第18話 ステータス
週間ランキングで1位に入ることが出来ました! 読んでくださる皆様のおかげです。本当にありがとうございます。
「ゲームのステータス?」
何を言っているんだ? 俺は子供の頃からゲームなどほとんどやったことが無かったため理解に苦しむ。
俺が困った顔をしていると桜木が‥‥‥。
「突然、見えるようになったんです! 自分でもよく分からないんですが‥‥‥本当です」
「具体的に、どんなふうに見えるんだ?」
「自分自身を見てみると、名前・職業・ステータス・スキルの順番で見えるんです」
そう言って彼女は紙に情報を書き出して見せてくれた。
桜木 楓
探索者 Lv3
HP 38/38
MP 40/40
筋力 9
防御 8
魔防 14
敏捷 10
器用 16
知力 20
幸運 16
【スキル】
鑑定(Ⅰ)
「この“鑑定”というのがあるから人のステータスが見えるということか?」
「自分を見ると“ステータス”や“スキル”が見えるんですが、人のを見ると名前と職業とレベルしか見ることができないんです。たぶん私か鑑定(Ⅰ)のレベルが低いからなんじゃないかと思って‥‥‥」
俺は少し考えた。確かに“魔素”が人体に影響を与えるという研究が欧米であることは知っている。海外の軍隊で筋力が普通では考えられないくらい上昇したなど、眉唾と思えるものもあるが‥‥‥‥。
「駒田はどう思う?」
「ハッ! 自分も最初は信じられなかったのですが‥‥‥」
そう言って駒田は並んでいる隊員に目をやった。
隊列の後ろから背の高い眼鏡を掛けた男性隊員が前にやってきた。
「山中3曹です。山中! 説明しろ」
「はい、桜木1曹から『あなたには“魔法使い”という職業が見えるから、なにかできないか?』と言われて、まったく信じていなかったのですがなんとなくイメージしていると‥‥‥」
そう言って山中は自分の胸の前で手を合わせ、ゆっくりと開き手と手の間に空間を作った。
次の瞬間――
手の中でパチパチと火花のようなものが生まれ数秒で消えていった‥‥‥。
「これは‥‥‥」
「今はこれくらいしかできませんが‥‥‥もっとレベルというのが上がればできることが増えるかもしれません」
それは“魔鋼鉄”と並んで化物たちに対抗する“魔法”の可能性を自衛隊が確認した瞬間だった!




