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WsTs ドラゴンハグ 第二話 第四部

今月が終わるまでに投稿できました。

今後とも何卒よろしくお願いします。

〜オーレイツの部屋〜

 言われるがままにオーレイツさんの部屋まで連れて行かれてしまった。

 部屋には沢山の植物が生い茂っており全体的に暗い。なんかこう……、すっごくジメッぽい。

「ところでなんで僕を連れてきたんですか? 」

 上に乗ってるオーレイツさんに聞いてみると、

「もちろん君をモフモフするためさ! 」

 じゃあ来た意味無いじゃん!

「驚いてるね。安心して、流石に冗談だから」

 あぁ、よかった……。

「本当の君を呼んだ理由は彩龍の使徒についてどう思っているからなんだ」

「それって僕たちに関係ありますか? 」

 オーレイツさんは後ろの棚に手を伸ばして何かを手にした。

「じゃあ質問を変えよう。そのアイアンドラゴンを相手して何か感じたか? 」

「? それってどう言う意味ですか? 」

「それじゃあ、これを見てくれ」

 横にある長机に布に包まれた何かを置いた。

「その布とってみて」

 言われた通りにするとその中身はガラス瓶だった。

 そのガラス瓶は透き通っており中身がよく見えた。

 その中身は、ただ黒く流動を繰り返しており見ているだけで恐怖を強く覚える。

 魂そのものを掴まれて、そのまま手繰り寄せてくる様に体が引き付けられてくる。

 無意識に手を伸ばそうとした時、

 パアァッン!

 真後ろから振動を浴びる。世界が真っ白に感じる。

「ハイハイ、そこまで」

 そんな軽い声が一気に僕を引き戻す。

 気がつくとオーレイツさんがガラス瓶に布を被せて元の場所に戻した。

「あの! さっきのは」

 急いでオーレイツさんに聞いてみる。

「さっきのが私たちが旅する理由の一つ」

 オーレイツさんは振り返り一呼吸置いてこう言った。

「あの黒いのは希望と渇望の混沌体。私たちはアレを[ホープグラウンド]と呼んでいる」

 その時の彼女の目は真剣で透き通っていた。

「ホープグラウンドてのは全ての世界に存在し、全ての存在が保有している物質。もちろん君やアタシ、ケルラムやシャルバリナ、君の知り合いも持っている」

 くるりと後ろを振り返り話しを続ける。

「これが無いとココロのバランスが崩れる。増えすぎた時は自然と世界に溶けていく」

 棚からコップを二つ取り出し、粉を入れる。

「少し漏れ出るくらいなら別に害はない。ただその世界が耐えられなくなったら? 」

 なんとなく理解して背筋が立つ。

「さっきの、濃度の高いホープグラウンドが生まれる。やがてそれは世界を覆い、希望を取り込み、最終的に世界は虚無に包まれる」

 ポットに向かいお湯を注ぐ。

「そんな事にならない様に僕達、WsTs(ワールズトラベラーズ)が活動しているんだよ。どう、びっくりした? 」

 ズズズズズ、

 コップを両手に取て飲み始める。

「そんなこと、あり得るんですか……? 」

 触れることさえ許されない深淵がのぞいた様な感覚だ。もし本当にそうだとしたら目の前のオーレイツさんやケルラムさんにシャルバリナさんもあの感覚以上の事にぶつかってきたことになる。

 そう思うとこんなことを口にしてしまっていた。

「そんなことして、辛く無いですか? 」

 手を強く握りしめる。息をすることさえ忘れてしまう。

「もちろんそうだけどさ」

 コップから左手を離して肘を机に置き顎を乗せ、

「君みたいに素敵な出会いや思い出も沢山できたんだよ」

 …………!

