実力
祝 初評価 読んでいただきありがとうございます!
訓練場の隅で一人の少女がしゃがみ、地面にのの字を書いている。その落ち込みようは、晴天の中にもかかわらず彼女の周りだけ曇天に見える程だ。そんな彼女を現代の高校生達は必死に慰める。
「大丈夫!ルナちゃんはまだまだ成長するんだから!!」
両手を握りしめ、胸の前でガッツポーズをとりながら元気づけようとする女子生徒。タユン
、、、←怨嗟の視線
「そうよ!これからよ!だから元気出して!」
手を引き立ち上がらせようとする女子生徒。ポヨン
、、、←呪いの視線
「お前には未来があるからな!ほら!アメやるからさ?な?」
食べ物で釣ろうとする怪獣ロリゴン。
、、、←軽蔑の視線
「カバディカバディ、、、」
変ま躍りをしながらゆっくり近づいてくる男子生徒。
、、、←1人違あああぁぁぁぁぁう!!!
カバディってなに!?なんかの儀式なの!?あと危ない人いたよ!?ってかなんでアメ渡してくんの!?わたしこどもじゃないからね!!貰うけど!貰うけど!!スイカとメロンは私の敵だからあっちいけー!!シッシ!え?あ!泣かないで!!えとえと、、、ごめんなさい、、、ムギュ!!、、、謀られた!!
え~と?気お取り直して、両ほほに感じる大変気持ちがい、、、ゲフンゲフン幸せな感触は無視しつつ、こちら知力が赤ちゃんより下という事実を突き付けられた月見瑠那?ルナ・ティーグル?です。ちくせう、、、いや!!まだ希望はある!!私は最後まで抵抗するよ!!諦めなければ女神はきっと微笑んでくれるから!!
一般の成人男性のステータス
名前 カール・オジイサン
種族 ニンゲン
年齢 20
体力 10
腕力 10
物理耐性 10
魔力 10
魔力耐性 10
知力 10
器用 10
スキル 料理人
二十歳でお爺さん?何ともかわいそうな方です。あっそこにいらっしゃいましたか。
「ごしゅうしょうさまです。」(現実逃避中)
「、、、はい?」
不思議そうな、訝しむような顔をした料理人を放置しつつ、人類最強と名高い騎士団長アレクさんのステータスを確認する。
名前 アレク・シュヴァリエ
種族 ニンゲン
年齢 36
体力 993
腕力 957
物理耐性 856
魔力 85
魔力耐性 100
知力 1000
器用 985
スキル 豪腕
硬化
指揮官
覚醒
へぇ~この人三十代だったんだ。なのに現役とかすごいなぁ~(現実逃避中)
ちなみに、この世界にはレベルと言う概念がない。努力したらその分だけ強くなる。そして、スキルとは個人が獲得した技術で成長することはない。でも使い込んでると上位のスキルが取れたりする。
さてと、全員紹介すると41人もいて大変なことになるので、勇者君と先生だけ紹介しま~す。
名前 トオル・カンザキ
種族 ニンゲン
年齢 17
体力 500
腕力 500
物理耐性 500
魔力 500
魔力耐性 500
知力 500
器用 500
スキル 勇者
縮地
硬化
破壊
覚醒
名前 キラリ・ナナホシ
種族 ニンゲン
年齢 28
体力 15
腕力 10
物理耐性 15
魔力 1000
魔力耐性 1000
知力 1000
器用 1000
スキル 守護者
城壁
要塞作成
防御
、、、煌梨ちゃん良かったね!今の貴女、チートですごくキラキラして見えるよ!
、、、年齢、種族、スキル、はてなの魔力ゼロ知力2で魔法耐性8、、、もしかしなくとも私って最弱?
、、、ちくせう、、、
急に立ち上がったと思えば仏のような穏やかな顔に、その後また落ち込んでのの字を書きだす少女。ついには膝を抱えゴロンと寝転がってしまった彼女を、人類の最高戦力達は全力で慰めるのだった。マイムマイムマイムマイム、、、
「あまごいすんな!!」
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昼間なのに窓は固く閉ざされ、真っ暗な王城の一室、そこには円卓を囲む見るからに不健康そうな三人の老人と、彼らを守るように囲む騎士達がいた。
老人達は声を潜め、語り合う。
「無能の半端者など要らん。」
「然り。」
「然り。」
円卓の中央には1枚の人相書き、そこにはうつむき、両目に涙をためながら上目遣いにこちらを見上げる可愛らしい少女が描かれている。
その絵を忌々しそうに睨みつけ、突然1人が立ち上がると癇癪を起こしたかのように破り捨てた。
「落ち着け。ここで八つ当たりしたところで何も変わらん。」
一番年を取っている老人がたしなめると、もう1人も頷く。その様子を見て、苛立たしげに腰を下ろす。
「あやつは曲りなりとも勇者。対外的にも対内的にも追い出すわけにはいかん。どうしたものかのぉ?」
三人は深い思考の海に沈んでいく。彼らの標的の少女は、勇者という重要な立場にいるだけではなく、国の最高権力者である王族にさえも気に入られ、可愛がられている。そんな彼女を国から追い出すのは、古参の貴族である彼らをもってしても難しくなっている。
っとその時、部屋の扉がゆっくりと開き、騎士たちが一斉にその手に持つ得物を構える、、、が、すぐに困惑したように下ろしてしまった。
その事に老人達が驚き侵入者の顔を見ると、そこにいたのは彼らの信仰する神の代弁者、コイル・マグネットだった。
「ふむ。熱心な信者が集まって話し合いをしていると聞いて来てみれば、勇者様の悪口ですかな?」
その一言で弾かれたように動き出し、勢いよく椅子から立ち上がる。
「きょっ教皇様ちっ違うのです!これは!」
そして身振り手振りを交えて必死にその身の潔白を訴える。すると、
「ふむ。では皆さんのこれまでの信仰心に免じて聞かなかったことにいたしましょう。」
「ほっ本当ですか?」
「良かった。」
勇者とは神から選ばれたもの達。彼等を貶めるということは、神の決定に背くと同義であり異端者認定されても仕方がないと考えていた彼らはコイルのその言葉に歓喜する。ただ、条件なしというわけにはいかないということも承知しており、どんな要求が来るのか身構える。そんな彼らを見てコイルは
「ほっほっほ。そう固くならずに。」
っといつも通りおおらかに笑う。しかし目が笑ってないことに気がついた彼らは若干ひきつった顔で
「はっはぁ。」
っときの抜けた返事をする。そんな三人に向け、コイルは
「簡単なことです。ルナに暗殺者を差し向けてほしいのです。」
「ッ」
「それは!」
自ら神の意思に背くようなことをした。この事に今まで静かだったその部屋は驚きの声に包まれる。更に言葉を続けるコイル。
「殺しても、追い払っても構いません。ただし、私が一枚噛んでいるとばれぬよう頼みますよ?」
ようやく意味を理解した三人は歓喜に身を震わせながら、
「お任せください。我々にそのような命をいただき、感謝しますぞ!!」
「我が名に懸けて、その命を完遂いたしましょう。」
「承知いたしました。」
覇気に溢れた返事をする。コイルはその様子を満足そうに眺めると
「ほっほっほ。頑張ってください。私はこれで。」
きたとき同様静かに退出していった。
その後、この時の自分達の愚かさを男達が深く深く嘆くのはまだもう少し先のお話。




