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もふもふ

ᓚᘏᗢ 強烈な一撃を喰らった ᗢᘏᓗ

作者: 山目 広介

 その時、私は強烈な一撃によって意識が一気に浮上した。

 気付くと立ち上がっていて、頭を回すと周りが暗かった。

 手を伸ばし、電灯を点ける。いつもの自分の部屋だったからだ。

 明りが点くと、布団の横に猫がいた。

 それで何が起きたのかに見当がついたというものだった。


 熟睡していて起こそうといつものように前足を触れていたが、全然起きなかった私を猫が痛撃した。

 膝に手を掛けていた猫がその手を握ったのだ。そしてその爪があらわになる。その鋭く尖った爪を。

 それは私の人生で二番目ぐらいに驚いた目覚めだった。

 三番目は積読していた本が地震で崩れて自分に襲い掛かってきたときだろう。あのときもビビった。叫んでしまった。

 そして一番目は自室でウチの猫と他所の猫が喧嘩を始めたときだ。叫び声が響き渡った。猫たちと、私の。

 あのときはその後二か月ぐらい、目覚ましが音を立てた瞬間に100mを全力で疾走した後ぐらいに動悸が激しくなり、不快な覚醒を強いられた。目覚めはすこぶる良かったのだけど、二度寝をしようとは一切ないぐらいに。

 部屋の中は毛だらけだし、布団の中で自分としては1mは飛び跳ねた感覚だ。実際は2、30㎝ぐらいだろう。


 起こすのは構わない。ウチの猫のことだし、仕方がない。

 でも、さすがに早朝でまだ暗い時間に起こされるのは勘弁して欲しい。

 エサを与え、自分もジュースを一杯頂く。驚いたのと暑いから咽喉が渇いていたからだ。

 エサは家族が与えてあるから私はそこへ一緒について行くだけなんだけどね。

 自分一人で行くこともあるはずなのに、何故か私を一緒に連れて行こうとする猫。わざわざ起こしてまで。

 以前面倒に思い、身体を起こしただけで、猫が駆けて行ったからそのまままた寝たりした。

 しかし猫がついて来ないと学習し、振り返るようになった。

 階段まで行き、猫が駆け下りていくのを眺めて布団に戻る。

 猫は駆け下りるの止めて、一緒に降りるまで待ち構えようになった。

 だから行ったり行かなかったして調整する私。

 でも猫もそんな私の行動を見て、見返り美人のように振り返り、待ちの姿勢をする猫。

 一緒に行くときも最近では途中でタンスの角に顔を擦りつけたりして、私が追い越すのを見届けてから追いかける有り様だ。

 誤魔化すことが出来なくなってしまったのだ。

 ついて来ないと戻ってきたりするのだ、ウチの猫。

 だから何度も一緒に行き、警戒心を解き(ほぐ)し、いつか見送るのだ。


 猫の学習能力はなかなかだと思う。



たぶん2021年 08月30日ごろ作成

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