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気まぐれ少女どこへ行く?  作者: 月見 瑠那
産声
57/98

突撃!お部屋訪問!その3

なんか頭がポヤポヤする、、、


目を開けた?と思われる俺の視界に知らない天井、、、じゃないな。懐かし、、、くもないじゃん。いつも見ている天井が写る。


「トントン、トントン。」


優しげな声が聞こえて、そちらに顔を向けるとひまわり組の先生の顔が見えた。


彼女は寝転んだるなの胸を優しく叩いている。るなこのトントン好きなんだよね。お昼寝のとき保育園の先生がたまにしてくれるやつ。いつもは布団の車の数数えないと寝れないけどこれだとすぐ寝れる。だんだん、、、ねむく、、、なって、、、


目が覚めたけど布団のなかでゴロゴロする。起きたいんだけどまだお昼寝の時間だから起きたら怒られちゃう。お昼寝の時間が終わるのをまだかな?まだかな?と思いながら待つ。布団のなかじゃなにもできないからつまんない。仕方なくお気に入りの青い布団に描かれている車の数を数える。あれ、、、また、、、ねむくなって、、、


「はぁ~い!みんな起きて!」


やったー!!布団を素早く畳む。お昼寝の後は自由時間!みんなほしいおもちゃが取られないように急いで押し入れへと向かう。早くしまってよ!あの積み木取られちゃう。はやくはやく!


あぁ~取られちゃった、、、人のとんのは悪いことだから他ので遊ぼう、、、しょぼーん、、、


かっぶとっむし~!最強のへらくれ、、、す?なんとかかんとか?だっけ?なんだっけ?角いっぱいだからものすご~く強いんだ!だからそこいらへんの虫になんか負けないも~ん!!


ひーどーいー!!こわした!!るなのかぶとむしこわした!!ひどい!!なおせ!!なーおーせー!!こいつだいっっっきらい!!


わーい!テレビの時間だー!!魔女のやつみたい!あのドーレーミーのやつ!えー猫と鼠のやつ?きょうつまんないなー、、、


折り紙!やったー!!今日何作ろう!!


あや取り?あっこれ面白そう!


白いアメ!!これ大好き!!


もうお迎えの時間だ。みんなばいばーい!ねーねー!今日折り紙でこれ作ったんだよ!あとねあとね!ブロックで虫作って楽しかったんだ!明日は何しよう!


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


目を開ける。暗い中獣人になったことで手に入れた目で、汚れ、雨漏りの跡がある天井をなにげなしに眺める。ずいぶん懐かしい夢を見た。十年以上前、保育園児だった頃の記憶。社会のことも、異世界に飛ばされる未来も知らず、ただただ無邪気に遊んでいた幼少期。


ここにいる子どもたちと同じ年の時の記憶。


俺は日本で、わがままに、命の危機を感じることもなく、恵まれた環境で、ほとんど我慢することがなく、幸せに過ごしていた。


俺とこの子達の違いは?この子達が何をした?なぜ苦しまなければならない?同じこともなのになぜこの子達は不幸にならなければならない?


皆寝静まり、昼の騒がしさが嘘のように静かになった孤児院の一室で俺は一人、答えのでないとを繰り返す。


こどもたちの何が悪い?いや、こどもたちは悪くない。悪いのは親だ。命の責任も持てないのに生んだ親だ。悪いのは院長だ。疑うことを知らずあっさり騙された、もしくはわざと騙されこどもを食い物にしている院長が悪い。悪いのは商人だ。恩を売ってこどもを奴隷のように扱う商人が悪い。


こどもはなんも悪くない。悪いのは大人だ。大人が、先人たちが悪い。なら俺のすべきことは?特別な力を持ち、十年弱とほいえ人生の先輩である俺のすべきことは?


熱を持った思考を冷まし、いますべきことを冷静に考える。


いまここで衝動的に商人や院長を殺したとしても俺がお尋ね者になるだけでなんの解決にもならない。


ならどうすべきだ?


答えは簡単だ。大人を大勢巻き込めばいい。騎士団でも領主でも市民でもいい。そうすれば監視の目が増え、相手は動きにくくなる。


どうやったら大人を動かせる?


証拠をつかめばいい。決定的な、相手が悪であり、こっちが正義であると言う証拠を。


証拠をつかむには?


聞き込みはだめだ。そんなことしたら怪しい動きをしているものがいるとバレ、警戒されてしまう。


ならどうする?


簡単で、最も成功確率が高い方法。それは、、、


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


静かにそとに出る。今宵は満月。俺の名前である(ルナ)が最も輝く日。


地面に映る俺の影が膨らむ。背中から剛毛が生え、頭髪は太く、短くなる。骨は伸び、筋肉は膨張する。口には鋭い牙が見え隠れし、瞳孔は縦に裂け、色違いの目が怪しげな光を放つ。


常に漏れる膨大な魔力は意思とは無関係に風を起こし、周りに破壊の嵐を巻き起こす。電灯がなく、月明かりのみが道しるべとなる夜の町に現れた獣は、標的を探すように目を細めた。その視線は、ある薄汚れた商館の看板で止まる。


そして、


気高く、何者にも染まらない白銀の毛を持つ神獣、西方の神、白虎が夜の町へと放たれたのだった。

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