お茶会 -新たな未来を求めて 第二章前半部-
このお茶会は二話後で終わりの予定です。
音姫「てな感じだったかな。威嚇というのは少し違うけど、由姫ちゃんはその時の事情を知らなかったっけ。あ、あれ? 何でみんな私から離れているのかな?」
琴美「さすがにそれはドン引きよ。いきなり周の腕を断ち切るって、普通しないわよ」
光「周ってそんなに大変やってんな。少し驚きかも。うちは親戚がいたから良かったけど」
リース「浩平に使える」
冬華「使っちゃダメよ。それよりも、音姫、あなたはそんな子供の時から悪魔憑きにあってたの?」
メグ「悪魔憑き?」
ベリエ「魔界の専門用語で、心身共に疲弊している人に取り憑いて最悪自殺させてしまうこと、だったわよね、アリエ」
アリエ「うん。このお菓子は美味しいよね」
ベリエ「一度殴っていいかな?」
七葉「その気持ちはわからなくはないけど」
鈴「少し落ち着こうよ」
リリーナ「確かに悪魔憑きはそうい意味だけど、あれって40代くらいの人がかかる特殊なものじゃなかった? 私が把握している限りだとリストラされた人に多いって」
冬華「間違ってはないわね。悪魔憑きは基本的にリストラされた人や精神が磨り減った人に取り憑く霊の一種よ。それに関してはエレノアが詳しいんじゃないかしら」
エレノア「私は奥に連れて行かれた由姫が心配かなって」
琴美「確実に処刑に合っているわね。周に連れられたのではなく周を連れてトイレに入ったから」
光「そうやな。ある意味墓穴掘ってるし」
音姫「あははっ。まあ、私が原因だから手加減はして欲しいけど」
冬華「無理ね。確実に本気で殺るから」
メグ「やるんじゃないんですね」
ベリエ「第76移動隊というのは少し理解出来た? 周に手を出せばあの五人に処刑されて悠聖に手を出せばアルネウラや優月から処刑されて悠人に手を出せばリリーナや鈴に処刑されて浩平に手を出せばリースに殺される」
琴美「間違っているとは言いたいのに間違っていないのが問題ね」
冬華「事実だめの」
アリエ「周お兄ちゃんは人気者だよね」
メグ「そうですね。学校でもかなり人気ありますよ。ただ、由姫がいるから告白する人はいないですけど」
音姫「由姫ちゃんは弟くんにべったりだからね。仕方ないことかもしれないけど、あの日からずっとそうだし」
メグ「あの日ってことは音姫さんが周を斬ってからですか?」
音姫「ううん。その日より後。さっきの話の続きとするなら二日後くらいかな。すごい土砂降りの雨の日に、私達姉弟妹が絆を深め合った時から。その時までは弟くんは由姫ちゃんにはあまり依存していなかったし」
メグ「たくさん出来事があったんですね」
音姫「うん。本当にたくさんの出来事があったよ。でも、私はその時のことをあまり覚えていないんだよね」
冬華「当たり前よ。どうせ、悪魔憑きに取り憑かれていたから周によって祓われたんでしょ。そう考えると、すごい才能よね」
ベリエ「というか、普通にありえないことだと思うのは私だけ?」
エレノア「そういうものじゃないかな。実際に、悪魔祓いが出来た最低年齢が5歳って記録があるから」
ベリエ「誰よ、それ」
エレノア「海道楓」
音姫&冬華「ああー」
ベリエ「誰よ、それ」
リース「アルの前の最強の魔術師にして周の祖母。アル以上の化け物」
音姫「最強の座も年老いたからって話があるくらいだし」
冬華「アリエル・ロワソ様の話だと、最も戦ってはいけない普通の人間だと言っていたわ」
琴美「ちなみに他の人は?」
冬華「確か、楓やエレノアね。楓はわからなくもないけどどうしてエレノアなのかはわからないし」
エレノア「あー、アリエル・ロワソの前で一度本気を出したからかな」
冬華「いつ?」
エレノア「私が最初に炎帝になった時かな」
リース「なるほど」
エレノア「もしかして、リースは私の力を知っているとか?」
リース「少しは。詳しい話はわからないけど」
周「まあ、エレノアの時の話は魔界で有名だからな。ベリエやアリエにリリーナは詳しいんじゃないか?」
音姫「弟くん。お帰り」
周「ただいま。まあ、何の話をしていたかはよくわからないけど。男子組だとオレが一番か」
メグ「何の用事だったの?」
周「用事って言うより集まりだな。親しいメンバーが集まって情報交換。オレ以外は全員二次会。この後に慧海に出さないといけない書類があるからな。時間には余裕があるけど」
メグ「余裕があるんだったら、周の昔話、音姫さんと仲良くなった時のことを話して欲しいな」
周「音姉?」
音姫「いや、えっとね、別に困るようなことじゃないし」
周「はぁ。隠すようなことじゃないからいいけど。というか、音姉こそいいのか? 音姉にとっては」
冬華「音姫が悪魔憑きだったのは聞いているわ」
周「それならいいか。つまりは幾らか話しているみたいだし、当日がいいみたいだな。その日は土砂降りだったな。嫌になるくらい凄い量の雨。そんな日のことだった」
次は周視点の過去の話です。