ベルフェゴールの探究 前編
フゥーこんなもんかな?
1曲奏できった俺は静かにタクトを下ろす。え?タクトなんて持ってない?気分だよ気分、マジになんなっての。
俺が暫し目を閉じて余韻に浸っていると、背後からパチパチと小さな拍手が聴こえてきた。それを聞いた俺はクルッと回り優雅に一礼する。拍手と礼の順番が逆なのはご愛嬌ということで。だってもらえると思ってなかったのだから仕方ない。
「ごしゅじんさますごぉ~い!」
っと目をキラキラさせて子供のようにはしゃぐベルゼバブ。言っちゃ悪いけどよくあるシンバル持ったお猿の玩具みたい。可愛いから撫でたくなるな。
「マスターの今の魔法は凄かった。流石ベルが認めただけある。」
ベルフェゴールからも称賛の声が上がる。その声色はさっきまでの無機質さが鳴りを潜め、見た目相応の少女のように弾んだ明るい声だった。俺はその事に驚き、ベルフェゴールの顔を見ると満面の笑みを浮かべ、両手を胸の前で握りしめながら前屈みになっているた。
、、、こいつ本当に同一人物か?なんか、、、あの、、、その、、、ものすごく言いにくいんだけど、、、年頃(見た目のみ)の女の子に言う台詞じゃないんだけど、年老いたおばあちゃんみたいな感じだったベルフェゴールが、急に若返って目をキラキラさせ始めたので俺は少しばかり困惑する。
「マスターの魔法興味深い。私にも教えてほしい。」
「えっえっと、、、」
キャラ変わりすぎじゃね?なんか早口の限界ヲタク化してるんだが!?お前そんなキャラじゃなかったよな!!
「魔力の放出が一定ではなかった。波があって増えたり減ったりしてたから制御が未熟なのかと思ったけど暴走の兆候すらなく完璧に操ってた。あの揺らぎたわざと?なんのために?それにその年でなんであんなに魔力の制御能力が高いの?師範はいるの?それとも独学?それからそれからなんであんな高度な魔法を連発して・・・」
え?え?え?あれこの子偽者?それとも双子?多重人格者?あまりの豹変ぶりに困惑を通り越して疑いの目を向ける俺、遂には俺への追求をやめ、虚空に向かって語りだしたのを見て辺りを警戒し、精神魔法の術者を探し始める……が、いざ、索敵スキルを使おうと力んだところで待ったが掛かった。
「ごしゅじんさまもんだいない。」
「えっでもあきらかにせいかくちがうじゃん?」
ベルゼバブは数瞬空中で目を泳がせたあと意を決したようにひとつ頷き、俺と目を合わせた。
「『たいだ』のたいぎごは?」
「『きんべん』あっそっかベルフェゴールのたんきゅうか!」
俺からその言葉が出てくると思っていなかったのか、ベルゼバブは大きく目を見開き、信じられない、それこそUMAを見るような目でこっちを見た。
「しってる?」
「まぁゆうめいなことばだからね?」
ベルフェゴールの探究。それは実現する可能性が低い研究や意味のない研究を揶揄する言葉。語源は旧約聖書の中のある出来事である。※ここからは実際の聖書の話を面白おかしく脚色しています。あらかじめご了承くださいm(_ _)m
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「だぁ~かぁ~らぁ~!!男がそとへ出かけて働く!女は家事や子育てに専念する!これが幸せな結婚だっっっつーの!!」
女は内男は外!
「何を言ってるの?そんなの家に軟禁されている女が可愛そうじゃない!それに家事好きな男もいるかもしれないじゃない!その個体はどうするの?無理矢理働かせるの?」
かわいそー!
「男は働くのが常識だろ!なんでそんな軟弱な個体の心配しなきゃなんねーんだよ!」
弱者はようなし!
「その考え方はもう古いんだってさっきっから言ってんじゃん!」
おじーちゃんめ!
「うるせい!女は男に守られて安全な家の中で子を育てるこれが幸せっつーやつだ!」
いーぞいーぞ!
「子供の相手も大変なのよ!変わりばんこで世話をしてたまには息抜きさせるべきだわ!」
そーだそーだ!
「は?女は子供が好きで子育てやってんだろ?なんで息抜きなんて必要なんだよ!!」
意味わかんねー
「あんたね?貴方寝るの好きだけど永久に寝てられる?無理よね?途中で飽きて暴れだしたわよね?ついこの間?好きなことだからと言って永久にやってられるわけじゃないのよ!」
ばーかばーか!
「たかだか20年だろ?んな一瞬で飽きられてたまるか!」
堪え性のない奴らだな?
「はぁー……貴方バカね?人間の一生は約50年。つまり一生の内四割を捧げることになる!貴方に出きるの!!」
「ぐう……」
おぉ!?
「まっ負けました、、、」
わあああぁあぁぁぁあああぁぁぁあ!!
ちくしょーーー!!
やったぁーーー!!
「これで勝ったと思うなよ!次はもっと強くなって負かしてやるからな!」
「楽しみにしているわ!」
大勢の観客に囲まれた決闘場の中心で、2体の悪魔は固く握手を交わすとはち切れんばかりの拍手や完成が会場に響き渡る。皆晴れ晴れした顔をし和やかな空気で解散、、、とはならなかった。
「、、、貴方達は何をやっているの?」
空から厄災が舞い降りた。




