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現実世界に現れたガチャに給料全部つぎ込んだら引くほど無双に  作者: ARATA
第三章 日本奪還編

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第31話  危険な存在

 その情報は大阪の仮設の首相官邸にも衝撃を持って伝えられた。



 「本当なのか? 化物たちが全滅したというのは‥‥‥?」


 「詳細は分かりませんが、全滅は間違いないそうです」



 統合幕僚長林田の言葉に、信じられない様子の総理と官房長官だったが、幕僚長の林田は更に続けた。



 「現場の自衛隊員の話では突然、空から男が飛んできて“魔法”を使い、たった一人で化物を倒したと――」





 ◇◇◇◇◇◇◇◇





 【岐阜県・航空自衛隊岐阜基地】



 空将補の山本は耳を疑った。



 「魔法を使う人間だと? そんなものが本当に現れたのか!?」



 確か、坂木がそんなことを言っていたが‥‥‥‥バカな‥‥‥そんな人間がいるはずがない、いるはずが‥‥‥。


 



 ◇◇◇◇◇◇◇◇


 



 「戻ってきたぞ! おーい、こっちだー」



 清水が勢いよく手を振っている。五条と名乗るその男はここから飛び立って二時間ほどで帰ってきた。


 ここから名古屋まで化物は十万近くいるはずだ‥‥‥もしもそれをこの短時間で倒してきたなら間違いなく、この人は化物以上の化物だ‥‥‥‥!


 清水は彼を信頼しているようだが、俺は正直怖い‥‥‥畏怖と呼ぶべきか‥‥おそらく、そう感じているのは俺だけではないだろう。



 「清水さん、知り合いの方ですか?」


 「そうです! 五条さんを探してくれと頼んできたのがこの坂木です」


 「ああ、あなたが‥‥‥」


 「初めまして、航空自衛隊・1等空佐の坂木です。助けていただいてありがとうございます。あなたの噂をきいて、この清水にどうしても探してほしいと無茶な頼み事をしました。お会いできて光栄です」


 「なっ! 固いやつだろう。気にしないでくれ」



 五条さんは「ハハッ」と笑って改めて清水の方に向き直った。



 「清水さん、手を貸してもらえますか」


 「手?」



 清水の差し出した手を取ると強い光が溢れ出した。



 「なんだ?」


 「コレは‥‥‥‥‥!?」



 光の粒子が集まって、暖かい光が清水を包み込む。


 無くなったハズの足に光が集まり、足を再構築していく‥‥‥少し細いが元通りの足がそこにあった。



 「嘘だろ!? 足が‥‥‥足が元通りになったのか?」


 「こんなことが‥‥‥」



 そこにいた人間全員が唖然となり目の前で起こる現実をただ見つめることしかできなかった‥‥‥‥。 





 ◇◇◇◇◇◇◇◇





 大阪――


 緊急に大臣が招集され関係閣僚会議が行われていた。


 ここでは化物を倒した“魔法使い”五条の処遇をめぐって意見が分かれていた。



 「彼のおかげで今、我々はこうして日本にいることができているんだ。当然英雄として扱うべきだろう!」



 首相の多田は日本人の中から、そんな力を持つ人間が現れたのなら誇りに思うべきだと考えていた。本人が望むかどうか分からないが、あらゆる表彰をしてしかるべきだと。


 だが意見を求められていた統合幕僚長や官房長官の考えは違っていた。



 「冷静になってください。そんな巨大な力を持つ者が、そもそも本当に日本人なのか、いや人間なのかも分からないんですよ」


 「仮に日本人だとしても、突然一軍を超えるような力を持った者を簡単に許容するのは危険すぎます」


 「しかしだな‥‥‥‥」



 なおも食い下がろうとする総理に、官房長官は冷静に言い放った。



 「我々にとっては化物を超える脅威であるということです。なんらかの対策は必要でしょう」

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― 新着の感想 ―
天災を御そうとでもいうのかね? どうしてこう権力者というのは己の能力を過信するのか
冒険ものの小説なんかで伝説の魔法使いとかが、人里離れた山奥の塔などに住んでる理由の一つがこれですな。 権力者から恐れられて恐怖の対象になってるから自分から離れているとこに住むんだろう。
[一言] 「我々にとっては化物を超える脅威であるということです。なんらかの対策は必要でしょう」 人助けして、邪魔者扱いされることがあるから程々ですませ、他人と物理的、精神的に距離を取って生活する方が…
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