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悪役令嬢の舞台裏  作者: 冴條玲
随想録
1/8

ぼっちに優しい物語

 昨今、自称モブ・自称ぼっちの主人公に『だけ』優しい物語なら山ほどあるんですけれども。


 弱くもなければ不遇でもない主人公が、ボク弱者ですボク被害者ですって顔してチート無双してるのとか。

 モブ異性には目もくれず、お姫様や王子様を狙ったり、ハーレムを狙ったりして、耐え難きを耐え、忍び難きを忍んでる顔をしてるのとか。

 あげくのはてには、敵国のモブとみれば大虐殺してボク英雄。


 ちょっと待て。だいぶ待て。いろいろ待て。


 まがいものばっかりだぞ。


 もしかして、転生チートの悪役令嬢が、モブを一途に愛し抜く物語って、『悪役令嬢と十三霊の神々』だけ……?

 古きよき時代においては、割と王道だったような気がするんですが。

 他にない斬新な物語! なんてつもりじゃなかった。

 だけど、最近、全然みない。

 主人公が女性の逆玉の輿。一途な純愛物語。

 異世界転生としては他になかったりするんでしょうか。


 何のための転生チート。何のための完全攻略ガイド。

 全世界のモブを救うためだよ!(`・ω・)9


 なんで、どの作品の転生者もモブですがって言いながら美少女やハーレムを狙うんだ。

 そこらへんの村娘、たった一人の愛を得るために全力! 難しい!

 それでこそ応援したくなりませんか!?

 頑張れモブ! 負けるなぼっち!(`・д・)9


 デゼるんはまさに、そこらへんにいた町人Sとの愛を守るために全力! 難しい! やってるわけですが。


 さいふぁ様って実は、デゼるんに出会うまで、モブな上にぼっちだったんだよ。


 子供だから、あんまり、自分が不遇だという自覚はなくて、ふつうのつもりだったけど、うすうす、ふつうじゃないかもしれないと気づき始めていた、十歳の春。

 いじめに遭ってるのと、家に多額の借金があるのはわかっていたから、デゼるんに同じクラスに編入すると言い出された時には、にわかに恐怖を覚えて、反対したあの日。


 がっかりされるんじゃないか。嫌われてしまうんじゃないか。


 でも、デゼるんはがっかりしない。嫌わない。

 同情でもあわれみでもなく、さいふぁ様が素敵で可愛くて優しくて大好き。

 ふりむいて。だっこして。傍にいて。


 神の祝福を授かった絶世の美女に転生してるのに、ちょっとでも長く町人Sの傍にいたくて必死。

 あんまり一緒にいたら嫌われないか、邪魔にならないか、でも一緒にいたい、日々これ葛藤。


 町人Sには何の地位もなく、財産もなく、容姿も端麗ってわけじゃない。

 神様がサイコロ振って、庶民パーツで創造したモブだもの。


 だけど、出会ったのも、惹かれ合ったのも、きっと、偶然じゃない。


 悪魔を恐れず、愛さず、何者にも征服されない、世界ただ一人の邪神キラー。

 悪魔の言葉がかの少年の心に響くことは決してない。

 逆はあるかもしれないね。

 だから、邪神の方が彼を恐れる。死に物狂いの連続攻撃、すべて無効。

 ついに、悪魔は札を切り尽くして撤退する。


 そんな物語。

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