森の中で
スキルとはその人間の努力の結晶。そして、使い込めば上位のスキルを手に入れることはできても、スキルその物が成長することは無い。当然意識を持ち、自己改造をすることも無い。
主は問う。
なぜ生きる権利が無いのかと。
なぜ生きてはいけないのかと。
主は願う。
痛い思いをしたくないと。
辛い思いをしたくないと。
そして、
≪生きたい≫と
神々も知らぬスキルの終着点。全てのスキルがたどり着く、全てのスキルの最上位。
始まりのスキル
〈生きる意思〉全てのスキルの発端である意思自体がスキルと化したものである。この世界で唯一成長するスキルでありこの世の理から存在である。
そのスキルは次々に姿を変化させる。全ては主である一人の少女のために。
〈自己再生〉〈痛覚無効〉〈魔導の王〉〈武術の王〉〈城壁〉〈豪腕〉〈探知〉〈破壊〉〈覚醒〉〈狂戦士〉〈悪夢〉etc.
そして、最後にたどり着いたのは、
〈七つの大罪〉
禁忌の力だった。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
(ムクリ)
「おなかすいた、、、」
そんなのんきな言葉を放ちながら少女は起き上がる。
「いたい、、、じこさいせい。」
気が抜けるような声色とは裏腹に、そのスキルは絶大な効果を示す。切り傷などはおろか、欠損した両足までも見る見るうちに治っていく。
「おなかすいた。あすもでうす。」
そして、ごく自然に、当たり前のように禁忌の魔法を使う。この場に彼女以外の人間が居たら、皆声を揃えてこう言うだろう。最近の幼女こわ!!っと。
しばらく後、
(グガァァァァァ)
と言う咆哮と共に体長5メートルなど優に越しているような巨大な熊が姿を現す。その熊はなぜか興奮し、周りにある物を手当たり次第に吹き飛ばしながら少女に迫る!尋常じゃない揚力で振り下ろされた腕の一撃を受け、誰もが無惨に弾け飛ぶ少女を幻視したであろうその瞬間、
「ごはん!」
と言うなんともかわいらしい一言を言いながら振り返った少女によって熊はその生涯に幕を降ろすことになった。
「ごっはん!ごっはん!」
っと楽しそうに、嬉しそうに熊の肉を貪る。全身に返り血を浴び、綺麗な銀髪真っ赤に染め上げながらなおも幸せそうに肉を貪る。
「おいし~!!」
文明の温室に慣れた現代人にはおぞましくも感じられる光景の中、少女は本当に美味しそうに熊の生肉を貪り続ける。
森の中、何も対策もせずにそんな行為を長時間続ければ当然、
(アオ~ン)
乱入者が現れる。多種多様な獣に囲まれ絶対絶命なピンチに陥り、少女もその目に絶望を映す、、、ことはなく、むしろ
「おかわりいっぱい!」
と言う歓喜を全身で表現する。そして、森の一角は無邪気な殺人鬼によって血の海に沈んだのであった。
次回、新たな章のスタートです!




