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現実世界に現れたガチャに給料全部つぎ込んだら引くほど無双に  作者: ARATA
第三章 日本奪還編

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第30話  黄金の龍

 “空間探知”でおおよその魔物の数と位置を把握する。大量に魔物が向かってくる場所に移動して迎え撃つ!



 「複合魔法“破砕旋風はさいせんぷう”!!」



 巨大な2本の竜巻が大勢の魔物を飲み込み始める。ただの竜巻ではない。竜巻の中には尖った岩が無数に含まれ竜巻に入ったものをズタズタに引き裂いていた。


 この辺りにいる魔物は吹き飛ばせるが、数十㎞に及ぶ防壁やバリケードを突破されると後々やっかいだ‥‥そう考えた俺は――‥‥‥



 「火炎防壁!」



 数㎞に及ぶ炎の壁が出現する! それに触れた魔物たちは炎に巻かれてのたうち回っていた。



 「今が曇りなのは、丁度いいな」



 そう言って空に手を(かか)げ、魔力を集中した。上空にある水分が小さな氷へと形を変えていく。



 「氷弾連雨アイスバレット!!」



 空から数えきれない氷の矢が弾丸のように降り注ぐ。その矢を受けた魔物は体がぜ、一瞬で凍り付いた。


 それにしても数が多い‥‥‥より強力な複合魔術を叩き込まないとらちがあかないかもしれない、いくつか試してみるか。


 魔物が多く密集している所まで飛んでいき、“火魔法”と“土魔法”を使った複合魔法をイメージした。



 「灼熱溶岩流しゃくねつようがんりゅう!!」

 


 大量にいる魔物の足元の地面が赤く融解していく、足を取られ身動きがとれなくなってもがき始めているが、もう遅い!


 アンデッドを次々とマグマに飲み込み数千の個体が消えていく、これだけ大量の敵を葬るには魔法が打って付けだ。“重力操作”は強力だが範囲が限られるからな。



 魔物を倒していく中で、あることに気付く。



 「あっ! 大魔導士のレベルがカンストしてる」



 さすがにアンデッド(上位)を含めて倒しまくっていたので大量の経験値が入っていたようだ。


 職業スキルは‥‥‥‥



【職業スキル】

  複合魔術 Rank D  →  Rank B


  獲得“魔法”  雷魔法(Ⅰ)×3



 よし! “B”にまで上がってるな。


 さて、次になる職業は決めている。“僧侶”だ。回復術を極めたい。清水さんの足を治せなかった時、心に引っかかったものがあった。


 今も取れない、この引っ掛かりを取るには回復術を極めて清水さんを治すしか方法はない。


 アイテム・ボックスとして使っている空間から職業ボード“僧侶”を取り出し、表面をタッチした!




 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 愛知にいる陸上自衛隊員はその日、自分たちの目を疑うことになる。


 山のように押し寄せる化物に敗退寸前になっていた時、1人の自衛隊員がたまたま空を見上げたら高速で接近する鳥のようなものが目に入った。


 最初は鳥型の化物かと思ったが、その鳥は巨大な炎で化物を焼き払いながら飛んでいく。大勢の自衛隊員の前で、その男は異常な魔法の数々を使っていた。



 「なんだアレ!?」


 「こっちに来るぞ! 敵か?」


 「化物を蹴散らしていくぞ!? どういうことだ!」



 その男が手を振ると強風が巻き起こり、吹き飛ばされた化物はバラバラに切り裂かれていた。炎を起こせば巨大な竜の姿になり、化物を焼き払っていく!


 地面が揺れ地中から岩の竜が現れ、強力なあごで化物を次々とかみ砕いていく‥‥‥銀色に輝く氷の竜が現れたと思ったら化物を凍らせ砕いていく!



 「複合魔法 ― 爆裂弾 ―!」



 至る所で巨大な爆発が起こる。まるで空襲を受けたかのように化物は吹き飛んでいく! 通常の爆薬では効果が弱く、ここまで化物を簡単に吹き飛ばすことはできないはずだった。


 明らかに通常の爆発ではない‥‥‥!


 数万といた化物がどんどん数を減らしていく、四足歩行の通称“自衛隊殺し”と呼ばれる化物もその男が手をかざせばメリメリと音をたてて潰れていき、逃げ出そうとすれば炎を纏ったような赤い稲妻の一撃で即死していく。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 名古屋 陸上自衛隊参謀本部――


 陸将補 長谷川は部下の報告に混乱していた。



 「空を飛ぶ男が魔法を使って化物共を殺していってる!? 何を言っているんだ貴様は!」



 あまりの部下の間の抜けた報告に語気を荒らげた長谷川は窓を開け、戦場になっている空域を見た。その瞬間――



  カッ!!



 目も眩むほどの光を放つ稲妻が雲全体に走り、遅れて地鳴りのような轟音が響きわたる。


 その厚く覆われた雲の中から一本の糸が下に垂らされるように、金色の何かが地上に向かって伸びていた。



 「なんだ! あれは!?」




 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 多くの自衛隊員が見守る中、地上まで到達した金色の光は全容を現す。



 それは体に稲妻を纏った水の龍だった。中国の伝説に出てくるような、細長い見た目をしている。近くで見ると、その巨大さに圧倒された。


 龍は地上を凄まじい速度で蛇行しながら移動し化物たちを飲み込んでいく、その龍に触れただけでも化物は吹き飛び、二度と起き上がることはない。


 あまりの出来事に、ただ呆然として見ているしかなかった自衛隊員を尻目に“黄金の龍”は化物を蹂躙していった。





 ◇◇◇◇◇◇◇◇





 うまくいったようだ‥‥‥大量の魔物を倒すために編み出した“複合魔法”


 ――水雷世界龍ヨルムンガンド―― 


 初めて使ったが上空に雨雲があったおかげで威力は上々だ!


 十数万の魔物を倒し終えたころ、僧侶のステータスは5回もカンストした。



 「いやーいい経験値稼ぎになったなー」



 自分のステータスを確認する――



 

 僧侶 Lv99           

 HP    847/847 → 1259/1259      

 MP    ∞/∞        

 筋力    334  → 483            

 防御    227  → 328

 魔防    584  → 737

 敏捷    268  → 365

 器用    592  → 667

 知力    1200  → 1498

 幸運    355  → 505


【職業スキル】

 魔術   Rank SSS  称号“魔術王”

 回復術  Rank C  →  Rank SS

 複合魔術 Rank B


 獲得“魔法” 回復魔法(Ⅰ)× 7




 回復術のランクが“SS”までいった。これなら大抵の傷は完全に治すことができると思う。


 あらかた魔物は倒したので、もう危険は無いだろう‥‥‥そう思って、清水さんがいる所まで戻ることにした。この回復術の力を早く使ってみたかったからだ。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 人前で力を使うことに対して自分は強いからと割り切っているとか、単に何も考えていないだけのバカキャラだとか、正義感優先自衛隊助けたけどそれが原因でこのあとめんどくさいこと押し付けられても…
[一言] 清水さんの足が生える!
[良い点]  サクサク読めて面白かった。 [一言]  書籍の小説の続きを読もうと検索するためにホームを覗くと、面白そうな題名だったので数話読むつもりだったのが、最新話まで読んでしまいました。  こうス…
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