 なぜか無性に嬉しかった。

「あれれ、急に顔が赤くなったぞー」

「そんなふうにからかわないでくださいよ! 」

「ははは、それじゃあこっちの質問にも答えて欲しいな〜」

 少し考えてから頷く。

「はい、それくらいなら」

「それじゃあハラグ、世界てどんなものだと思う? 大丈夫すぐには答えなくていいから」

 意図がよくわからない質問だ。東の森とレイクラスパイラル、行動範囲がこれだけしか無い僕には答えられない気がする。

 ましてやオーレイツさん達は色々な世界を巡ってる。期待どうりに答えられる気がしない

「ふふ、顔が強張ってるよ。別にどんな答えでもいいのさ。変えたくなったら変えてもいい答えなんだから。気楽にすればいいの」

 ズズズズズ、

 コップの中の飲み物を飲み終えると椅子から立ち上がった。

 〜メインホール〜

「そう言えばさ、ダーメイションちゃんは心彩闘法を学びに来たんだよね」

 名前を呼ばれる。

 むくっ、と振り返る。

「うんうん、もちろ〜ん」

 ゆる〜りと答える。やっっぱりオフの時は気楽でいい。

「OK! ならば早速練習場に……、」

「その前にさケルラム、そこのグッタリしてる子はどうするの? 」

 目を向けるとピクピク痙攣しているグレイバーが突っ伏していた。

「あはは……、とりあえず医務室に連れていくよ。ダーメイションに関してはシャルバリナが実力チェックしといてくれない? 」

「了解。ささダーメイションこっちについてきて」

 そう言って手招きしてをして、歩き出した。

「は〜い」

 少し離れた位置でついて行く。背中を見せているけど、今襲っても勝てる見込みが見えない。

 しばらくすると練習場についた。

「今回のルールは一対一で先に降参するか気絶するまで。この空間だと死ぬ事はないから安心してね」

 大きく後ろにステップを踏み距離をとった。

 約五十メートル程離れると、

「さあ、始めよう! 」

 合図が高らかに響いた。

 鼓膜から振動を受け取ると同時に一気に踏み込む。

 しかしその声のトーンとは別にシャルバリナは一切動かない。

 目には相手の隙を淡々と狙っているかのように光っている。

 両手は右腰の位置に構えており自然と注視してしまう。

「……芽生えろ」

 フォレストドラゴンのスキルで茎の分厚い花を生み出して私の右に追随する様に操る。

 ハルバードと蕾で二方向から攻撃を仕掛ける。

 シャルバリナは腰をかがめた、今にも飛び込んで来そうだ。

 あと十メートルといったところで、

 天井が近くなった。お腹あたりがすごく痛む。下を見てみると。

 さっき自分がいたであろう位置にシャルバリナが「足」を上に上げていた。

 足を下ろし、腰を深く落として構える。

 顔の目元はよく見えないが口は楽しそうに笑っていた。

 今にも腰の武器を引き抜ける状態。

 すぐに対策を考えようとするも、目の前から消えていた。

「こっちだよ」

 振り返る間もなく背中から強い圧力が加えられた。

「刀身を見せるのはまたの機会に」

 気絶する直前に聞いた声は、

 ……私をワクワクさせた。


 〜森の中〜

 

「……はぁ! はぁ! 」

 東の森、噂には聞いていたけどなんなのよ!

 得体の生物や植物がある。

 必死に走って危険から距離を取ろうと試みる。

 今となっては方角すらもわからない。

 茂みに隠れて周りを確かめようとすると底が抜けた。

「ああもうっ! さっきからなんなのよ! 」

 暗い空間の中声がこだまする。

「そしてここはどこなのよ……」

 立ちあがろうとしたその瞬間、不意に口元を後ろから抑えられた。

「!!! 」

 声すら上げられず気が遠のいていく。

 お兄ちゃんに……心配……させちゃうな……。

ホープグラウンドの詳細①

ホープグラウンドが生まれた媒体にある場合は倒したり緩和したりできる。

しかし媒体から離れてしまえば……。

心彩闘法でしか対象不可能となる。

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