表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
気まぐれ少女どこへ行く?  作者: 月見 瑠那
大反乱
74/98

よっよかった、、、

始業式前あるある


宿題進まないのに他の事はめっちゃ進むよね♡


シュクダイ?誰ですか?知らない子ですね?※何とか提出期限には間に合いそうです。

「ただまぁ~」

「おかえり~」


ルナの挨拶に被せるようにベルも挨拶をする。


「ベルも一緒に帰ってきたんだからただいまでしょ?」


「どっちでもいいじゃん!!」


「ちっちゃい子がいるんだから年長者としてしゃんとする!」


「は~い」


ルナもただいまの「い」を省略したじゃんなんて反論しない。何故なら大人だからだ!と子供っぽい最年長者であった。


「お帰りなさい。姿が見えないので心配しました。」


その声を聞き付けパタパタと院長が駆け寄ってくる。それに続きわらわらと現れる子供と子守りの女性達。人数が少ないところを見るとお昼寝でもしているのかな?外見年齢的に考えれば私もお昼寝しても問題ないよね?明日は混ぜてもらおっと。


「ベルさん!?大丈夫ですか!?」


明日に想いを馳せている私を悲鳴のような院長の声が現実に連れ戻した。あまりの狼狽えように思わず小さく跳び跳ねてしまった。


「大丈夫。ルナに甘えているだけ。」


そう言ってぐりぐりと頭を背中に擦り付けてくるベル。腕もぎゅっと少し力が入る。


、、、何この子?めっちゃかわいいんだけど?どうせなら前から抱きついてほしかった。だって首がじまっでぐるじいがら!!ストップストップタンマタンマ!!


まさかベルを投げ捨てるわけにはいかない(可愛そうだからと更に首が絞まってしまうから)ので後ろに回している腕を離せず、なんの抵抗もできないまま締め上げられる私。苦しくて声もあげられず、落とすのが怖くて身も捩れないからベルはいつまでたっても首を締め上げていることに気がつかない。私もプチパニックになっているため、人間だったときの感覚に引っ張られ、苦しいような気分になっているだけだと言うことに気が付かない。


結果、ルナがただただ無抵抗に締め上げられるという状況が完成した。※後付け設定:ルナは〈魔光合成〉というスキルで酸素を生み出せるのだ!!何故かって?じゃないとアホみたいに深い迷宮の下層で生きられないからだ!!ついでに〈大花火〉の後の無酸素状態で生存することなど不可能だからだ!!


抵抗も出来ずに締め上げられているルナは助けを求め、救世主へと視線を投げる。すると、


「ベッベルさん!!そのままではルナさんが死んでしまいます!!腕を緩めてください!!」


助けを求められた院長先生はその意図を汲み取りすぐさま実行に移す。いつの間にか背後に回り込んでいた。しかもベルに抱き付くようにして腕を掴み、こじ開けようとするおまけ付きである。瞬く間に起きた極々自然な動き、神の目さえも欺くような鮮やかな動きに、長き時を生きた悪魔は


(スンスン、、、ルナの匂い落ち着く、、、)


「え?ちょっと?ピクリともしないのですが!?え?〈身体強化〉と〈魔力筋肉〉を全力展開しても動く気配がないんだけど!?アンタどんだけ強いの!?」


一切動じていなかった。ルナの匂いに夢中で一切気がついていない。ここで人体の豆知識について説明しよう。


首の横辺りに頸動脈と言う脳に血液を送り届ける重要な血管があることはご存じだろう。切れたらヤバイアレである。その頸動脈を押さえると、酸素を大量に必要とする脳はあっという間に酸欠に陥る。更に、ルナは今助かるために必死に頭を働かせているので、消費する酸素の量は大量である。つまり、


(キュ~、、、パタッ


「「ルナ」さん!!」


簡単に気絶するのである。ん?さっきのダサい名前のスキルはどうしたのかって?あれは魔力を使い、肺で無理矢理光合成をすると言うスキルだ。つまり生み出すだけ生み出しといて後は知りませんと言うスキルだ。コスパはいいのだがサービスが行き届いているとは言いがたいスキルである。まぁ人間にとって呼吸みたいなものに高い性能など求めるだけ無駄である。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


、、、動いている天井だ。


目を開けてみると天井が動いていた。背中にはいくつもの手を感じる。恐らくあれだ。祭りでよく見かけるお神輿のごとくみんなに担ぎ上げられてるんだろう。うん。


「みんなありがとう!起きたからもう下ろしてもらって大丈夫だよ?」


返事が返ってくることを祈りながら声をかけてみる。


、、、返事はなし、、、


うん。あれだね。うん。みんな心配してくれてるから無言で運んでいるんだろうね。うん。床から30センチ前後しか離れてないような気がするけど気のせいだ。うん。なんか回りが暗い気もするけど気のせいだ。うん。冷たい風がすいている気がするのも気のせい。おてててが冷たいギガちゅルのも気のせい。うん。きのてい。うん。うん。うん。


、、、


、、、


、、、チラ?


、、、


、、、


ここの孤児院に色白の子はいない。面な外で遊びまくるから真っ黒に焼けてる。多少白目の子もいるけど、それでも健康的な小麦色。真っ白な子はいない。ナノニナゼイマシカイニウツッタテハ


マッシロダッタ??


背筋を冷たいなにかが駆け抜ける。私はいったい何をした?俺はいったいどんな悪事を働いた?現実から逃げ出すように思考に没頭する。しかし、そんな自問自答に意味などなく、無駄に時間が過ぎていく。


その時、チラリと何かが視界の隅に写った。思わず追ってしまった私の目。しかししそれは想像していたものとは違った。それは空飛ぶ一枚の紙。そこには子供のような可愛らしい字で、


『 くびしめちゃってごめんなさい


  てっちゃんかすのでやすんでね


  ちょっぴりたいようさえぎって


  ちょっぴりすずしくしましたよ


  ゆっくりくつろいでくださいね


             ベルより』


、、、


、、、


「、、、寛げるかあああぁぁぁぁぁ!!」


声を荒らげながらも、瞳には安堵の涙が光っているルナでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