第22話 職業ボード
無職のレベルが99になってステータスが上がったため、以前のステータスと比較してみる。
以前のデータはノートにまとめていたので、そのノートを家の瓦礫の山から引っ張りだし、補正前のデータで比べてみた。
無職 Lv1 → 無職 Lv99
HP 44/44 HP 70/70
MP ∞/∞ MP ∞/∞
筋力 14 筋力 24
防御 10 防御 19
魔防 16 魔防 23
敏捷 11 敏捷 20
器用 13 器用 25
知力 18 知力 25
幸運 21 幸運 32
これを見ると無職をカンストした結果、合計100ほど上がっているのが分かる。MPは無限なので、どれくらい上がったかは分からないが、合計では大体それぐらいだろう。
さて、職業ボードを使えばもっとステータスは上がると思うけど‥‥‥。
表面に触れてY/Nの表示が出るのは“R”の物だけ、つまり使うことができる職業ボードはこの10種類だけってことか。
戦士 魔法使い 僧侶 武道家
魔物使い 鍛治職人 盗賊 弓使い
探索者 狩人
どれにしようか‥‥‥少し考えて何になるのかを決めた。やっぱりコレかな、俺は1つの職業ボードに触れ表面に浮かんだY/NのYを押した。
魔法使い Lv1
HP 70/70
MP ∞/∞
筋力 24
防御 19
魔防 23
敏捷 20
器用 25
知力 25
幸運 32
【職業スキル】
魔術 Rank F
魔法使いになった。レベルは1に戻ったがステータスはそのままだ、それと“職業スキル”というのが加わった。この魔術のランクが上がれば魔法の扱いがもっとうまくなるかもしれない。
さっそくレベリングをしようと思い、空を飛んで化物を探していると‥‥‥向こうから何か飛んでくる。
「あれもモンスターなのか!?」
大きな鳥なんだが、体の所々腐敗している鳥型のゾンビみたいだ。
雷魔法で迎撃しようとするが、当たらない! 仕方なく近づいて”重力圧殺”で地面に叩きつける。
鳥の化物を数匹倒した後、地上に降りて人型のゾンビを十数体倒したが、無職の時と違って簡単にレベルは上がらなかった。
結局、避難所の配給などで食料を確保しながら1週間以上かけて“魔法使い”のレベルを99まで上げていった。これでも早い方なのだろう。“成長加速”のおかげだな。
成長したステータスはこうなった。
魔法使い Lv99
HP 70/70 → 122/122
MP ∞/∞
筋力 24 → 48
防御 19 → 33
魔防 23 → 63
敏捷 20 → 40
器用 25 → 81
知力 25 → 105
幸運 32 → 56
【職業スキル】
魔術 Rank F → Rank C
魔術のランクは“C”に上がったし、ステータスは合計で300近くまで上がった。
そして魔術ランクを上げたことで気づいたことが2つある。
一つは魔術で扱いやすくなるのは風・火・水・土の4つだけで他は上がらないこと、もう一つは風・火・水の魔法のレベルが上がったこと。
このことから、風・火・水・土の4つに関してはこの職業ボードでレベルを上げていく過程で“魔法(Ⅰ)”を獲得することができるということだ。
だとすると他の職業ボードでも“魔法”や“スキル”の獲得が期待できる。そう考えるとガチャでハズレ感があった職業ボードは“魔法”や“スキル”より価値があるってことになる。
そして、ずっと試してみたかったのが“同じ職業に二度なれるのか”ということだ。
もし同じ職業に二度なれるなら、このダブついたボードを有効活用できるし、魔術のランクも“C”で止まってしまったが、更に伸ばせるかもしれない。
そう考えて職業ボード“魔法使い”の表面をタッチすると、Y/Nの表示が出た。
仮にまた“魔法使い”になれたとしても今度はせっかく上げたステータスや魔術ランクがリセットされるかもしれない‥‥‥‥。
そうなったら、またコツコツ上げるしかないか‥‥‥そう思いながら“Y”の表示を押した。




