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気まぐれ少女どこへ行く?  作者: 月見 瑠那
序章
14/98

悪意

ここから少しシリアスパートが続きます。

「あーいいゆだった!」


さすが王城のお風呂!本当に気持ち良かった。


今まで入ったことがないほど豪華なお風呂を堪能した私たち。さすが日本人なだけあって長風呂だった。メイドさんズは何人のぼせたか。それなのに勇者組はピンピンしている。勇者なだけあって状態異常の耐性が高いのか、こっちの人たちがお風呂慣れしていないだけなのかは定かじゃないけどね。それはさておき、


「このあとどうする?」


今日はもう自由行動だ。私は変な貴族とかに絡まれる前に、部屋に退散するつもりでいるけど。え?変な貴族って誰かって?例えば


「ルナちゃんの部屋に行ってルナちゃんのことモフモフしましょう!」


どこからともなく現れる王族とかね。


「ヤッ」


「ガーン!!」


撫で回されるのはあまり好きではない。だってくすぐったいんだもん。たまに自分でモフモフしてるけど。たまに自分でモフモフしてるけど。大事なことなので2回言った。


なんかこう、、、その、、、脇の下と足の裏をまとめてこしょこしょされているような、、、身体中大きな犬かなんかに舐め回されているような感じがして、その、、、ちょっと人様にお聞かせできないような声が出たりしてね、、、初めて触ったときはやばかくてってもうこの話はおしまい!なんか恥ずかしくなってきた!!


「ルナ?真っ赤だけどだいじょうぶ?」


「もんだいない!!」


(プルプル)


、、、でも以外だったなぁ。絶対私の種族を知ったら距離取られると思ったのに、、、


あの時、私はもしかしたら怖がられるかもしれない、この気持ちのいい関係が終わってしまうかもしれないと思いながらカミングアウトした。


正直に言うと、私はそれでもいいと思った。むしろその方が望ましいとさえ。このまま一緒にいたら情が移ってしまう。ここから、この人たちから離れられなくなる。そんなことが何となくわかっていたから。


私の目標はこの世界でいきること。神々から与えられた使命を全うすること。彼女達の目標は地球への、日本への帰還。いつかは別れなければならない。だからこそあまり親しくならない方がいいと思って言った。


でも言ってみてもみんな変わんない。むしろ私のことをもっと知りたいといっぱい、いっぱい質問された。予想外だからちょっと戸惑った。


まっ私的にはこっちの方がいいから満足なんだけどさ。私は思考の海から浮上、騒がしい現実に帰ってきた。


そこでは何やら会議が行われていたようで、


「満場一致!これからルナの部屋にいくぞ~!」


「「「お~!!」」」


このあとの過ごしかたがきまっ


「、、、へ?」


今なんて?


「Let's go!」


「え?ちょっ!?まっ!!」


無駄にいい発音のあと、背中を押され、ドナドナされていく。


「まって!!わたしのおへやきたないから!!」


「へ~私のお城の一室が汚いって?」


「ごめんなさい!じょうだんです!!」


お城の持ち主の前だった!!汚い以外の言い訳は、、、


「ふく!ふくしまいわすれたきがするからまたこんど!!」


「大丈夫です。私共が洗濯して畳んでおきましたから!」


くっメイドさんは敵だったか!ならば!!


「ひとりべやだからおおにんずうではいるのはむりだよ!!」


「ローテーション組めば大丈夫♪」


そこまでしてきたいの!?なっなにか言い訳は、、、ってなんで私は抵抗しているんだろう?


私に生まれた小さな疑問。わずかに緩む抵抗。優秀な勇者達はその一瞬の瞬間を逃すことなく切り込んでくる。


「きゃっ」


足払いをかけ後ろに倒し、素早く背中と膝の裏へ手を回す。そう、これは女子達が夢に見るあれ、、、


米俵の担ぎ方である!!


ってなんで!!ここお姫様抱っこじゃないの!?私ちょっと期待してたのに!!ってってかぱんつみえちゃう~!!


後ろ向きに担ぎ上げられた私は、なぜかやたら裾の短いネグリジュ(メイドさん達が徹夜で頑張りました!お疲れさま!!)の端を押さえ抗議の声を上げる。迫力満点の私のドスの利いた声におののくがいい!!


「おーろーしーてー!!」


、、、知ってた!


幼女の声帯ではドスの利いた声なんか出るわけもなく、自分で言うのもあれだけどとても可愛らしい抗議の声が上がる。みんなほっこりした笑顔!ちくせう、、、


そんな感じで歩くこと数分、私の部屋に到着です。なんかみんないい仕事をしたって感じでかいてもいない汗を拭う。わたしゃは疲れたよ、、、はぁ、、、


諦めの心境で、ノロノロと自分の部屋の扉を開けると、


(サクッ)


