖がられているのかな?ちまっとしたお目々が涙目だし。


「こんにちは。邪魔者は退散したからゆっくりお話ししたいのだけど、君に話し掛けるってことでよろしい?」

と手乗り小人さんに話し掛けてから、大きい木を仰ぎ見る。


 大きい木がさわさわと枝を揺すると、雨粒がパララランと落ちてくると同時に小人さんが

『へいっ。さいでがす。よろしくおねげぇ致します』

とちょっと高めのだみ声で返事をした。


「え~っと、さっきの話の続きをしたいのだけど、君はこの木から離れてもこの木と意思疎通が可能かな?であれば、お部屋に戻って寛ぎながらお話ししたい」


 私が提案すると

『へい!その為のわっちでございますんで』

 中の人、親父か?

『力の化身様のお側に居させていただければ、眠っている時以外はいつでもお話しさせてもらいやす』


 読了、ありがとうございます。誤投稿、大変失礼致しました。

 <(_ _)>

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