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WsTs ドラゴンハグ 第二話 第二部

〜ハラグ&ダーメイション〜

「ふぇ〜、ここがケルラムたちの船か〜」

 東の森の奥、存在感を放っておりオーレイツ曰くメカメカしいとのことだ。

「なんでレイクラスパイラルから遠く離れてるところにいるんですか! 追っ手を撒く目的とはいえ! 」

 森に入る前にあった彼女は納得のいかない様子で声を荒げて訴えている。

「ここで話すよりはやく入りませんか? 」

 とりあえず中にいるであろうシャルバリナさんに頼めばなんとかしてくれるはずだ。

「さ〜んせ〜い。ほらほら行くよ嬢ちゃん」

 ダーメイションさんから彼女への呼び名は嬢ちゃんで固まったぽい。

 船のドアに伸びる階段を登りノックする。

「シャルバリナさん。ただいま戻りました」

「おかえり! ハラグ君! 」

 シャルバリナさんがドアをひらく……、

 と同時に例の彼女が飛び出す。

 ガシ、

「ふーん、喧嘩っ早いね」

 だが攻撃は片手で容易く止められる。なんなら杖を掴まれて動けないでいる。

「何言ってるのよ貴女! 」

「ちょっ! 何してるんですか?! 」

「貴方こそ何言ってるのよ! 向こうは訳の分からない言葉を喋っているのよッ……」

 グダ、

「はいはい、一旦落ち着こうね〜」

 ダーメイションさんが素早く下に潜り込み彼女の腹部に強く一発叩き込む。

「ありがとうね、確かダーメイションで合ってる? 」

「やぇすやぇす〜」

 二人とも軽いノリで腹パンの件を流す。いやそんなことより……、

「さっき彼女が言っていた言葉が分からないというのはなんですか? 」

「んーと、簡単に言うと心彩闘法の応用で大体の意思表示の読み取りと反応を返すことができるんだけど……」

 そんなの初耳だぞ……!

「あの子みたいに混乱していたり興奮しすぎていたりすると上手く反応が飛ばせないことがあるのよ」

 そ……そうだったのか……。

「それにほら、そうじゃなかったら初めて君とあった日の会話が成り立ってた事に示しが付かないじゃない? 」

「あ……納得しました」

 言われてみればその通りだ。

「他にも気になることがあるからさ、一回入って話してよ。まだお昼ご飯食べてないでしょう? 」

「お〜、ではありがたくいただきま〜す。それではお邪魔しま〜す」

 二人とも対応力が高いな〜。

 そういうわけあってか少し遅めの昼食を取ることになった。


 〜レイクラスパイラル〜


「ケルラム、さん。これからどうしますか? 」

 勢いに強引に乗せられレイクラスパイラルの南側に来てしまった。

「…………」

 少し長い沈黙が流れる。何か気に触ることをしただろうか?

「すまん……少し言いにくいんだけど」

「どうしたのですか……? 」

「やることが無い! 」

「……へ? 」

「やっべー! どうしよう! なんも考えてなかった! グレイバー! したいことなんかある?! 」

 はっきり言って失礼だが……、割と何も考えてないのかもしれない。

「……では、貴方の乗って来たという船に興味があります」

「OK! その程度なら! 」

 そう言うとまた腕を掴まれた。

「東の門から直で行くよ! しっかり捕まってね☆」

「またですか! 」

 叫び終える頃には門の下を通ってた。

 派手な足音はたてず駆け抜けて行く。

 この速度に慣れなければないのだろうか。


 〜森の中にて〜


「ハクソが何をやったか確かめなきゃ」

 東の森をファイズの妹、ファルストは慎重に移動していた。

 何故ギルドの上位の三人を倒せたのか。

 どうして? どうして?

 兎に角今は前に進もう。


 〜トラベラーシップにて〜


「ふぇ〜広いね〜」

 ダーメイションさんが船内を見て回っている。

 シャルバリナさんはさっきの彼女を背負っている。

「まさかあのゴツゴツ鎧の中身がこんなに可愛いなんてね〜」

「いやはやそれほどでも〜」

 その時……、

「おっかえりー! ハラグ君! 」

 二階に上がることのできる階段がある広間の上から声が聞こえてきた。

「ただいまです。オーレイツさん」

「まったくもう、さん付けはいらないて言ったじゃん」

 今回は大胆に飛び降りて来た。その後後ろにスルリと周りこんで抱きつく。

「ハラグ君はこう来られると避けないからね。優しいね〜」

「あの離してくださいよ! オーレイツさん」

「へ〜、ハラグ君て結構モテモテじゃん」

「ダーメイションさんも茶化さないでくださいよ……」

 二人からいじられている中、

「とりあえずご飯よご飯! 今日はチャーハンだよ」

 そう言ってシャルバリナさんが食堂の方から手招きしている。


 〜ケルラム&グレイバー〜


 途中流石に限界(身体的に)だったため少し休憩を挟んでもらうことになったが……、

「でも本当に大丈夫? この森この世界の基準だと危険地帯の筈だけど」

 この通りだ。気づくのがおくれた。

 そこらかしこから聞こえてくる獣の鳴き声や、森の木々の葉が擦れる不気味な音が反響している。このままでは精神的にも限界がくる。

 だが、ケルラムに至っては緊張している様子はなく、なんならお湯を沸かし始めた。

「今日のお茶はオーレイツが新しく作った品種改良植物の葉。一体どんな味がするのだろう」

「流石ですね……ハハ、」

 呆れるほどに呑気な人……モフモフ……だ。

 なんと表現すれば良いか分からない。

「飲む? 」

「……いやもう十分なんで行きましょう」

「本当に? さっき止まったばっかだけど」

「はい、でもこんな姿になってから回復力が一気に上がりましたから」

「OK、じゃ行こっか」

 ガシ、

 腕を掴まれた。

 この流れはまさか……。

「出発! 」

「またかよ! 」

 これは慣れるしかないのか……!


 〜???〜


「どうしてこんな事をしたんだ〜い? 」

 暗い一室、窓からの僅かな光のみが光源の中で気楽な声が飛んでくる。

「……」

「答えてたくないのか〜い」

「……」

「まあ適当に世間話でもしない? 待ってるだけじゃこっちも暇だし」

 なんとなく《わかる》未来に委ねようと口を開くのだ。

心彩闘法はケルラムの研究によりいろんな世界でも通用しやすく強化している。

多種多様な世界を回るのでその対策である。

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