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現実世界に現れたガチャに給料全部つぎ込んだら引くほど無双に  作者: ARATA
第八章 黒騎士編

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第123話 よみがえる爆炎

 【日本・大阪 仮首都防衛戦線――】



 「またこいつらの相手をすることになるとはな……」



 真夜中の市街地に銃声が鳴り響く、清水と坂木は仮首都として人口が集まる大阪の防衛に駆り出されていた。


 自衛隊は以前よりも“魔鋼鉄”の武器を製造し、異能者の育成に力を入れている。しかし“朱雀”や聖域の騎士団(サンクチュアリナイツ)には遠く及ばない。



 「五条さんが居てくれたら……考えても仕方ないが」


 「坂木、弱気になってんじゃねーよ。あの人が死ぬわけないだろ」


 「ああ……そうだな……」


 「俺たちは耐えればいい。耐えてさえいれば……」



 アンデッドが(あふ)れる絶望的な状況でも二人は希望を胸に、戦線の維持に全力を尽くしていた。そんな中――


 

 「後ろの方が騒がしいが……何かあったのか?」



 清水が感じたざわつきは次第(しだい)に大きくなり、何が起きているのか自分の目で確かめることになる。



 「なんだ!? あれは……」



 巨大な火柱が幾重(いくえ)にも立ち上がり、何故か歓声が聞こえてきた。夜空は点滅するようにひかり、雷鳴が轟く。


 坂木と清水はこの光景に見覚えがあった。



 「来た、来た、来たーーーー!」


 「五条さんか!?」


 「それしかねーだろう!」


 「あっ、おい!」



 清水は現場をほっぽり出し、激しく音がする方向へと走り出す。清水が空を見上げると炎の鳥と人間が高速で飛んでいるのが見えた。


 改めて安堵の思いが胸に込み上げる。



 「あんたが死ぬなんて……あるわけないよな」




 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 日本の上空を飛びながら、アンデッドがどれくらいいるのか確認していく。坂木さんや清水さんと会いたかったが、時間がないので後回しにした。


 俺は魔力を集め上空に流す……以前、日本のアンデッドを大量に葬った魔法だが今は威力も精度も比べものにならないくらい上がっているはずだ。


 広範囲の空に稲光が走る。



 「万雷(ばんらい)!」



 万を超える稲妻が地上に落ちた。落雷を受けたアンデッドは一瞬で灰となる。


 自衛隊と混戦状態になっている場所もあるので“炎の槍”を作り出し投げ込む。炎はアンデッドだけを焼き払い、巨大な炎の柱になった。


 不死鳥は急降下し、地上すれすれに飛びながらアンデッドを炎の中に飲み込んでいく。かなりの数の魔物を倒したので二枚目の“勇者”のボードがカンストした。



 勇者  Lv99


【職業スキル】

 光の加護 B → A


 獲得スキル 成長加速×1

 獲得魔法  光魔法 ×2



 次は“暗殺者”のボードだな。黒騎士の強さの一端は、この職業にあると思っている。この職業はできるかぎり上げていこう。


 俺はそのまま東京のダンジョンに向かった。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 「………なんで私がこんな目に遭うんだ……こんな世界絶対におかしいだろ」



 その男は大阪にある小学校の体育館に避難していた。この避難所には200人以上の人たちが身を寄せている。


 

