アース その2
遅くなりました!
会話多め。
ベルゼバブの宣言と共に、黄昏の大会議場 〈アース〉にてこの世界の命運を左右するが始まった。部屋に緊張感が張り詰める中、ベルフェゴールが重々しくその口を開く。
「、、、ベル、、、かわいー、、、」
「ですよねですよね!」
「あの何とも言えないドヤっとした雰囲気がたまらんの~。」
「最近悪魔筆頭の座をルーとサタンにに取られたーて落ち込んでたから、元気になってよかったわ。」
「そこ!よけいなこといわない!」
ベルゼバブはビシッと指を突き付けた!
「「「「かわいい!(のぉ~)(です!)」」」」
余計にかわいがられることになった。
(プクー!)
このかわいらしいやり取りを見て、四大天使の顔にも笑みが浮かぶ。いい感じに場が和む中、
「というか、わたし悪魔じゃないですしルシファー様も堕天使です。だからわたしたちは悪魔筆頭にはなれませんよ?」
「「「、、、へ?」」」
サタンの爆弾発言に部屋は静寂に包まれる。
「あれ?知らなかったんですか?」
「もしかしてコレールは、、、」
「わたしですか?わたしは天使ですよ?人間を妨害する天使の総称、それがサタンです!」
唖然となる一同。ポカンと口を開け間抜けな顔をさらしている。その顔を見て勝ち誇ったように胸を張るサタン。しかし次の瞬間、
「わたしもあくまじゃないよ!」
「「「、、、へ?」」」
サタンも間抜けな顔をさらすことになった。
「、、、ベルは知ってた。たしか富饒の神 バアル=ゼブル 意味は高き館の主だったっけ?」
「うん!」
親友であるベルフェゴールが自分の本当の名前を覚えてくれていたことを、喜ぶベルゼバブ。しかしほかの者たちはあまりの衝撃に固まったままである。さらに衝撃的な事実が明かされる!
「、、、ベルは人間のせいで神から悪魔へと降格した。」
「何があったんじゃ?」
アスモデウスは不思議そうにしながらたずねる。
「、、、昔、キリスト教の前身、ユダヤ教の本拠地イスラエルの周辺ではベルが祭られていた。そのころベルは広く信仰されていた力のある神だったから、ユダヤ教の聖職者たちにとって布教するのに邪魔な存在だった。」
「にんげんひどい!ゼブル(高き館)をゼブブ(蠅)によみかえた!」
「バアル=ゼブブ、、、蠅の王か。」
「、、、それが時とともに変化してベルゼブブになった。」
「わたしはベルゼバブ!」
「つまり今ベルゼバブって名乗っているのは。」
「わたしのほこり!」
ベルゼバブは胸を張って得意げに答える。自分が守っていた人間たちから裏切られ、七つの大罪にまで落とされたにもかかわらず明るくふるまっているベルゼバブ。その姿は見た目の幼さとは裏腹に底知れない強さを感じさせた。
「辛く、、、ないんですか?」
思はずそう尋ねてしまったサタン。
「ぜんぜん!それにつらいのはベルもいっしょ!」
「「「え!?」」」
またも驚く一同。
「バアル=ベオル。それがベルのほんとうのなまえ!」
「そうだったのか!」
驚きをあらわにするマモン。
「ベルはちゅーとーのヨルダンちほうのかみ。おんなじゆだやきょーのひがいしゃ!」
「、、、同じ。」
ベルフェゴールは席を立つとベルゼバブの後ろに回り、やさしく抱きしめる。ベルゼバブは満面の笑顔でベルフェゴールの手に自分の手を添えた。
「フフフ、、、二人が仲良しなわけがよくわかったわ。」
レヴィアタンが子を思う母のような笑みを浮かべる。
「そうじゃのぉ~。」
アスモデウスが孫を見ているおばあちゃんのように顔をほころばせる。
「ちょっとうらやましいです。」
サタンはうらやましそうに二柱を見つめる。
「私には金さえあればと思っていたが、友情というものもいいものだな。」
マモンがしみじみとつぶやく。
「いいなぁ~じゃなくて!えっと!えっと!」
ルシファーは素直になれない。
そんな、七つの大罪が家族団らんのような時を過ごす中、
「わしらってここにおっていいのかのぉ~?」
「その格好でその口調は気持ち悪いからやめて?」
「気色悪いな。」
「きもいきもい。」
放置されている四大天使は疎外感を感じていた。ちなみに、皆さんもお気づきの通りラファエル、ミカエル、ガブリエル、ウリエルは、ゼウス、ルミナス、アマテラス、イヴである。
「そろそろ本題に入りたいのですが、、、」
とラファエル改めゼウスが遠慮がちに声をかける。
「は!わすれてた!」
「、、、ベル痛い。」
会議のことを思い出し、思わずピンっと背筋を伸ばしてしまったベルゼバブ。後ろにくっついていたベルフェゴールはベルゼバブの頭突きを顎に食らい痛そうにしている。
「ごめん。」
「、、、許す。次から気を付けて?」
「はーい。」
っとここでベルゼバブはあることに気が付く。
「ゼウ、、、じゃなくてラファエル?ごしゅじんさまがげんごわかんなくてこまってるからなんとかして?」
「わかった。」
「フフフ、、、」
「ん?」
何の変哲もない会話。違和感のない自然な会話。だけれども、
絶対にしてはいけない会話。
「ベル?これからごしゅじんさまについてのだいじなはなしするからせきにもどって。」
「、、、わかった。」
「ハハハ、、、」
「、、、どうしたの?」
ベルゼバブは笑う。やっぱりみんな気づいてない。この世で一番初めに生み出されたが、竜の愛情が後に生まれた人間にばかりそそがれ、嫉妬し、反乱を起ことして堕天使となってなお悪魔筆頭と呼ばれるほどの強さを誇るルシファー。ベヒモスと共に竜の傑作ともいわれる怪物、レヴィアタン。全知全能の神と名高いゼウス。ほかの者たちもこの世で指折りの強者である。そんな化け物が十柱もいながら、誰一人として今の会話の違和感に気が付かない。
ベルゼバブは思う。なんてすばらしいご主人様なのだろう?
ベルゼバブは問う。
「ラファエル、、いや、ゼウス?かみのあいはびょうどう。ちがう?」
「、、、そうじゃ。それがどうかしたか?」
「フハハハハハ!まだきづいてない!」
「何の事じゃ?」
「ベル!ごしゅじんさまにあったことある?」
「ッ!」
「あ、、、れ、、、?」
「、、、え、、、?」
「どう、、、いう、、、こと?」
「なぜ神であるわしに獣人の主がおるのじゃ!?」
みんなやっと気が付いた。じゃあ改めて!
「はじめよう!アースを!」
ベルゼバブは声高高に宣言した。
次回からルナ視点に戻ります!たぶん、、、
あと神話とルシファーの設定の時系列不一致はスルーしてください、、、




