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第一話 白い柱の横で
白い柱の横で、
彼女はそこにいた。
初めて彼女を見たときの印象は、唯それだけだった。
彼女は学食の食器返却口近く、白い柱の横に、唯座っていた。
唯そこにいる彼女は、唯本を読んでいた。
「あの人きれいだな」
僕の視線に気づいた陽樹の言葉に、僕はあっさりと頷く。
「とにかく何かサークル探そうぜ」
陽樹はだけどそれだけ言って、気後れをしている僕をよそにサークル勧誘のお姉さんに付いて行った。
頭の切り替えが遅い僕は、まだ彼女に目を残しながら、陽樹を追った。
こうして僕は大学の入学式の日に彼女と出会った。