 「おい……これからどうなるんだ!?」


 「いつまでこんなことが続くんだよ!」



 避難している人々はストレスがたまり、その場はピリピリとした空気になっていた。男はなるべく目立たないように帽子を目深(まぶか)(かぶ)り、息を潜めている。


 だが、その男の存在に気づくものが出てきた。



 「おい、あいつ宝田じゃないか?」


 「え? あのテレビに出てた評論家の!?」



 体育館の隅に座っていた宝田の前に四人の男が詰め寄る。



 「おい! お前、異能者研究の専門家だってテレビに出まくってた宝田だよな」



 宝田は引きつった顔で男たちを見た。男の一人が宝田の胸ぐらを掴み、上に引き上げ壁に押し付ける。



 「何が五条の自作自演だ! 五条が死んだって噂が流れたとたん、この有様(ありさま)だぞ。よくそんないいかげんなこと言えたな」


 「ご、ご、誤解だ! 私は可能性があると言っただけで、本当に非難してたわけじゃないんだ。ほ、本当だ」


 「適当なこと、言ってんじゃねーぞ!!」


 「ひっ!」



 男が殴り掛かろうとした時、外から避難所に飛び込んできた男が叫んだ。



 「外で化物が死にまくってるらしいぞ。自衛隊員が五条じゃないかって……」


 「なに?」


 「本当か!?」



 男たちは我先にと外へ飛び出し、(うわさ)が本当か確かめに行く。宝田はその(すき)に避難所から逃げ出し市街地へ飛び出した。


 何故自分がこんな目に……そう思いながら歩いていると



 「なっ!?」



 誰かに足を掴まれた。自分の足元を見ると上半身しかない化物が足を掴んで離そうとしない。宝田は大きな悲鳴を上げ、化物を必死で蹴って何とか逃れようとするが結局足がもつれ、その場で倒れてしまう。

 

 見渡せば、何体もの化物が自分のすぐ近くまで迫ってきていた。もうダメだ。自分は助からない……そう宝田が思った瞬間――


 稲妻が落ち、化物たちは黒焦げになって絶命してゆく。


 あまりの出来事に宝田は言葉を失い、仰向けの状態で空を見た。夜空には火の鳥と一緒に人間が飛んでいる。



 「あれが五条なのか………?」



 宝田は自分が助かったことに、ただ呆然としていた。

 



 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 今回も日本の魔物の中心地は東京のようだ。やはりあのダンジョンの中に偽物の“統率者”がいるってことか……。


 時間を掛けるわけにはいかないからな。東京ダンジョンの入り口まで飛行してそのまま突っ込む。



 「来い! 不死鳥(フェニックス)!!」



 不死鳥は飛行する俺の真上にくると、その姿を溶かし俺の体の周りで球体状の炎となった。ダンジョンに入ればその中を炎で埋め尽くす。


 体に炎を纏いながら高速で飛行しているためダンジョンの中に大量にいたアンデッドは移動するだけで炎に巻かれ死んでいく。



 「これなら効率的に進めるな」



 あっと言う間に最下層まで辿(たど)り着き、暗殺者のボードがカンストした。



 暗殺者 Lv99


【職業スキル】

 暗殺術 Rank F → D


 獲得スキル 隠密 ×2

 獲得魔法  闇魔法×2



 暗殺術……試してみるか。俺は二枚目の“暗殺者”の職業ボードを取り出し表面をタッチする。


 亜空間から剣を取り出し、最下層に待ち構えていた白骨の騎士と向き合う。


 

 不死の狂戦士

 アンデッド  Lv2437



 重厚な鎧を着て大型の剣と盾を持つ戦士。思ったより速い動きで剣を振るうが、所詮はまがい物の“統率者”だ。


 何度か切り結ぶと、いつもとは違う感覚があった。


 わずかにだが相手の動作の(すき)と、弱点であるはずの“魔核”の位置が分かってくる。これが“暗殺術”の効果なのか?


 俺は瞬間移動で相手の背後にまわり、魔核だと感じ取った場所に剣を突き立てる。白骨の騎士は重苦しい叫びを上げ、黒い煙となって消えていく。


 偽物とはいえ“統率者”をこんなにあっさり倒せるなんて……この“暗殺術”は接近戦で役に立つな。特に黒騎士の前では固有スキルの“神眼”が使えない以上、()わりになるかもしれない。


 今の戦いで二枚目の暗殺者がカンストした。やっぱり“成長加速”のスキルが効果をあげているせいか、カンストが早く感じる。



 暗殺者 Lv99


【職業スキル】

 暗殺術 Rank D → B


 獲得スキル 隠密 ×1

 獲得魔法  闇魔法×3



 これで二体目……次はアメリカだな。俺は三枚目の“暗殺者”のボードをタッチして、すぐにアメリカに瞬間移動した。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 【大阪・首相官邸――】



 「報告が来ました。大阪近郊の化物は消滅、各地の化物も激減して被害が急速に収まりつつあります」



 報告を聞いた多田総理は安堵の息を吐き、椅子に深く腰掛けた。



 「今回も、また彼に助けられたな」


 「死んだと聞いた時にはどうなることかと思いましたが……」



 官邸に集まった閣僚からも安堵の声が漏れる。



 「だが、ここから先は我々の仕事だ。彼の力に頼りきるわけにはいかないからな……各地の被害を報告してくれ」



 多田はすぐに自衛隊に災害派遣を要請し、各地の救助にあたらせる。そして自衛隊の間では再び“爆炎の魔術師”が戻ってきたことに歓喜の声があがった。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 アメリカに来ると日本とは違い昼間だった。巨人の位置も把握しやすいな………そう思って広範囲魔法で一気に巨人を倒そうとする。


