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読点がないくらいの世の中

作者: 微睡みの馝

 起きて自分の部屋でしばらくごろごろしてから着替えて今日もまた始まると思いながら電気をつけカーテンを開ける。そしておもむろにスマホを開き時間を見ると世の中は16:51。お腹は空いていないが人として何かしら口にいれなければと思いドーナツを1つ食べる。少し外へ出てコンビニで牛乳と午後の紅茶と適当な冷食とお菓子を買い家に帰る。すると夜ご飯が家では待っていて少し多いなと思いつつ完食しデザートもしっかり食べる。勉強しないとなという感情を心の片隅に持ちテレビを見ているあいだにそんな事は無意識に忘れている。お風呂に入って歯を磨くと時計の針は今日の終わりへと近づいている。何一つ成し遂げることのないまま――買い物で外へ出ただけで1つ人間らしいことをしたと思っているが――自室へ戻り1度使うと離せなくなる恐ろしい魔物を手にする。やがてそのうちに極夜の如く夜が更ける。


 いつからこの世界は朝が無くなり人間の姿が稀にしか見れなくなり自意識で生きている時間がこんなにも如実に減少したのだろうか。そんなことを考えるひまはいくらでもあるのだが一切考えはしない。考えようとしない。頭を過ぎるのはただ、ただ早く会いたい。あの人に。会いたい。

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