衝撃の事実
山羊の肉を食べたら、次は寝床の確保だ。
このテントの使い方さえ分かれば問題無いんだけど、、、無理そう?っと言うわけで、洞窟を探すぞー!おー!
う~ん?ここは川から近くて氾濫した時が怖い。
ここは中が若干深くなっているから雨が降ったらびちょびちょになりそう。
ここは出入口が上を向いているから論外。
なかなか丁度いい洞窟が無い。おっ!ここ中が若干高くなってる!川からもそこそこ離れていて、氾濫の危険も少ないだろう。ここに決~めた!
そんなノリで意気揚々と中に入って行った。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
へーここ思ってた以上に広い。しかも壁や床がところどころ発光しているから視界も問題無し!ここいい!当たりの洞窟だ!
空気も若干澱んでるけど生命維持には問題無い。このまま歩き続けると反対側から出られるのかな?
疑問に思いつつ確かめる術も無いし、今知る必要も無いからその確認は優先事項から外れる。
、、、にしても、、、ちょっと広すぎない?何か不安になってきたよ?ここまでに丁字路2つ、十字路8つ、全部左に曲がってきた上に壁に傷も付けてきた帰り道は問題無いはずだけど、、、何か不安になる。ここだけ外の世界から隔離されているような、そんな感じがする。
えーい!女は度胸ってみんな言ってた!精神的に男だけど!だからと~つげ~き!
そんなバカなことを考えながら駆け出す。
(テッテッテッテッ)
なんともかわいらしい足音が洞窟に思いの外大きく響く。森の中だったら絶対野生動物に襲われてるね!何も居ない洞窟でよかったよ!
なんて盛大にフラグをたてたら、
(ガチッ)
出てくるよね?襲撃者!
襲撃者は着地と同時に追撃を仕掛けようと振り向き、、、そのまま頭と体が別れを告げる。
襲撃者の正体は闇から染み出すようにして出現した一匹の狼だ。攻撃の瞬間まで存在に気が付かなかった。これが、、、魔物?
この世界には大きく分けて二種類の動物がいる。一つは私が森で狩った山羊のような魔力をほとんど持たない温厚な動物。もう一つは多くの魔力を持ち、魔法も使って襲い掛かって来る好戦的な魔物。まぁ種族によって違うから一概には言えないけどね?
ちなみに人間は多くの魔力を持っているが、知性が備わっており力任せに暴れないことから動物に分類されている。
でも、私なんかは人間は魔物の一種なのではないかと考えている。むしろ、魔物と言う言葉は人間のためにあるのではないかと考えている。
私は人間以上に下賎で残酷で最低な生物を知らない。
動物は無駄な争いを好まない。動物は知性が無く好戦的で危険?バカバカしい。好戦的なわけが無い。あれはただただ臆病なだけだ。その怯えを誤魔化す方法を攻撃する以外に知らないだけだ。
動物は決して弱者を見下さない。どんなに実力差があろうと全力で相手を狩る。無慈悲のように聞こえるが、弱者を弄ぶ人間よりもよっぽど優しい。
なのに人間はどう?人間は争いを好む。武器が売れるから、英雄になりたいから、自国の利益のため、楽しいから。人間は弱者を見下す。罠にはめ、弄び、痛め付け、泣いて許しを乞うのを見て喜ぶ。
どこに知性があるの?どこが温厚なの?何で動物と自分達を同列に扱えるの?わけがわからない。
ふー愚痴を言い始めると止まらなくなってしまう。冷静に冷静に。
さてと、魔物?らしき生物が住み着いているからここに住むのは止めよう。なかなかいい洞窟だったんだけどなぁ~。残念。
え~と?全ての角を左に曲がってきたから、全て右に曲がれば帰れる、、、はず、、、なんだけど、、、
あれ?目印に付けてきた傷が見つからない?
、、、スッゴクイヤナヨカンガスル、、、
試しに近くの壁に傷を付けてみる。1、、、2、、、3、、、4、、、5、、、あっ修復が始まった、、、まさか、、、
私は駆け出した。今まで出したことがないレベルの猛スピードで入口を目指す。
まさかまさかまさかまさかまさかまさかまさか!!
たどり着いた先には入口の変わりに壁があった。その壁には、
『奈落は来る者拒まず、されど、去る者』
『許さず』
どうやら私は奈落に迷い込んだようです。