 だが、巨人は魔法が効きにくいうえ、体力も相当あるから半端な魔法じゃ一撃で倒せない。俺は両手の間に火、雷、闇魔法の力を集める。



 「複合魔法―― 黒雷華(こくらいか)!!」



 その落雷の一撃で数百の巨人が大地に沈んだ。より魔法が効きにくい“岩の巨人”こそ倒せなかったが人型や鉄の巨人には効果絶大だ。


 たった一発で暗殺者の職業ボードがカンストする。


 やはり巨人を倒した時に入る経験値は莫大だな……この調子で職業ボードのレベルをガンガン上げていくぞ!


 生き残った岩の巨人たちも倒すため極限魔法を撃ち込む。



 「死別する氷の世界(ニヴルヘイム)!!」



 岩の巨人の頭上に巨大な氷柱が現れ、そのまま落下し叩き潰した。俺は瞬間移動を繰り返し、アメリカ全土にいる巨人を狩りまくる。


 入ってきた経験値は暗殺者、大魔導士、モンク、魔法戦士、重複した分を含めて計8枚をカンストさせていく。



【職業スキル】

 複合魔術  Rank A → S        

 気功武術  Rank A → S

 魔法剣   Rank A → S

 暗殺術   Rank B → A

 

 獲得スキル 隠密×3

 獲得魔法  強化魔法(Ⅰ)×5 雷魔法(Ⅰ)×3 光魔法(Ⅰ) 

       闇魔法 (Ⅰ)×2 水魔法(Ⅰ)×2 火魔法(Ⅰ)



 あとは“疑似統率者”だけだな。そう思い、恐らく居るであろうニューヨークへと瞬間移動した。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 巨人と対峙していたアメリカ軍は戦っても倒すのが難しいことが分かっているため、国民の避難を優先させていた。


 それでも次第(しだい)に追い詰められ、人間の生活範囲は急激に縮小していく。限界に近づいたとき突然巨人が死んでいるとの情報が流れる。


 フロリダ州タンパにあるアメリカ中央軍に陸軍の大佐として指揮にあたっていたジョシュアの耳にもその報告は入ってきた。



 「どういうことだ? 何故(なぜ)急に!?」


 「分かりません。ただ確認できる巨人は全て死んでいると……」



 ジョシュアは訳が分からなかったが、基地に設置された大型モニターに映された巨人に視線を移す。それはニューヨークにいる“統率者”だ。


 タイタンほどの大きさはないが、体に炎を(まと)う真赤な巨人……体長は100メートルはある。アメリカ軍が監視していた巨人だが……。


 モニターの中にわずかに光る物が上から落ちてくる。



 「あれは………まさか……」



 光る物体は炎の巨人の足元に落下し、その途轍(とてつ)もない衝撃で巨人を吹き飛ばす。モニターが乱れ、遅れて大地が揺れ始めた。


 ジョシュアは確信する。あれは隕石だと……。



 「五条だ! 五条が来たんだ!!」



 基地内にいた人間は興奮と歓喜を爆発させる。



 「「YEAAAAAAAAAAAAAAAH!!」」



 この日、アメリカ全土にいた巨人のほぼ全てが消滅した。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 アメリカの“統率者もどき”を倒したことで魔王の職業ボードがカンストした。初めてなった職業であり、これでガチャから出てきた全ての職業になったことになる。


 鑑定すると――



 魔王  Lv99


【職業スキル】

 闇の加護 F → D


 獲得スキル 威圧×1 精神耐性×2

 獲得魔法  闇魔法 ×2



 これで三体目、あと残り8時間……。

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― 新着の感想 ―
YEAAAAAAAAAAAAAAAH!!
[一言] アメリカ全土で草 1日何時間なんだろう
[一言] 日本ではテレビの地位が更に低下しそうだw しかし、以前にハンスってあっちの世界の人間では、って書いたがこれで黒騎士の中身が実はハンス、とかだと……さすがにないかw
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