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情報屋という蛇の巣穴

「痛ってえ。普通頭蹴るかよ…」

額を押さえながらレイは苦々しく呻く。イリスのキックをくらったあとしばらく動けなかった。あの女神も加減がムチャクチャである。

「大丈夫か?」

隣を歩いていたミソラが心配そうに覗き込んでくる。今朝の一件はこいつが原因なのだが文句を喉元で叩き潰す。

「…大丈夫だ。それより次の交差点、右に曲がるぞ」

レイたちがいるのはα区西地区。オリュンポス有数の官僚街だ。ミソラの情報を手に入れるためレイの提案で訪れていたのだ。

「私はこの国の人間でないのだが、本当にここでいいのか?」

ミソラの声が不安に揺れる。

「邪の道は蛇って言うだろ。ここは蛇の巣穴なんだよ」

レイが指し示す先にあるのはエントランス前のオブジェに「情報・交通管理局」と刻印された高層ビル。

「だから私はこの国の人間でないのだが…」

「いいから。ほら行くぞ」

先にエントランスの自動ドアを潜ろうとするレイの腕にミソラが抱きついてきた。瞬間レイの足が止まる。そんなレイを怪訝そうな顔で見つめて、

「行かないのか?」

「いや、その………このままじゃなきゃダメなんですかね…」

「ダメだ」

ミソラの即答にレイの顔が固まる。右腕にミソラの豊かなそれが当たっていて情報云々どころではない。レイの理性はとっくに危険信号発令中だ。

「……何で?」

「……この方が安心するから…」

チラリと彼女に目線を向けると、彼女の顔は耳まで真っ赤だった。

恥ずかしいならやらなきゃいいのに、とレイは口のなかで呟く。しかし、まあ女の子に抱きつかれるのはまんざらでもないから振りほどきはしない。

「ほら行くぞ」

ミソラに押される形でレイは情報が待つビルへと入っていく。

「あいつ絶対からかうよな……」

浮かない顔でため息をつく。

彼の頭にはこの状況をからかうであろう友人のニヤニヤとした顔が鮮明に想像できてしまっていた。




どうも紙村滝です。

東京でも雪降りましたね。

積もったら楽しそうだったんですが、なんだか積もらなそうです。

雪で遊びたかった…。

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