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気まぐれ少女どこへ行く?  作者: 月見 瑠那
産声
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突撃!お部屋訪問!その4

っとそんなわけで、壁破って、突っ込んで、いまに至ると言うわけです。うんうん。こいつバカだな、、、頭に血が上っていたのはわかるけど、だからってカチコミ行くとか、、、まぁここまできたなら仕方ない。さて!やりますか!


『さあ、、、狩りの時間だ。』


まずは、孤児院に置いてあったなぞの白い液体(?)と同じ匂いの人探そう!


そう思い、突撃の時は壁の破片などが入らないように閉じていた鼻を開ける、、、直前で閉じる。


、、、何このひどい匂い?豚箱の方がまだマシだ。もしかしたら下水道の方がいい匂いかもしれない。これ獣の嗅覚でまともに嗅いだら絶対マーライオンにな、、、る、、、あぁ!!そういうことか!これ嗅覚の鋭い獣系の魔物対策のトラップか!!きっと壁を破壊したから発動したんだな!


いえ、ここの主が汚いだけです。そんなことを教えてくれる人はおらず、勘違いで警戒レベルを上げるルナ。その背後から


(バシャッ)


小さな水球が飛んできた。


「ッ!?」


その水球は虎の背中に命中し、その背中を濡らした。虎はゆっくりと振り返り、術者である新種の生物を視界に納める。気高き虎王、その背中を濡らした代償は


〈虎王の咆哮〉


一発の咆哮であった。


―――――――――――――――――――――――


(パラパラパラ、、、)


イタタ、、、いったい何がってあぁ~、、、たしか豚が大きな虎を怒らせたんだっけ?


新種の生物の自室、商館の最上階から落下した衝撃で気絶していた女性は、上体を起こすと共に辺りを見回す。


「ッ、、、」


足に鋭い痛みを感じ視線を落とすとがれきに挟まれている足が。完全に潰されているわけではないが、出血が多くこのままでは死ぬのは確実。助かったとしてももう二度と自力出歩くことはできないだろう。


最も血を流しすぎて意識がふわふわしている現状で助かる見込みはかなり少ないが、、、


一回叫んだだけで石造りの建物ぶっ壊すとか呆れたもんだ。


そう苦笑いをこぼしつつ、どこか清々しい思いもあった。


この商館がなくなったことでことで孤児院のみんなが助かると思うと、むしろ嬉しさすら込み上げてくる。自分が人質になっていたという負い目が彼女にはあったので尚更だ。


ついには体を起こしているのも辛くなり、仰向けに寝っ転がると、


「、、、綺麗、、、」


空には雲ひとつない満天の星空が広がっていた。この世界の闇を暗示させる漆黒のなか、キラキラと宝石のように輝く星星はさしずめ希望の光だろうか?そして、ひときは大きく輝く銀の月あの虎を模しているように思えた。


「この後、豚が生きていようが死んでいようが私が行き着くのは娼館か、、、」


建物が崩壊したときにボロボロになった布をめくり、太ももの内側に焼き付けられた奴隷の刻印を眺めながらそうぼやく。


この刻印はその者の身分が奴隷であることを示す物だ。この国で奴隷となるものは全て犯罪者であり、死刑の次に思い罰である。最も女性のような、無理矢理奴隷に落とされた違法奴隷も居るわけだが、そんな事情を雇い主が信じてくれるわけもなく、雇ってくれるような所はほとんど無い。更に雇ってくれるだろう娼館でも、訳有りの人間が酷い扱いを受けることは目に見えている。


新種の生物に女性を養う力なんて残ってないのは明白。生き残れる望みは薄く、残ったとしてももうまともに表を歩くことはできない。手詰まり、お先真っ暗だ。


それでも女性は笑う。商館がつぶれたことが嬉しくて、自分のように孤児院の子供が苦し先ずにすむことが嬉しくて。


「ハハハハハハ、、、」


女性の明るく、どこか寂しげな笑い声が夜の町へと溶けていく。


っとその時、辺りが急に暗くなった。視線を上げてみると、そこには大きな虎のシルエットが。


あぁ、、、私を救ったのが虎なら引導を渡すのもこの虎か、、、


月明かりのなか、煌々と美しく浮かび上がるその影に、


「ありがとう。」


まるで無邪気に笑う子供のような笑みを浮かべ、女性はそっと目を閉じた。


目蓋の裏にはいままでの記憶が次々と流れていく。これが走馬灯か、、、穏やかな心境で流れる記憶を眺めていると、不意に自分のことをねーちゃんねーちゃんと慕い、駆け寄ってくるこどもたちの姿が浮かび、こころを乱される。最後に一度でいいから、会いたかったなぁ、、、


女性は、この商館にきてから1度も外に出ることは許さなかった。すっかり色あせてしまった思い出。しかし思い出してしまったらどうしようもなくこがれてしまう。


っとその時、全身にフワッと風の感じ驚いて目を開けると、いつの間にか足を挟んでいた瓦礫はなくなり、体が宙に浮いていた。どいうこと?と困惑したのもつかの間、突如女性の下に1から12までの数字が円形に並び、中央に大小一対の矢印のある魔方陣が出現した。


「っ!?」


その後感じるありえないほど膨大な量の魔力と全身を駆け巡る痛み。歯を噛み砕かんばかりに噛み締め、必死に痛みに耐える。


数秒だったか数分だったか、女性には永遠にも近い時を耐え抜き、一気に脱力する。


油断しきった次の瞬間水の渦に巻き込まれ盛大に噎せる。


「ゲホッ、、、ゲホッゴホ、、、ナ、、、ナジズンノ、、、」


あまりにも酷い仕打ちに思いっきり虎を睨み付けると、


『だから、お前が豚から酷い扱いを受ける前まで体を戻したんだってば。さっきも説明したよな?ってかお前ずいぶん小さな時からひどい目に遭ってたんだな、、、』


急にそんなことをいわれキョトンとしたあと視界に映る小さな手足を見て、ここに連れてこられた時はこのくらいだったなぁじゃなくて!?


「ななっ!?」


何が起こってってキャア!?


あまりの驚愕に狼狽えていると頭をガブッと噛まれ、あれ口の中は思ったよりか臭くない、むしろハーブの爽やかないい匂いが、、、なんて考えていると上に投げられる。そして虎の上に着陸?墜落?


『さてと、孤児院に帰るぞー』


、、、もう本当に何がなんだか、、、

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