という緊張感の無い音と共に剣が喉に突き刺さった。


「、、、え?」


「アハハ!獣風情が調子に乗ってるからだよ?」


、、、ラッキー


「うらまないでね?」


といいながら上から降ってきた女の子を蹴飛ばし、壁に叩きつける。


「カハッな、、、何で、、、」


かなり手加減したものの、痛そうに体をくの字に曲げ、こっちを見る女の子の前で、私の体が消える。


「げんかくまほう。」


幻覚魔法 対象に本物そっくりの幻を見せ

     る。大量の魔力を込めれば実体化

     させることも可能。


さっき降ろされたとき、また抱きつかれるのもやだったから入れ替わっていたのだ!ドヤッ!!まぁまさかこんな風に役立つとは思って無かったけどね、、、


「るっルナちゃん?、、、大丈、、、夫?」


突然の襲撃に動揺し、声を震わせながらも私のことを心配してくれる同級生。彼女を安心させるために笑顔を向け、言葉を掛ける。


「だいじょうぶ!もんだいな」


(ガンッ)


(ガッチャン)


私はお腹に大きな衝撃を受け、気がつけば夜空を見上げていた。


「ひしょう」


魔力を込めた私の呟きに反応し、風が起こる。咄嗟に使ったためか、肌に感じる風は弱く、時間も短いが、役にはたったようでなんとか死なずに、中庭の地面にたどり着くことが出来た。


しかし無傷とはいかず、酷い打ち身をした上に窓ガラスの破片が無数に刺さり、私の白い肌を真っ赤に染め上げた。


「まさかこいつの奇襲を避けるとは。流石は勇者様?」


窓から顔を出したのはかなり大柄な男。身長は2メートルくらいかな?体は引き締まっていて、強者の雰囲気を漂わせている。


「あなたは?」


答えがもらえるとは思っていないけど、わずかな時間稼ぎにもなればと思い、問いかける。時間は私の味方だ。遅くなればなる程城の騎士団が助けにきてくれる確率が上がる。


「俺は」


(ギンッ)


背後からの剣を伸ばした爪でそらす。会話に集中したタイミングで奇襲。気付くのがもう少し遅かったらヤバかった。


「全員警戒レベルを最大まで上げろ!!こいつは化け物だ!!」


化け物とは失礼な!何て言い返す暇もない位の攻撃の嵐。周りを見回すと、獣となり鋭くなった夜目が囲まれているということを教えてくれる。見えている範囲で十数人隠れている人数を考えるともっと。


男が放つクナイを回避、それと同時に背後から迫る剣を受け流し、バックステップで足払いを回避しつつ屈んで回し蹴りをやり過ごす。


地面から飛び出す杭を半身になって躱しつつ、そのまま転がり次々と飛んでくると投擲武器を回避、隙を見て立ち上がりつつ三連続バク転。髪の毛を何本か散らせつつ、いつの間にか目の前に現れたナイフ使いの猛攻を凌ぐ。


流れるように続く攻撃の嵐を勘に頼ってかわし続ける。反撃はしなくて良い。ただかわすだけで良い。このまま騎士が来るまで生き続ければ私の勝利だ。


けさ斬りをそらし死角からのクナイとボールをを叩き落とす。ボールは地面につくと同時に破裂、煙幕によって視界が塞がれた状態で匂いを頼りに、おそらく毒が塗られているであろう、ほんの僅かに異臭を放つ矢をかわす。迫り来る剣を足場にして跳躍。着地地点に向かって放たれた蹴りを


(ガッ)


まともにくらい、大きな音と共に城壁へと叩きつけられる。


「ルナちゃん!!」


急に力が抜けた。何が、、、まさかあの煙幕!!


「、、、気づいたか?」


いつの間にかさっきの男が目の前に立っていた。


「まさかこいつらがここまで手間取るとはな?腐っても勇者か。」


、、、なるほど、煙幕に見せかけたなんかの薬品。だから遠距離の弓。矢じりの毒は煙幕に含まれる毒の薬品のを紛らわせるため。獣人は鼻が鋭く、毒物の匂いが何となくわかるという特性をよくわかっていらっしゃる。


「貴様のような獣人風情に生きてる価値などない。」


動けない私を、男は静かに見下ろし話しかける。


「生きているだけで害悪である獣人風情のお前がなぜ勇者になれる?」


なんで攻撃を掛けない?私を殺すのは簡単。なのになんで話しを引き伸ばすの?まるでなにかを待っているかのように、、、


その疑問の答えが出る前に


「ルナから離れろ!!」


菅崎が近くの通路から仲間を引き連れて現れた。みんな武器以外持っていない最低限の武装。私のピンチに慌てて駆けつけてくれたみたい。


登場とほぼ同時に菅崎の剣から放たれた光の斬撃は男に迫る、、、ことはなく私の両足を切り飛ばッ!?


「アッアァァァァァァァ!!」


なんで!?


光の斬撃は男を綺麗に避け、回り込むようにして私の両足を切り飛ばす。


「ほら?勇者もこちらの味方だ。」


「ガッガッ」


心臓の鼓動に合わせてリズミカルに両足から血が吹き出す。


菅崎はなんで私を攻撃した?


周りの生徒はなぜ止めなかった?


なぜ?


ああ、、、私は、、、仲間じゃなかったんだ、、、


まるでこの世から


全ての色が消えていくような


絶望と共に私は


「てん、、、い」


最後の可能性に掛け


スキルを


しよう




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